ENVEホイールの調整とスポーク組み替え

このブログに興味を持っていただきました方より連絡いただきました。

レースに使っているENVEホイールの調整とスポークの組み替え依頼です。

長年付き合いのあるショップに手組依頼されたホイールです。

前輪 700g 2クロス ハブはTNIのセラミックベアリング使用ハブ
後輪 893g DURAハブ CXRAY 

ホイールの詳細は次の通りです。

リム ENVE SES 前輪20H後輪24H

ハブ 前輪 TNI セラミックハブ 後輪 シマノDuraハブ FH9000 24H

スポーク 前後共にサピム CXRAY シルバー

     前輪2クロス組 後輪3クロス組

ニップル インターナルニップル ブラス

お預かりしますとスポークの状態を調べるます。グラフにしますと分かりやすいのでお客様にはこんな状態ですと連絡できますので組替えなどのプランを説明するのに役立ちます。

前輪 ハイテンションで組まれています 
後輪 グラフになっていないとところは緩すぎてグラフにできないということです

お預かりホイールの前輪は2クロス組、後輪は左右3クロス組で組まれています。一般には24穴の場合3クロス組で組むことはありません。理由はスポークがオーバーラップするからです。

オーバーラップとはこんな状態です 24穴で3クロス組しますとこのようになります まあ、好みです

ハブフランジのところでスポークが重なることを意味します。スポークがゆがむと折れの原因になったり、スポークを取り換えるときにも容易に取り換えることは出来ません。メンテナンス性が悪くなります。しかしこれも好みなのでこれがいい人にはこれが良いと思います。手組ホイールファンでは24穴3クロス組は行いません。

グラフにしましたスポークテンションには驚きました。前輪は超ハイテンション、後輪はゆるゆるのテンションで組まれています。お客様には申し訳ないですがとてもひどい組み方をするショップさんでした。長年の付き合いがあってもよく考えておかなくてはいけません。

登りで踏み込んでもかからないホイールだと伺いました。理由が分かり納得されました。高価な部品を使っています。よく走りますよと言われると信じてしまうものです。しかし客観的に見ますとよくわかります。

バルブ穴位置が気になる 長年の付き合いのショップには文句は言いにくい

前輪はスポークの調整を行います。バルブ穴を見ますと一穴ずれています。気にする人は気にします。手組ホイールファンでは出来るだけ注意をしていますが、個人的にはあまり気にしません。今回は組み直しをしませんのでそのままですが一般にはこの組み方はしません。バルブが扱いやすいように組むのが一般的です。

後輪はスポークをwing21で組みますので剛性が上がります。理由はwing21の方が5gスポークで、CXRAYは4gスポークです。ほんのわずかな重量差ですが剛性は大きく影響します。

CXRAYで剛性が丁度いい人もおられるので一概にはこれがいいということは出来ません。注意点としましてCXRAYは万能スポークではないということです。坂で踏み込んでも反応がヌルイ場合は剛性不足です。しかしくるくる回して走る方にはCXRAYで良いかもしれません。

後輪は3クロスをやめて2クロスで組みました
24穴ハブの場合2クロスで組みますとスポークは重なりません
後輪スポークテンショングラフ 

完成しました。前輪は少しスポークテンションを下げました。後輪は出来るだけスポークテンションを揃え、振れを最小になるように仕上げています。

グラフを見比べてみますとどれだけ変わったかよくわかります。あとはお客様のご意見を伺うだけです。楽しみです。

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