ICANホイールのスポーク調整

5月30日、31日の記事にしていますお客様はもう1セットICANホイールを持っておられました。ご購入の時期はわかりませんが今販売されているICANホイールではありません。このホイールのスポーク調整をご依頼いただきました。2セット連続です。前回のスポークを組み替えしたホイールは調子が良かったので今回のホイールと比べてみるというお考えです。

前輪571g 軽量です
後輪733g  軽量です

お送りいただきましたホイールは40mm高のホイールで、前輪は18H、後輪は24Hでした。前後で1304g、とても軽量です。

右ドライブ側ラジアル組 左側クロス組

前輪はラジアル組、後輪はドライブ側がラジアル組、反対側がクロス組という組み方です。スポークはすべてCXRAYで組まれています。

ホイールメーカーの宣伝文ではよく最強のスポーク、CXRAYで組んでいるというのがウリのホイールをよく見かけます。CXRAYはとても優秀なスポークですがすべてCXRAYで組めば良いホイールが出来るのかというのも疑問です。CXRAYは万能スポークではないということも知っていただきたいと思います。

個人的には左右クロス組が好きな組み方です。いわゆるオーソドックスな組み方です。好きな理由はプルスポークが24本の場合12本あるので引っ張るスポークが多いのが理由です。左右の効率まではわかりませんが数が多いのが好きな理由です。

今回お預かりホイールでは右12本はラジアル組です。プルスポークではありませんので駆動には大きく影響しません。左側12本の6本がプルスポークです。この6本のスポークがギアからハブシェルを経由して来るトルクを伝えています。24本の内6本ですのでこれで十分なのかはわかりません。走れているので大丈夫と思うのですが個人的には左右クロス組の方が好きなのはこれが理由です。お客様には組み方については説明していますのでご理解いただいていると思います。

お預かり時点のスポークテンションをグラフにしています。

スポークテンションのバラつきがとても大きい センターが出ていない
スポークテンションのバラつきがとても大きい センターが出ていない

スポークテンションのバラつきが前後ホイール共に大きいです。ギアからくる力は均等にスポーク伝わるのですが力を受ける側のスポークがバラバラのテンションでは駆動ロスが大きいです。加えてセンターも出ていません。

処方箋としましては各スポークの張りを出来るだけ均一になるようにしてセンターが出るように調整します。文章にしますとこれだけです。約2時間かけて調整しました。

前輪 出来るだけスポークテンションを揃えてバラつきを少なくします
後輪 出来るだけスポークテンションを揃えてバラつきを少なくします

出来上がりのスポークテンションをグラフにしました。まずまずの仕上がりです。前回のホイールはスポークを取り換えて剛性を上げています。すべてCXRAYで組んである今回のホイールと乗り比べていただきます。どちらのホイールがお客様に合っているのか楽しみです。

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