昨年ご注文いただきました方よりリムとハブをお送りいただきホイール作製のご注文です。
リムはキンリン社のXR200です。ナローリムで約400gの軽量リムです。ハブも初めてお目にかかるQUANXARというブランドです。計量しますと前後で249gと驚きの重量でした。お客様は登りに使うホイールとして部品をお送りいただきました。前輪を24H、後輪28Hとスポーク数を増やして計画されています。軽量部品を使いながらも剛性には十分気を使われています。
スポークは手組ホイールファンで提案します。前輪はピラーのTB2015,後輪左TB2015右TB2018という組み合わせです。前輪は中部が1.5mmの細いスポークです。後輪左もこの細いスポークにして、後輪右は少し太くして剛性を上げています。
ニップルはブラスのダブルスクエアを使います。このダブルスクエアは前からも後ろからもニップルを回せます。最初は取り扱いしやすい前で回して最終の締め増しに後ろから回すという方法が取れるのでお勧めです。価格が通常の倍以上しますが扱いやすさを考えますと納得できると思います。
XR200リムは剛性が高いリムなのでとても組みやすいリムです。競輪用のチューブラーリムは柔らかいのでとても難しいリムですがその点このキンリン社のリムはとても扱いやすいのでお勧めです。しかし何事も長所短所があります。軽量で剛性が高いからオールラウンドホイールとして使えるかといえばやはり無理があると思います。平地ではもう少し高さがあるほうが空力の援護があり乗りやすいと思います。
お客様もこのことはよくご理解されていますので登り専用に使われるようです。勿論平地でもくるくる回して乗られる方がおられますがそんな乗り方される方にはあっているホイールです。ぐいぐいと踏み込むのではなく、くるくると回転で走られる方には軽くていいホイールと思います。
ホイールのスポークテンションは出来るだけ均等になるように、フレは最小になるように注意します。スポークの寸法さえ間違えなければ誰でも作れるのですが出来上がりは作り手によってそれぞれ違います。手組ホイールの面白いところでしょう。
出来上がりました。前輪599g、後輪778g、前後1377gと軽量です。お客様のインプレが楽しみです。