ヨンロク組をどう思いますかと質問いただきました

だいぶん前にブログ記事にしていますが表題の件で何度か問い合わせがありました。

最近も問い合わせいただきました。どう思いますか?とご質問なのでざっと考えていることお返事しました。

10年以上前のことですがこの組み方を知りました。へー、こんな組み方があるんやと驚きました。いろんな方がブログ発信されて大きな風が起こったことを覚えています。

しかし日本ではこんなにヨンロク旋風が巻き起こっているのに海外では全く話題にもなっていなかったことも印象に残っています。

スポークテンション比率は計算できます。比率は左右のスポークの長さで決まるのですが今はスポーク長の計算ソフトにテンション比率も出るようになっていますので容易にわかります。

Wheelproのソフトで理解できますので見ていきたいと思います。勿論Spocalcでもテンション比率が簡単にわかります。

シマノのティアグラハブとキンリンのXR31T/RT 28穴リムを使ったホイールを計算してみましたので理解しやすいです。

Crossの入力部分に入力しました。左非ドライブ側3クロス右ドライブ側3クロスでは次の数値となります。

左右のスポークテンション比率は44*100 左が低いことが分かります。

左非ドライブ側3クロス右ドライブ側2クロス(いわゆるヨンロク組)では次のようになります。

Crossと書いてあるところに左は3右は2の数字を入力しています。結果は45%:100%の数値が出ます。1%左スポークテンションが上がりました。

ヨンロク組では左右のスポークテンション比率が45:100となり1%改善されます。

次に穴位置が3mmオフセットしたリムを使いますとこのようになります。

リムセンターが3mmずれたオフセットリムを使いますと左右のテンション比率が58:100です

こうして見ますと3mmオフセットリムを使うとテンション比率が58:100と劇的に改善できます。ヨンロクでは1%改善できるのでこれを大きな数字ととらえるか、なに?それだけ?と捉えるかです。

私もヨンロク組を使ってホイール組をいたします。マージナルゲインを追求する上でも良い方法だと思います。チェーンを洗う、ハンドルバーを替える、ヘルメットは空力のよいヘルメットを使うというような細かいことの積み重ねを大切にするという考えの一環です。しかしオフセットリムを使えば大きくテンションの改善が出来るのでこの場合はほとんどヨンロクでは組みません。お客様からのご指定の場合は別ですが...

左側のテンションを上げるには右側を135kgfくらいに上げて相対的に左を上げるという方法が一般的です。ヨンロク組で組み方を工夫してテンションをあげるという方法はホイールメーカーでは取り入れられません。手間がかかるし、効果としましてはわずかな数値からだと想像します。イソパルスで組んでも2%の効率アップです。このため組み方として一番効率が良くなるのは2:1組です。この組み方はいろんなホイールメーカーが取り入れています。世界的といっても良いくらい広まっているのが2:1組です。

このようなことを書きましてお返事いたしました。ヨンロク組は1%のアップですが意外と手間がかかります。ハブを再利用する場合はヨンロク組でしか使えません。穴位置に跡が出来ていますので他の組み方ではハブが割れる原因となりますので注意が必要です。

以上のことから

①オフセットリムを使う

②右ドライブ側のテンションを出来るだけ上げて相対的に左も上げる

この2つの方法が一般的だと思っています。

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