カーボンホイールの作製です。wiggleのプライベートブランド Primeのストレートプル・スポークを使う前輪ハブをお送りいただきました。部品持ち込みでご注文です。
ハブは似たようなハブがあります。写真のハブです。サイズは同じなのでどうもノバテックのOEMのようです。
ハブを計測しますと左右幅は80mmあります。スポーク長を計算する際スポークのブレイシングアングルを出しました。8.3度あります。仮にシマノハブで作るとしますとブレイシングアングルは7.6度です。0.7度のわずかな差ですがスポークがリムに向かう角度はやはり広いほうが良い訳で自転車が曲がるときのコーナーでの安定感はこのブレイシングアングルが広いほうが安定します。広いほどコーナーに強いということです。
このハブのことは知らなかったのですがとても良いサイズです。参考になりました。これからは使ってみようと思います。
さて、ハブの寸法が発表されていますがやはり初めてのハブですので実寸を測りました。ハブ寸法は正確に測らないとスポークの寸法にミスが生じます。大切な作業です。
スポークはお客様よりご指定がありWing21、ニップルはSquorxProブラスです。
Wing21は空力のよいスポークです。風洞実験でとても良い結果を出しています。
リムはこのブログではおなじみの36mm高28mm幅穴ナシカーボンリムで作ります。この穴ナシリムはチューブレスタイヤ用ですがクリンチャーも使用できます。このリムにはフックがありますがフックレスでも作れます。
チューブレスの場合このリムではリムテープを巻きませんので取り扱いがとても楽です。テープがいらないリムは経済的でもあります。チューブレスに使うリムテープは意外と高価なものでこれがいらないことはとても有利です。
ニップルですが、リムに穴がないのでリム穴の後ろから入れて組み立てるということはできません。ニップルに磁石ネジを取り付けて磁石で誘導し、ニップルをリム穴より取り出す方法が一般的です。ゾンダなどの量産ホイールで作られているので慣れた人には難しい作業ではないようです。しかし一般にはホイールを作れない人が多いなか、作業が大変なこのリムを扱うのは慣れた人でも難しいと思います。実際作るのに音を上げた人がホイールを送ってこられ、組み立て依頼を受けたこともあります。挑戦することには異論がありませんがとても難しいことは確かです。
組み上げました。スポークテンションは均等に張っています。センター出しもしっかりできています。テンションのバラつきはほとんどないです。リムの性能が良いからでしょう。注意点はブレーキ面を強化したリムなので方向性があります。フレームに取り付けるときには注意が必要です。