お客様の手持ち部品をお送りいただきチューブラーホイールの作製依頼の連絡をいただきました。
ハブはHB7700,FH7700です。とっくにディスコンになっているハブですが銘ハブとして今でも人気がありオークションに出すとすぐに買い手がつくハブです。
ハブはお客様よりお送りいただきリム、スポークは私が手配するというご注文です。
大事に使われてきたハブなのでグリスアップもご依頼いただきました。
シマノハブのメンテは難しくありません。ユーザーができるように設計されています。ハブスパナが必要ですがナットを緩めて取り外し疲労したグリスを取り除き新しいグリスを注入します。ただし玉あたり調整には少し慣れが必要です。
リムはチューブラーリムです。最近では手に入るチューブラーリムは限定されます。リム数は少ない中でもTNIのCX22は軽量で高性能なリムです。今回はこのCX22を使います。
スポークはお任せいただきましたのでピラーTB2015 2.0/1.5/2.0mmを前輪に、後輪は左TB2015、右にTB2018としています。ドライブ側を少し太くして剛性を高めています。細いスポークの数を増やして剛性を上げる方法は疲れにくいホイールを作るときには最適です。今は少スポークホイールが流行りですが逆の考えで作ります。
ニップルはピラーのダブルスクエアニップルを使っています。なかなか国内では手に入れにくいニップルですがとても優秀です。後ろからでも容易に回せますのでとても使いやすいニップルです。
スポークテンションに関してですがシマノ旧バージョンのハブはハブオフセット値が小さいので後輪の左テンションを11速ハブと比べて高く取れます。ギアの枚数が少ないのですがスポークテンションに関してはこちらのほうが優れているわけです。11速にしないで9速、10速で走られる方がまだまだ多いのもわよくかります。ギアが増えるよりホイールの性能を優先されているわけです。
製作上での注意点は、スポークテンションを出来るだけ揃えて、振れを最小になるように仕上げています。とても地味な作業ですが当ホイールの特徴になっています。スポークテンションが揃っていれば駆動ロスが少なくなります。おまけにスポーク折れなどのトラブルが少ないのです。リム、ハブの持つ力を最大限ひき出すにはこれが一番大切です。
チューブラーホイールは今やカーボンホイールでしか完組では手に入りません。アルミチューブラーでは手組しかないという現状です。アルミチューブラーホイールを選ぶ機会が少ないのですが使ってみると優秀なホイールということが分かります。
今回のようなベテランライダー様からのご注文はありがたいことです。