とあるショップでご注文されたホイールですが受け取られた際に何か出来上がりに違和感があったようで乗らずにおられたようです。ネットで手組ホイールに関して調べていたら当ブログにあたりご連絡いただきました。ホイールの再調整のご依頼です。
お受けするときはいつも失敗したときの弁償も考えてお受けしています。今回は何とかこなせると思い、再調整お受けしました。
ホイールの内容は次のようなものです。
【フロントホイール】
①リム MAVIC CXP-PRO 32H・クリンチャー
②ハブ ONYX Vesper ROAD FRONT HUB 32H ・ハブシェルカラー:Green Anodized・アクスルカラー:Red Anodized・スチールベアリング
③スポーク SAPIM CX-RAY284㎜ ブラック・14G・2クロス/イタリアン組
④ニップル DT SWISSブラスニップル ブラック 2.0 16㎜
⑥リムテープ SCHWALBE ハイプレッシャーリムテープ 700C×18㎜
⑦チューブ Panaracer R`AIR 700×18-23C・仏式48㎜
⑧タイヤ Vittoria CORSAグラフェン2.0 700×23C ブラックスキンサイド・クリンチャー
【リアホイール】
①リム MAVIC CXP-PRO 32H・クリンチャー
②ハブ ONYX Vesper ROAD REAR HUB 32H ・ハブシェルカラー:Green Anodized・アクスルカラー:Red Anodized・スチールベアリング
③-1 ドライブ側スポーク DT SWISS Competition 285㎜(スポークが長かったらしくカットされたとの事。カット後の流さは280㎜程だと伺っております) ブラック・14G・2クロス/イタリアン組
③-2 反ドライブ側スポーク SAPIM CX-RAY288㎜ ブラック・14G・3クロス/イタリアン組
④ ニップル DT SWISS ブラスニップル ブラック 2.0 16㎜
⑦ リムテープ SCHWALBE ハイプレッシャーリムテープ 700C×18㎜
⑧ チューブ Panaracer R`AIR 700×18-23C・仏式48㎜
⑨ タイヤ Vittoria CORSAグラフェン2.0 700×23C ブラックスキンサイド・クリンチャー
ホイールはご自分でプランを立てられビルダーさんに注文されました。
ご自分の体重、乗り方、フレームとの相性など考えてオーダーされています。ホイールの勘所を押さえた素晴らしいホイールと思いました。
お送りいただきましたホイールはハブがアクセントになっています。単なるアクセントだけではなく性能にこだわる高級ハブでした。存在感のある玄人好みのこだわりホイールに仕上がっています。
いつもお預かりしたホイールは最初にスポークテンションチェックを行います。
まず後輪です。
果たしてお客様が違和感持たれるはずでした。ショップからはドライブサイドを120kgfで仕上げたと報告されたようですがびっくりのスポークテンションで平均約147kgfでした。
このテンションでハブが壊れることはないのですがやはりハイテンションであるのは間違いありません。長い時間乗り続けるとスポーク、リムの経年変化に影響します。おまけにスポークテンションのバラつきが大きいです。駆動ロスが拡大するのは否めません。
次に前輪ですが、今度は逆にとても約90kgfと少し緩いのです。センターも出ていません。左右のテンションは左約84kgf、右約90kgfです。おまけにスポークテンションが揃っていません。強弱強弱と連続しています。少しくらいバラつきがあっても乗れますがやはりホイールにとってはよくありません。特定のスポークに疲労が進み折れなどのトラブルの元になります。また振れも出やすくなります。
やはりスポークテンションは揃っているのが一番です。
再調整しましたホイールのテンショングラフです。できるだけ揃え、出来るだけ振れを押さえています。この言葉とおり特別なことはしていませんが丁寧さが必要です。
結果ですが、今まで納品しましたお客様から沢山インプレお送りいただきまして理解したことをいいますと、
◎圧倒するほどに変わるということはないのですがなんとなく進むようになったとよく言われます。
◎コーナーのラインが取りやすくなった、安定しているという言葉もいただくことが多いです。
劇的ということはないのですが乗った感覚はよくなります。均一に張ったスポークには均等に力が加わります。リム、スポークに偏った過度な負担がかからないのでトラブルなく長持ちします。このことが一番の利点と思います。
お客様のインプレをまた紹介したいと思います。