ブルべ200kmなどロングライドの大会に参加される方よりご依頼いただきました。オーナー様は重量にはこだわらないので安心安全のホイールをご希望でした。
リム、ハブはお持ち込みです。リムはアラヤのAR713、ハブはシマノのティアグラハブです。ともに32穴用です。スポーク、ニップルは私が提案しました。
ロングライドになりますと安心安全のホイールが必要です。スポークがトラブルで折れても無事に帰れるホイールです。また疲れにくいホイールということも必要です。
ホイールは地面からの振動を伝えます。ダイレクトにハンドルへ振動が伝わりますと長時間乗っている間に手がだるくなりハンドリングにも影響してきます。
このようなマイナス要因を避けるにはホイールを選択することで疲れを防ぐことができます。ご意見はいろいろとあると思いますが一般的にはスポークが多いとスポークが地面からの振動を吸収してくれます。おまけにホイールは長持ちします。
スポークテンションを下げて調整するということではありません。スポークテンションはしっかりと100kgfはキープする必要があります。
ショックアブソーバーの役割として最適なスポークは中心部の細いスポークです。サピムでは1.5mmのLaser、DTではレボリューションの2点があげられます。2mmのストーレートになりますと剛性が高くなりすぎて少し不向きと思われます。中間の1.8mmスポーク、サピムRaceやDTコンペティションはオールマイティのスポークとしてお勧めです。ねじれにくく扱いやすいスポークです。
今回はLaserを提案いたしました。オーナー様の体重は60㎏台ですので32本のスポークは細くても十分対応できます。
お客様に前輪左右はLaser、後輪は左にLaser右にコンペティションと右側のドライブ側に剛性を上げる目的でコンペティションをお勧めいたしました。
提案をご了解いただきまして完成しましたのが写真の通りです。各スポークテンションはできるだけ均一になるようにして振れは最小にしています。完璧に納めることはできませんができるだけ近づくようにしています。ホイール仕上げのコツはこの2点が要です。
他にもいろいろと細かいお作法がありますがこの2つを押さえればいいのです。
あるお客様が「ホイール組初心者には希望を与え、ホイール組経験者には絶望を与えるチャート」と言っていただいていますこのグラフを参考にしてください。
数をこなす経験が必要ですがホイール作りは楽しいです。性能、出来栄えには差がありますが出来上がればうれしいものです。道具や時間の節約にはご一報いただければ幸いです。
出来上がりました。お受け取り後のご連絡にはインプレ送りますとのことでした。
とても楽しみにしています。