後輪用56mm高カーボンホイールの作製

何種類かのカーボンホイールを使っておられる方より後輪用56mm高カーボンホイールをご依頼いただきました。ご使用のホイールはどれも後輪だけがトラブルようで単品でのご注文です。

当ブログをお読みいただき今までのホイールを参考にご注文いただいています。リムはニップル穴なしのリムです。

後輪 889g
スポークテンショングラフ 左8本右16本
左ラジアル 右2クロス組
左ラジアル 右2クロス組
穴なしリム使用

仕様は下記の通りです。

 

後輪

リム 56mm高30mm幅 490g

スポークDTコンペティション ストレイトプルスポーク黒

ニップル DT SqourxPro ブラス黒

ハブ BITEX BX301 8:16

重量 889g

 

この56mm高リムは剛性があり、ハブはバイテックスのストレイトプルハブ8:16用を使います。スポークはDTのコンペティション2.0/1.8/2.0mmです。

以前お買い上げいただいたFTP300のお客様のインプレではとても高い評価いただいています。このリムは平地用と思われがちですが登りにも強いホイールです。

ブレーキの効き具合が不安な方は前輪をアルミホイールで乗られて後輪に空力のよいカーボンホイールを使うという方法もあります。

セットでのご注文が多いのですが今回のように単品のご注文も歓迎いたします。

シマノホイールの再生

シマノホイールWH-RS20の後輪ハブを使ってホイール組み換えのご依頼を受けました。

ハブはスポーク左右10本ずつのストレイトプルスポークを使うハブです。

AL31W20hオフセットアリ

リムはTNIのAL31W 20穴オフセットリムです。この20穴リムが販売されています。私は知らなかったのですがお客様より教えていただきました。このリムがあればシマノホイールの組み換えは可能です。

 

もう使えなくなるほどリムがすり減り経年変化でスポーク穴のところにひび割れがしてどうしようもないホイールを再度よみがえらせる道が開けます。シマノハブはグリスアップをしっかり行っていれば20年でも使えます。

計測の位置に注意
計測の位置に注意

送られてきましたハブを計測しました。注意点としては計測の位置に関しては右側に寄せるか、左に寄せるか、中央で測るかを決めることです。

ハブオフセット値が少ないので左スポークテンションを高くできるハブです。重いのが難点ですが重いということは逆に丈夫ということですので総合点の高い優秀なハブと思います。

1:1組後輪1037g
左右2クロス組
スポーク穴が3mmずれています
できるだけ均一にテンションを調整

出来上がりの実測スポークテンション比は左約84kgf:右約129kgf、率にして65:100と非常に左が高い数値です。とても優秀です。ゾンダに負けていません。

右スポークテンションは高めですがタイヤインストール後のテンションドロップすればいい数値に収まります。

 

検証していませんが、以下私の勝手な想像です。

 

2:1組のゾンダの場合後輪は左7本右14本で作られています。左7本はラジアル組ですのでこの組み方はクランクを回して得られる、前に進む駆動力には影響しません。右ドライブ側の14本が駆動に参加します。プルスポークが7本、プッシュスポークが7本です。方やこのシマノハブは1:1組ですのでスポーク20本がクロス組です。プルスポークが10本、プッシュスポークが10本です。すべてのスポークが駆動に使われています。

 

前に進む力にはゾンダが14本、シマノは20本が働いています。仮に同じ力で回しているとしてもスポークの働き数が違うのでシマノのほうが勝ると思うのですが如何でしょうか?

価格の低いシマノより価格の高いゾンダのほうが高評価なのは片手落ちのような気がします。値段ではないと思います。ゾンダより約100g重いのですがシマノのほうが価格、性能などの総合力では勝っているように思うのです。ただスポークの調整はゾンダのほうが上のように思います。シマノはしっかりと事前に調整が必要です。

 

話を戻しますが、ストレートプルスポークのハブを扱う注意点はハブの計測が大切です。どんなハブでも計測が一番気を使うところですがスポークオフセット値をしっかり測ることです。

スポークオフセットについてはDTswiss、wheelproのスポーク長計算ソフトでも図解で説明していますので参考にされると良いと思います。

このホイールは左右スポークのテンション差が少なく、リム高が高いので空力と剛性が期待できます。おまけに非常に安価です。最高です。

漕ぎ出しは重量があるため少し重い走りですがスピードに乗ってしまいますと足を休めることができるホイールです。コスパが良くてよく走るホイールに蘇りました。

36mm高カーボンホイールの受注

アルミリムホイールをご注文いただきました方より再度のご注文です。カーボンホイールは以前よりご興味いただいていました。私も次のホイールはカーボンホイールをお願いしますとお勧めしていました。

36mm高28mm幅カーボンリム使用

36mm高のほかに軽量ホイールありますかとご質問いただき25mm高があることをご説明いたしました。25mm高は登りメインの方に良いことをお知らせしましたところ最終的には36mm高に決められました。

前輪 632g
スポークテンションは均一です
サピムCXRAY使用
後輪 830g
スポークテンションは均一です

後輪右コンペティション左CXRAY使用、36mm高リムはオールラウンドホイールとして優れています。重量は1500gを切っています。登りによく平地でも空力を享受できるホイールです。もう少し高い46mm、56mmもあります。空力重視ならば高めのホイールが良いでしょう。

穴のないリムで作っています。

リムは穴なしリムで作っています。このためリムテープが不要です。テープ代は結構嵩むものです。

 

剛性も穴アリと穴なしとでは違うと思います。ゾンダが穴なしのアルミリムです。ロープロファイルのリムですが評価が高いのはこの穴なしリムだから剛性が高いと推察します。穴をあけると軽くなりますが強度を高めるには穴がないほうが高いと思うのです。残念ながらエビデンスは持っていませんが普通に考えたらそうなると思います。

後輪ハブの分解、組み立て

スポークを外して単体にしているハブは勉強も兼ねて分解掃除します。ベアリングも取り換えるようにしています。

 

ベアリングの取り換えは難しそうに見えますがハブの構造は単純ですので慣れると楽しく作業ができます。機械は分解するときが楽しいものです。

 

いつも使いますノバテックのハブは5mmの6角レンチ2本を使ってばらします。

片方のキャップを外して、次に10㎜のレンチと5mmのレンチでもう片方のキャップを回して両キャップ取り外します。

 

フリーは引き抜きます。回しながら行えば簡単にフリーを抜き取れます。

ハブは単純な構造です。

パーツを順番に並べておけば組み立ては楽にできます。外した順番通りにもとに戻せばいいわけです。

プレス機で圧入します

ハブ単体状態でのメンテナンスにはこのプレスを使っています。ベアリングの圧入は簡単です。古いベアリングを使って新しいベアリングの後ろから押し込むのですがこのプレス機を使えば芯出しを心配することなく圧入出来ます。

スポークがある場合使えないのでほとんど稼働しない道具です。単体ハブのメンテナンス作業は楽にでき、精度の高さを考えますと便利な道具だと思っています。道具好きに向いています。

前輪ハブのベアリングを取り換えました

シマノハブはカップアンドコーンですので雨の影響を受けやすいので割とまめにグリスアップを行っています。シールドベアリングの場合はすべて取り換えです。

頻繁ではありませんが取り換えるとホイールは新品状態に戻せますのでベアリング取り換えを行っています。シールドベアリングは1個300円ほどで手に入ります。前輪なら2個取り換えで新しいホイールになります。

スライドハンマーを使うのが手軽です

初めてベアリングを取り換えたときは勇気がいりました。失敗したらどうしようと思ったものでした。失敗は杞憂に終わりました。とても簡単です。

特殊な道具なしでもできますがスライドハンマーがあればとても楽にできます。私は自動車工具を置いている店で購入しました。先につけるアタッチメントは前輪には8mm用があればいいです。めったに使う道具ではありませんが道具好きの方は揃えておかれても良いかなと思います。ただし価格が本当にまちまちでよく調べる必要があります。

アンカーボルトでたたき出す方法もあります

スライドハンマーを使わない場合はポンチでたたき出す、もしくはアンカーボルトでたたき出す方法があります。8mm、16mmのアンカーボルトがあればベアリング取り出しはできます。

 

ベアリングの圧入には長ネジを使った道具が販売されていますが私はホームセンターで購入した6M120mmのねじをバイスに挟んでナットで圧入しています。

安価な汎用品で十分つかえます

必要な道具は

ベンチバイス

取り出した古いベアリング

6M120mm長ねじ、長ナット

ベアリングとほぼ同サイズのワッシャー

メガネレンチ

それに新しいベアリングを2個

これらを用意します。

 

先ずスライドハンマーでベアリングを引き抜きます。カンカンと2回ほどハンマーを振りますと簡単にベアリングは取れます。

6M120mmのねじをバイスに挟んで

写真のようにバイスの6M120mmの長ネジをセットして新しいボアリングを入れて後ろから取り出した古いベアリングとワッシャーで押し込むわけです。メガネレンチでナットを回してベアリングを圧入していきます。レンチを回して行けばすんなり入っていきます。

古いベアリングで後ろから押し込む
ベアリングの後ろはワッシャーを数枚かさねています

今まではたたいて入れていたのですがセンターを出して入れるのにコツがいりました。この方法ならゆっくりとベアリングの入り具合を観察できますので楽な感じがします。

叩いて圧入する方法は慣れればとても簡単

さて、慣れた人ならどんな方法でも簡単ですがゆっくり見ながら進めるということならこの方法が良いかもしれません。ハブの構造は非常にシンプルで特に前輪は何の心配もいりません。10分ほどで終わります。

シールドベアリングの良いところは取り換えたら新品になるということです。

ニップルにグリスを塗る

ニップルを保管する小瓶にはオイルを入れてニップルのオイル漬けで保管しています。

オイル漬けで保管している

使用するときは事前に必要な数を出して紙の上に出しておいて余分なオイルを取り除いて使うようにしています。ニップルはオイルでコーティングされています。ニップル面とリム面の摩擦を少なくできますので回転させやすく手間がかかりません。

刷毛でニップルにグリスを塗っています

違う方法も行っています。穴なしカーボンリムではニップルとリム面の摩擦なく回転させるにはニップルにグリスを塗るのが良い方法です。スポーク穴部分にオイルを注せばよいのですが売り物のホイールですのでできるだけきれいに仕上げたいものです。そのためにニップルにグリスを塗りながら使用するのが良い方法です。

 

自分用のホイールなら簡単にオイルをひと注しすればいいのですが販売用のホイールにはできません。オイルがリム面に漏れ出します。ごく少量でもリム面にはオイルが出てきます。きれいにホイールは仕上がりません。このため一個ずつニップルにはグリスを塗りながら、つまりニップルをスポークに通す前にほんの少しグリスを刷毛で塗っています。この方法が一番良いと思います。ひと手間でニップル回転は回しやすくなりますのでホイール作製の精度が上がります。

 

ゾンダ・ホイールを調べる

ゾンダはホイールのベンチマークになるくらいのホイールです。どんな自転車屋さんでもゾンダ、レーシング3を買っておけば大丈夫といわれています。

それだけで実績があり安心できるホイールです。これ1本で大丈夫ともいわれています。

 

ゾンダ 旧製品21mm幅リム

最近アルミホイールの雄であるゾンダホイールを調べる機会を得ました。

 

最初にお断りです。本ホイールは譲っていただいたホイールです。このホイールを調べ上げてあれこれと意見を述べるのはいただいた方に対して申し訳ない感じがします。

しかしこんな事例もあるということを知っていただくことが大切と思い今回の記事にいたしました。以前にもゾンダ購入の記事を書いています。これも参考になるかと思います。

後輪リムベッドにひび割れが入り危険

残念なことにこのホイールは後輪リムベッドにひび割れが入り危険で使うことができません。スポークのテンションを調べてみました。果たしてテンショングラフにしますと驚くことが分かりました。びっくりのハイテンションで作られています。

前輪 661g
前輪スポークテンショングラフ よく揃って適度なテンションです。
後輪 927g
右ドライブ側が非常に高い

後輪ホイールは21本のスポークを使われています。右ドライブ側14本左非ドライブ側7本、2:1組の代表的なホイールです。スポークテンショングラフで見ますと前輪は平均約120kgfで張られてばらつきもなく優秀です。

後輪はドライブ側が驚くばかりのハイテンションで仕上がっています。私のテンションメーターでは約140kgf前後でスポークは張られています。使用のデジタルテンションメーターは校正していますので大きく狂いはありません。

 

ホイールは2万kmほど走っておられますので新品ホイールとは違います。そんな使い込んだホイールのスポークテンションが140kgfですので新品の時はもう少し高いと思われます。正直後輪は高いテンションです。

 

ではホイールのスポークテンションどのくらいが正解値なのでしょう。

 

正解は必要十分なスポークテンションであればよいというのが正解のようです。きっちり**kgfにするべきですという正解値があればいいのですがそうではありません。とてもあいまいです。いわば正解というものがありません。

 

しかしながら私はおおよその数値は決めています。前輪は110kgf~120kgfで仕上げます。後輪は120~130kgfで仕上げています。

 

この辺りで仕上げるのが経験からでた数値です。つまりホイールの強度やスポーク数によって決めていますのである程度の幅があります。一律ではありません。

スポーク数が多い32hのクラシックなホイールでは前輪は70kgf前後、後輪100kgfで十分という人もおられます。

 

各ホイールメーカーにはスポークテンションの推奨値があります。ある程度の範囲内で作っているということですがこのゾンダはどうも推奨値の最上限で作られたようです。

 

ゆるゆるのテンションでは力が伝わりませんがスポークテンションを高くして剛性を上げるということは間違いです。スポークテンションはホイールの剛性には関係ありません。ホイールの剛性はリムの剛性とスポークの総面積で決まります。スポークが太いと剛性が上がります。ホイールの剛性はスポークの総面積に比例するといわれています。

 

リムの疲労はスポークのハイテンションで起こりやすくなりますが、このゾンダはもう少しスポークテンションが低い作りであったらリムのひび割れは起こらなかったと思いますのでとても残念です。せっかくのゾンダが使えなくなるのは悲しい話です。

 

では予防策はないのでしょうか?

 

結果的には購入時点で調べて少し下げるしかありませんがそんなサービスをしてくれるところ、正確なテンションメーターを持っているショップは少ないと思います。

やはり残念ですが運に任せるしかないのかもしれません。当たりが悪かったというしかありません。人為的な問題なので解決はできるのですが…

このアイデアがあった

振れ取り台にはメーターを取り付けると格段の作業効率が上がり精度が増します。

私は振れ取り台を2台使っていますが主にメインはパークツールの製品です。

 

サブにこの振れ取り台があります。通販で格安だったので購入したのですがメーターがついていないのでほとんど飾っておくだけでした。

自動車の工具屋さんでマグネットベースとメーターを見つけてこれを使えばいいと思って購入しました。もちろん通販で容易に手に入ります。うまく使えるようにしたのですがこの状態です。

取り付けにステンレス板をホームセンターで買ってきてこのように使っていました。

これはこれで使い勝手が良かったのですがお客様より写真を送っていただきました。

マグネットベースの取り付け位置ですがいいところについています。

送っていただいた写真です

今まで思いつかなかったアイデアです。

振れ取り台のアームの裏側に取り付ければうまくいきます。

この位置は考えつかなかった。頭が固い証拠です。これなら余計なことをしなくてもいいわけです。

アームの裏側に取付ました

メーターにはローラー測定子がついています。この測定子はミツトヨの測定子ですがキーワードに測定子と打てばネットで購入できます。こんなものが意外と高価です。静かに作業をしたいのでつけています。メーターの先に爪楊枝でもつけておけば静かに測れるかもしれません。お客様に教えていただいたアイデアです。

超軽量カーボンホイールのレビューをいただきました

超軽量ディスクカーボンホイールのご注文いただきました記事を書きましたがレビューをいただきました。生の声をお聞かせいただきました。お客様よりブログ掲載の許可を得ました。とても参考になると思います。

 

お客様とは何度もメールでやりとりを行いました。沢山ご質問をいただきました。こういう疑問があるのかと私もお調べすることで知識を深めることができたと思います。言わばお客様との合作ホイールです。お互いに意見を出し合って組み立てましたホイールです。

以下インプレ内容です。

ようやく、試走出来ましたので感想をご連絡できます。

重量

シマノ6穴のディスクアダプターを着けまして同じ条件で比較したところ、これまでのアルミとほぼ同じ重量です。アダプターを他社の軽いモノにすれば、少しばかり軽くなるかなといったところです。

タイヤはチューブレス25ですので、23のクリンチャーとほぼ同じ重さです。

重量では、重くならないことがターゲットでしたので、成功です。

ハブはバイテックスの方が、重いので合計の回転モーメントは軽くかなったことになります。

 

マウント

チューブレスは初めてで心配でしたが、リムテープ無しで、キツキツなくらいでしたので、普通のポンプでやさしくビードが乗りました。この恩恵は、整備性の面で大きなことだと思います。

25のコンチネンタルグランプリ5000TLをはめて、微かにリム幅がはみ出る感じです、105%にちかいと思います。

 

ハブの品位

ディスクブレーキハブは、メーカーでは違いがありえるので、キャリパー位置調整が必要と思いましたが、これまでのノバテックハブの位置で差し障りなくばっちりでした。

ホイールを入れ替えるごとにキャリパーを動かすわけにはいきません。

 

フロントのスペーサーの、構造がすぐ抜けて、外れてしまうのは正直に嫌です。フロントはよく外しますので余計に。

ただ、12スルーとのコンバージョンを考えるといた仕方ないかなと思います。

リアフリーは齧り防止が施してあり、良いです。

ラチェットもかっちりしています。

 

走行感

タイヤの、空気圧は荷重に、合わせて前4.5後ろ5.5です。

ほどほどの柔らかさと、抵抗の、バランスです。まだ下げられるかもです。

 

走り出しが軽いです。

片足を地面から離しただけで転がりはじめるような、感じのうえ、踏んだ分にきっちり反応して加速度を感じます。

28スポーク、コンペ、カーボンが全て協力していると思います。

今まで、バイク本来の能力を封印してしまっていたのか、悔やまれるくらいです。

 

平坦では、25キロ位はただ足を回しているだけで、意識して漕がずでも維持できる感じですし、少し踏めば、楽に35キロくらい維持できます。

乗った速度は落ちません。きんとん雲に乗った気分です。

 

立ち漕ぎは、以前ですとロスが大きくてやる気にならなかったですが、こちらは漕いだ分加速しますので、立ち漕ぎが楽しいです。やはり、ロスがあるのは体で感じるものですね。

 

ハンドリング

フレームの要素が大きいですが、以前のクリンチャーアルミがふらふらですが、それより少しばかり安定しましたがそれほど変わりません。

初めてなので驚きは横風にかなり煽られることです。油断禁止です。

 

走行音

薄い作りのカーボンだけにかなりします、速度が高いとゴーゴーいいますが、玄人になった気分になります。

 

見た目

ファットチューブの、フレームに合わさって、黒艶でキマッタって感じです。

プロリムの塗装ではない仕上がりが活きています。

 

ご相談できて材料の選択から、スポーク、穴、ハブ色々と、検討でき、組み立ても安心してお任せすることが出来ました。

まさにイメージ通り、希望通りの、大変満足なホイールを得ることができました。

 

以上がお送りいただきましたインプレです。過分なお褒めのお言葉をいただきましたので少しこそばゆい感じがいたします。でもありがたいことです。

今回使用しましたリムはいつも使いますカーボンリムよりはワンランク上のリムを使っています。95㎏までの方という使用制限がありますが通常では問題ありません。軽量化を図るにはとても有効なリムです。少しお高くなりますがグレードの高いホイールを得ることができます。

WH-R501ハブでホイールを組む

シマノのホイールから取り出したハブを使ってのホイール組をご依頼いただきました。ハブはシマノホイールWH-R501から取り出しています。ハブは前輪20h後輪24hのカップアンドコーンでシマノから一般には販売されていません。ホイールから取り出す必要があります。私はリムとスポークを提供します。驚きのアイデアです。一本取られた感があります。

取り出した後輪ハブ 366g
取り出した前輪ハブ 144g

話は少しそれますが、

シマノの低価格ホイールはびっくりの低価格ですがそこはシマノブランドです、他のメーカーではまねができません。よく考えられて作られています。

前回のブログ記事ではマイナス点ばかりを述べましたがよくできたホイールと思います。このホイールは長く楽しめます。分解しても楽しめるホイールはあまりないと思います。

WH-R501 後輪1118g
スポークテンションのばらつきが目立ちます

個人的にはシマノの低下価格ホイールは中級、上級者のトレーニングホイールとして最高ではないかと思います。スポークのテンションを均一になるように調整してスポークテンションのアンバランスから生じる力が逃げにくくなるようにすれば練習用のホイールとして最適です。踏み込んだ力が正しく伝われば重いホイールはよく回ります。重いホイールで練習すれば本番の時の軽いホイールは驚くばかりのパフォーマンスを発揮できるでしょう。シマノの低価格ホイールは設計が良くても作りがすこし雑なので適切なスポークの調整が必要です。これさえやっておけば本当にコスパの良いホイールと思います。

WH-R501前輪861g
スポークテンションのバラつきが目立ちます

違う考え方で、初心者の方には最初に重いホイールをつけて走ると負荷ばかり掛かり自転車とはこんなにしんどいものなのかと思わせてしまいます。初心者こそいいホイールで始めるべきだと思うのです。10万円の自転車でスタートしてもついているホイールは新品ですぐに売りに出すことです。そしてゾンダ、レー3を買って自転車を始めれば自転車の良さがよくわかると思うのです。タイヤ、ホイールは一番大切と考えます。

さて、本題です。

使うリムはキンリンのXR22T/RTです。24mm幅のワイドリムですチューブレスレディーリムですのでテープを貼り、チューブレスタイヤとバルブを用意すればチューブレスホイールとして使用できます。

組みあがり後 後輪989g
右Race左Laser 2クロス組
スポークテンションが均一です
前輪組みあがり730g
Laserスポークをラジアル組で
スポークテンションが均一です

このリムは440g前後の軽量リムです。剛性はしっかり確保でき、外周部を軽量化できる優秀なリムと思います。おまけにチューブレスレディーですのでこれからはこのリムでしょう。

ご依頼主の体重を伺いますと前輪20h後輪24hで対応できます。スポークは前輪をサピムのLaser、後輪左をLaser、後輪右をサピムのRaceにしています。

Laserはねじれ易いので扱いが難しいスポークですが性能は非常に優秀です。最強スポークといわれるCX-RAYスポークの扁平前のスポークがLaserですので強度は十分といえます。

後輪右ドライブ側にはスポークの太さを変えて剛性を高めています。

ホイールの剛性はリムの剛性+スポークの総面積に比例しますので右側のスポークを太くすることは有効な方法と思います。

後輪リムはオフセットリムです。ハブの11速化に対応するためにはとてもよい手法です。リムは3mm中心部より非ドライブ側(左側)に寄っていることで左側のスポークテンションが10%ほど上がります。後輪スポークの左右テンションバランスが良くなり駆動ロスが減じられます。

3mmずれることの効果は非常に大きいです。2:1組などの特殊な組み方をすることなく左テンションを上げることができます。おまけに24スポークの半分、12本がプルスポークとして働きますので有効です。デザイン的にはオーソドックスで地味な組み方ですが十分力を発揮します。

組みあがったスポークのテンション比率は66:100で左スポークは非常に高いテンションで組めています。比率は以前購入のゾンダより良い比率です。駆動ロスが少ない掛かりの良いホイールに仕上がりました。

前輪は862gから730gに、後輪は1118gから989gへ軽量化できています。

前後では1979gから1719gに260gの軽量化です。

ショックアブソーバーの働きをするLaserスポークを使ったホイールはチューブレスホイールとしても使えます。おまけにハブの重量は少しありますがシマノのカップアンドコーンハブです。丈夫さとメンテナンスが楽なのは過去のシマノハブで証明済です。デザインは地味ですが価格、性能を考えますと素晴らしい変身であることははっきり言えます。