アレックスリムのALX473evoホイールです。あるブログの記事からの疑問です。
ブログでは前モデルからの変更点としてワイドフランジとフランジ大形化による横剛性アップを伝えています。
この製品のことを少し調べてみました。軽量ワイドリムを使った2:1組のホイールです。価格的にはゾンダ、レー3より安価で高性能を謳った製品と思います。またチューブレスレディーといいとこ取りの製品のようです。
前モデルの使用ハブはノバテックのハブを使用と書かれています。汎用ハブのためサイズデータは発表されています。
前モデル
フロントA291SB-SL
サイズ PCD左30/右30mm CTF 34.35/34.35mm
リア F482SB-SL-11 サイズ PCD41/49 CTF 38/17.5mm
です。
新モデル
フロント
サイズ PCD左37/右37mm CTF 34.35/34.35mm
リア
サイズ PCD43/54 CTF 44/17.5mm
太字が変更された部分です。
ブログの説明に疑問を感じたのでテンション比率などを計算してみました。
リムサイズがわからないので仮に24㎜ワイド31mm高リムのXR31Tとします。ERD580㎜のリムです。
いろんな計算ソフトがありますが基本はみな同じ関数を使っています。私はエクセルを使ったSpocalcを用いて計算しました。
フロントハブを計算します。
ハブフランジが7mm増えた結果スポークのリムからハブに行くスポークの角度、bracin gangleツッパリ角度は7.0度から7.1度広がっています。0.1度角度が広がりました。
旧製品フロントがこれです。
新製品を計算しました。
この0.1度を大きく変わったと採るかは人によると思いますが私は大して変わらないほうを取ります。0.1度スポークの角度が広がったからブログで言うほど大きく安定度が増したとは言えないと思います。
このように後輪も計算します。左フランジが2mm、右フランジが5mm変わり、左CTFが6mm変わったとブログでは書いています。
表で示すのは割愛しますが
旧製品では
テンション比率88:100と左がとても高い数字を示し、左bracin gangleツッパリ角度は8度です。
新製品ではテンション比率76:100で決して左が低い数値とは言えませんが新しいホイールのほうが左テンションは緩くなっています。スポークの左bracin gangleツッパリ角度が8度から9.3度に高くなっていますので横剛性が増しているのかもしれませんが左スポークテンションは88から76と落ちています。
あくまでも計算値ですので乗ってもいないのであれこれというのはいけないと批判されるかもしれません。
ブレイシングアングルは上げているが左テンションは大きく下がっています。これで剛性力がアップしているのか?
ブログではアレックスリムのホイールを大きく変わりましたよと打ち出しています。
私は計算したらそんなに変わっていませんよと言いたいのです。
決して私はこのホイールは良くないと言っているのではありません。
2:1組で作られた左テンションの高いホイールであり、とても軽量です。おまけにワイドリムでクリンチャー、チューブレスと両方に使えるいいホイールと思います。価格もとてもこなれています。
しかしながらハブサイズが数ミリ変わるとこんなに性能がアップするのですよと書いている人がいるので本当にそうかなと思っています。
私はアレックスのホイールに乗ってもいないのにあれこれ書くのはどうかと思うのですが手組ホイールを作っているものとして疑問に感じたことを述べました。