ミニベロホイールのご注文

ミニベロホイールのご注文が増えているように感じています。今回はリム、ハブの持ち込みでスポークとニップルは手組ホイールファンが用意します。お送りいただきました部品は次の通りです。

前輪リム DA16 32H
後輪リム DA22 24H
前輪ハブ HB-F700
後輪ハブ FH-F700

ミニベロの場合ほとんどのスポークが200mm以下のスポークで作製しますのでバテッドスポークではぴったりのサイズのスポークが簡単に準備できません。スポークの別誂えに時間が掛かるため、スポークカットで対応できる2㎜径の丸スポークを使っています。スポークが太いためホイールの剛性はとても高いです。このためタイヤ気圧で乗り心地調整が必要と思います。剛性が高い分ホイールの反応は良いのではと考えます。

前輪 DA16リム使用 32H 686g
後輪 24H DA22リム使用 885g

組み立てるときスポークが短いためニップルを回しての反応は大きいです。このため少しニップルを回しても大きく振れが生じます。振れ取り作業は結構難しいと思います。ではどうすればいいのか?答えはテンションが緩いホイールを組み立てることです。ゆるゆる状態の仮組で組み立ててからゆっくりニップルを回してスポークテンションを上げていく方法が良いと思います。

小さいホイールはテンションメーターが使えません。テンションメーターが使えないのでスポークを弾いた音で調整しています。

先ずテンションメーター校正器に同じサイズのスポークをセットして100kgfの音を聴き取ります。この音を頼りにスポークを調整します。

スポークテンションが揃っていなくてもホイールの振れ取りは出来ます。テンションがバラバラでも振れ取りは出来るのですが、このホイールは使っている間に直ぐに振れが出てきます。振れが出にくい状態で使うにはスポークテンションが揃っていることが大切です。高級完組ホイールはスポークテンションがよく揃っています。時間をかけているので高価なわけです。

音を聞きながら調整するときは注意点があります。テンションメーターでは同じテンションを表示しても音で調整すると音色が違うときがあります。ギターの弦調整とは少し違いますので適当に切り上げることも必要です。

出来上がりミニベロホイール  リムテープを巻いて納品しました 喜んでいただいたようです

今回はシビアに調整しましたのでほとんどのスポークテンションが揃っています。振れが出にくいホイールが出来上がりました。お客様には喜んでいただけると思います。

追記  写真をお送りいただきました。 電動自転車にこのホイールならロードバイクといい勝負が出来るのではないかと厚かましいこと考えています。                                    

穴ナシカーボンリムでホイール作製

45mm高の穴ナシリムとノバテックのハブを持ち込みでホイール作製をご依頼いただいました。こちらで用意するものはポークとニップルです。スポークはピラーのウィング21、ニップルはDTのSquorxProです。

45mm高26mm幅 392g
リムは穴ナシリムです

穴ナシリムは名前の通りでバルブの穴だけがあいています。ニップルはバルブの穴からいれて磁石で引っ張り出してスポークを取り付けていきます。とても面倒です。

直接伺っていませんがお客様はホイールを組める方だと思っています。料金は4時間分いただいていますが作製依頼の方が簡単で良いと考えられたのでしょう。

前輪ホイール 645g wing21 2クロス組
20H 2クロス組

手組ホイールファンではアリエクでの購入はやっていませんので分かりませんが製品の良し悪しは少し賭けになります。今回は手組ホイールファンに注文するだけでも勇気が要りますので失敗しても良いという感覚でリムを注文されたのでしょう。良い買い物されたかは使ってみないと分かりませんが出来上がりホイールはとてもよくできています。ホイール作製のプランを立ててビルダーに任せる方法もいいアイデアと思います。

アルミニップルをブラスニップルに交換

アルミニップルで作られた手組カーボンホイールの後輪スポークが一ヶ所ニップル破損したということでご連絡いただきました。お客様は何度もホイールのご注文をいただいているリピーターの方です。お預かりホイールは手組ホイールファンのホイールではありません。

お預かり時点の前輪ホイール 669g
お預かり時点の後輪ホイール 854g

お預かりホイールはリムにFORMOSAと書かれています。ハブはホワイトインダストリーのハブを使っています。前輪スポークはサピムのCXRAY、後輪スポークはギア側にサピムのRase、反ギア側にCXRAYという組み合わせです。

スポークがニップルスリットまで届いていないとアルミニップルの頭は飛びやすい アルミニップルの弱点です
一ヶ所頭がとんでいます

破損ニップルは頭が飛んでいました。アルミニップルの弱点は頭部ですがこのホイールを作られたビルダーさんはアルミニップルの急所をご存知なかったようです。

すべてのニップルを確認しましたがスポークは少し短めでニップルスリット(すり割り)を突き抜けていませんでした。アルミニップルではスポークが短いと頭が飛ぶ恐れがあります。

一ヶ所だけ直してもまた同じことが起こるかも知れません。お客様はすべてのニップルを交換することにされました。とても賢明なご判断だと思います。

アルミ14mmニップル 44個 15g
SquorxProブラス44個 53g

因みにアルミニップルは44個で15gです。取り換えに使ったDTのSquorxProブラスは44個で53gでした。「軽さは正義」と考える方々には驚くばかりの重量ですがアルミニップルのガルバニック腐食を考えますと手組ホイールファンではブラスの方を支持しています。

リムテープを巻いて納品します

作業終了です。すべてのニップル交換は新しくホイールを作るのと同じですので意外と時間は掛かります。馴染みだしを何度も繰り返して調整しました。新しいテープを巻いて納品します。

ミニベロ後輪ホイールのご注文

ミニベロ用の後輪ホイールをご注文いただきました。

仕様は次の通りです。

エンド幅 135mm 

20インチ 406x17mm 32穴

6穴ディスクブレーキ用

Deore規格FH-M756  残念ながら36穴でした

このホイールに適したハブがなかなか見つかりませんでした。シマノハブでDeore規格FH-M756を探したのですがハブは36穴でした。適当なハブがなかったのですが中国のハブメーカーにありました。注文しまして10日ほどで届きました。

6穴ディスクブレーキ用後輪ハブ  エンド幅135mm
アレックスリム DA16 32H
出来上がりホイール  

小径車のホイールではバテッドスポークは手に入りませんので2㎜径スポークをカットして使います。

リム径が小さいため各スポーク間隔が狭く通常のニップルレンチが使えません。ニップルはリムの外側から回せるニップルを使います。

小径車用のホイールはニップルを少し回しても大きく反応します。700cのホイールと同じ感覚でニップルを回しますと振れ取りは難しいと思います。スポークテンションは緩い状態で一度組み上げて少しずつテンションを上げていく方法が良いでしょう。

ミニベロホイールはテンションメーターが使えないことが多いのでスポークを弾いて音を聞きながらの調整を行っています。120gkfの音はテンションメーター校正器にセットしたスポークの音を聞き分けています。出来るだけ音を揃えています。スポークテンションが揃っていれば振れが出にくいホイールに仕上がります。

HopeRS4ハブで前輪用46mm高カーボンホイールの作製

お客様よりご連絡いただきました。次のようなご依頼です。

オリジナルで作られている無印の46mmハイトホイールが気になっています。
当方、hopeハブ リムブレーキ用18H前輪の用意があります。
wing21のスポークなどで、前輪ホイールを組んでいただく場合の見積もりをお願いします。ICANホイール40Vの後輪と合わせて使用する予定です。

46mm高28mm幅のリムでHopeRS4ハブを持ち込みで前輪ホイールのご注文をいただきました。

HopeRS4 前輪用ハブ18H 135g

お送りいただきましたHopeハブは135gと軽くはありません。しかし重量があるということは剛性が高いということでもありますのでトレードオフの関係です。丈夫なハブシェルに大きなベアリングを使うハブは使う側に立って設計されていると感じます。一般には軽量ハブを求められますが今回のハブはなかなか玄人好みです。

18穴リムは別誂えしています。入手に約1月掛かりました。通常手組ホイールファンでは穴ナシリムで作ります。作るには手間がかかりますが、使う立場ではリムテープがいらないので扱いが楽です。

仕様は次の通りです。

46mm高28mm幅リムブレーキ用カーボンリム 18穴 穴ナシリム

ハブ HopeRS4 18穴 持ち込み

スポーク wing21 黒

ニップル DT SquorxPro 黒

スポークテンションを出来るだけ均一になるように、フレは出来るだけ小さくなるように仕上げました。馴染みだしは時間をあけて何度も行っています。

46mm高28mm幅 リムブレーキ用カーボンホイール 前輪用 694g
スポークテンショングラフ  テンションメーターから得たデータをグラフにしています
ウィング21使用 ラジアル組 

ホイールメーカーではプレス式の機械を使って馴染みだしを行っています。量産するためには機械で馴染みだしするのがいいのでしょう。しかしホイール1本ずつ丁寧に時間をかけて馴染みだしを行うほうに分がある感じがします。

納品しましたらインプレをいただけるようです。とても楽しみです。

ダイナモハブでカーボンホイール作製

通勤500km/月と年2.3回300km程度のライドをされているライダーさんよりご連絡いただきました。

シャッタープレシジョンハブ ディスクブレーキ仕様 28穴 374g
36mm高28mm幅 28穴 チューブレス用 416g
シマノ FH-RS470 実用ハブとして素晴らしい

前輪はシャッタープレシジョンのダイナモハブを使うカーボンホイールのご注文です。ダイナモハブを使いますと自転車に乗っている間ライトがついています。普段気が付かないのですがとても安心安全です。

後輪ハブは実用品として最適のシマノハブFH-RS470です。前後共に28穴を使います。リムは軽量の36mm高の穴ナシリムを使います。体重、ご予算いろいろ打ち合わせて作り上げていきますのでまさにディスク仕様のオーダーホイールです。

スポークは前輪サピムLesr、後輪左Lesr、後輪ギア側Raceです。バテッドスポークの中央部が1.5mm、1.8mmのスポークを使った組み合わせです。シルバースポークを使うご指示をいただいています。カーボンホイールにシルバースポークはとても洒落ていると思います。

ダイナモハブ使用 カーボンチューブレスホイール  オーダーメイドです
前輪 ダイナモホイール シャッタープレシジョンハブ使用  シルバースポークがアクセント
後輪 28穴 ディスク仕様 962g シルバースポークがアクセントです

〇36mm高のチューブレスカーボン

〇前輪はダイナモハブ使用

〇ロングライドにも疲れにくいスポーク選択

〇ディスクブレーキ仕様

今販売されているホイールはほとんどが黒色なのでシルバーは特別感があります。 自分用に使っているホイールも今回に倣ってダイナモホイールに作り替えようか迷っています。

カーボンホイールの前輪リム交換

カーボンホイールの前輪リムの交換をご依頼いただきました。

お預かりしたカーボンホイール 前輪用

中華カーボンを使っている時に前輪のブレーキ面が膨れてきたそうです。使うのをやめて置いておくと元に戻ったのですが使う気にはならなかったとのことです。ご友人が同じサイズのリムを持っておられるということで譲っていただいたそうです。メーカーは違います。

取り換えましたリム 38mm高で376g  軽量です

ホイールと取り換えるリムが届きました。スポークの剛性は問題ないということなのでスポーク交換することなくリムだけの取り換えを行います。取り換えるリムは430gと54g重くなりますが重くなった分剛性が高まります。

交換の為に使う38mm高カーボンリム  430g
取り出したアルミニップル 16mmサイズ  18個で8g

順番にニップルを緩めていきます。一気に緩めることはしません。少しずつニップルを回して取り外しました。使われていましたニップルはアルミニップルでしたので再利用はしていません。新しいニップルは前からでも後ろからでも回せるニップルを使っています。微妙な調整は後ろから回した方が使いやすいので今回はDTのSquorxProを使いました。

リムブレーキの場合軽すぎるリムはブレーキ面の強度が心配です。取り換え後のリムは台湾のギガンティックのリムでした。グラム数は増えていますが強度は増しています。お客様はリムをうまく手に入れられました。軽さを選ぶ風潮ですが一般には軽い=弱いです。ホイール選びには注意が必要です。

チューブラーホイールの作製

現在アルミリムのチューブラーホイールは手組しか手に入りません。チューブラータイヤは取り扱いが面倒、パンクするとタイヤごと変えなければいけないので不経済という人も多いです。しかし真円のタイヤがリムに乗っかる状態で走りますのでとても乗り心地がいいです。おまけにリムが安価で手に入るので高性能ホイールがとてもリーズナブルな価格で手に入ります。使ってみるとその良さがよくわかります。そんなに頻繁にパンクするものではありません。

TNIリム CX22 32H  436g

チューブラーホイールが初めての方よりご連絡いただきましてご注文いただきました。

今手に入るチューブラーリムはTB25もしくはCX22です。アルミリムの場合選択肢があまりありません。今回はTNIのCX22を提案しています。

前輪ハブ シマノ HB-TX505  178g
後輪ハブ シマノFH-TX505  32H  386g

ハブは持ち込みされました。シマノ前輪ハブHB-TX505後輪用FH-TX505 共に32Hです。

スポークは前輪にはサピムLesr(2.0/1.5/2.0mm)、後輪左サピムLesr、右ギア側にサピムRace(2.0/1.8/2.0mm)で剛性を上げています。

お送りいただきましたハブは新品ですが手で回しますとゴリ感があります。これはこのクラスでは仕方ないことです。グリスアップを定期的に行い、ハブを使うことで次第にゴリ感は薄れます。しっかり乗ってハブを育てないといけません。

前輪 805g
後輪  1041g
チューブラーリム面 

チューブラーホイールは外周部が軽いので漕ぎ出しはとても軽く初めての方は驚かれます。お客様の評価が楽しみです。

451リム使用  ミニベロホイールの作製

昨年の9月にミニベロホイールをご注文いただきましたお客様よりご連絡いただきました。再度ミニベロホイールのご依頼です。今回はリムとハブが変わりました。前回と同じようにリムとハブをお送りいただきスポーク、ニップルをこちらで用意するという方法です。

XR270 451サイズ  324g
前輪ハブ 73g
後輪ハブ  248g

リム キンリン XR270 451用 

ハブ 前輪 Reida ハブ 74mm幅20穴

ハブ 後輪 シマノ FH-9000 28穴

スポーク 2mm径 黒

ニップル SquorxPro ブラス 黒

前輪はラジアル組、後輪は2クロス組のご指定です。

キンリン社XR270リム使用 451サイズミニベロホイール
前輪 512g  ラジアル組
前輪スポークテンショングラフ
後輪 746g 2クロス組
後輪スポークテンショングラフ

XR270リムは剛性が高いのでとても組みやすいリムでした。剛性がある、ないは組んでみるとよくわかります。柔らかいリムは振れが出やすくセンターを出すのが難しいです。良いリムを選ばれています。

スポーク調整での注意点はリム径が小さいのでニップルを回した時の反応が大きい点にあります。少しの回転でも大きく振れが出ます。700cのリムと同じ感覚でニップルを回しますとなかなかうまく調整ができません。この点に注意が必要です。緩い状態で一度作り上げて後からゆっくりスポークテンションを上げていくのがいい方法です。

小さいホイールでもスポークテンションは均一になるように調整します。フレが出にくいホイールを作るにはスポークテンションが大切です。

小径車のホイール作りは簡単そうに見えますがとても難しいというのが実感です。しかし今回もうまく作れました。お客様には喜んでいただけると思います。

スーパーチーム・ホイール改良 50mm高23mm幅カーボンホイール

勉強のためにスーパーチーム・ホイールを手に入れました。フレは無くセンターは出ているのですが購入したままでは手直しがいるホイールでした。

前輪スポーク18本 後輪右14本左7本 2:1組
前輪635g
後輪823g

スポークテンションが揃っていないので1年も乗れば振れは大きく出ます。使ってみて初めてわかることです。出来の悪いホイールに当たればテンションの偏りでスポークは折れやすい欠点が出てきます。

ホイールは見た目では全く分かりません。スポークテンションを調べて初めてわかることです。リム、ハブはしっかりしていますのでとても残念です。しかしスポーク替えやテンション調整など手直ししますと見事に蘇ります。

以下詳細です。

新品のスーパーチーム・50mm高を組み替えました。出来れば体重は70kgまでの方にお勧めです。

前輪

スポーク ピラーWing21 黒 左右18本

ニップル DT SquorxPro

スポークテンションを揃えました

後輪 

左スポーク ピラーWing21 黒 7本

右スポーク サピムRace(2.0/1.8/2.0mm)14本

ニップル DT SquorxPro

スポークテンションを揃えました

 

スーパーチーム・カーボンホイールはとても安価で気楽に使えるカーボンホイールです。しかし残念ながらロングライドに向いていません。一日輪行しますとくたくたに疲れてしまいます。理由はホイールの剛性がありすぎるからです。ホイールはどうしても安価に仕上げるために安くて2mmの太いスポークで仕上げています。これは安価なカーボンホイールの宿命でCXRAYやWing21のような高級スポークは使いません。

通常スポークがショックアブソーバーの働きをして地面からの衝撃を吸収します。しかしこの太いスポークを使うと地面からの衝撃を和らげることなくダイレクトに伝えてしまうのでロングライドに向かないわけです。これを修正するためには衝撃を吸収する細手のスポークに取り換えることで解決できます。

前輪は太いスポークからピラーのWing21に取り換えています。

後輪はギア側にサピムRace黒(2.0/1.8/2.0㎜)、反ギア側にWing21で組み替えました。

ギア側にコンペティションを使うことで少し太くし剛性を担保しています。

ホイール全体の剛性を下げることでロングライドに使えるホイールに変身しています。

使用リムは23mm幅です。残念ながらこの幅では選べるタイヤの選択肢が少なくなります。

リム幅23mm