ミニベロ後輪ホイールのご注文

ミニベロ用の後輪ホイールをご注文いただきました。

仕様は次の通りです。

エンド幅 135mm 

20インチ 406x17mm 32穴

6穴ディスクブレーキ用

Deore規格FH-M756  残念ながら36穴でした

このホイールに適したハブがなかなか見つかりませんでした。シマノハブでDeore規格FH-M756を探したのですがハブは36穴でした。適当なハブがなかったのですが中国のハブメーカーにありました。注文しまして10日ほどで届きました。

6穴ディスクブレーキ用後輪ハブ  エンド幅135mm
アレックスリム DA16 32H
出来上がりホイール  

小径車のホイールではバテッドスポークは手に入りませんので2㎜径スポークをカットして使います。

リム径が小さいため各スポーク間隔が狭く通常のニップルレンチが使えません。ニップルはリムの外側から回せるニップルを使います。

小径車用のホイールはニップルを少し回しても大きく反応します。700cのホイールと同じ感覚でニップルを回しますと振れ取りは難しいと思います。スポークテンションは緩い状態で一度組み上げて少しずつテンションを上げていく方法が良いでしょう。

ミニベロホイールはテンションメーターが使えないことが多いのでスポークを弾いて音を聞きながらの調整を行っています。120gkfの音はテンションメーター校正器にセットしたスポークの音を聞き分けています。出来るだけ音を揃えています。スポークテンションが揃っていれば振れが出にくいホイールに仕上がります。

HopeRS4ハブで前輪用46mm高カーボンホイールの作製

お客様よりご連絡いただきました。次のようなご依頼です。

オリジナルで作られている無印の46mmハイトホイールが気になっています。
当方、hopeハブ リムブレーキ用18H前輪の用意があります。
wing21のスポークなどで、前輪ホイールを組んでいただく場合の見積もりをお願いします。ICANホイール40Vの後輪と合わせて使用する予定です。

46mm高28mm幅のリムでHopeRS4ハブを持ち込みで前輪ホイールのご注文をいただきました。

HopeRS4 前輪用ハブ18H 135g

お送りいただきましたHopeハブは135gと軽くはありません。しかし重量があるということは剛性が高いということでもありますのでトレードオフの関係です。丈夫なハブシェルに大きなベアリングを使うハブは使う側に立って設計されていると感じます。一般には軽量ハブを求められますが今回のハブはなかなか玄人好みです。

18穴リムは別誂えしています。入手に約1月掛かりました。通常手組ホイールファンでは穴ナシリムで作ります。作るには手間がかかりますが、使う立場ではリムテープがいらないので扱いが楽です。

仕様は次の通りです。

46mm高28mm幅リムブレーキ用カーボンリム 18穴 穴ナシリム

ハブ HopeRS4 18穴 持ち込み

スポーク wing21 黒

ニップル DT SquorxPro 黒

スポークテンションを出来るだけ均一になるように、フレは出来るだけ小さくなるように仕上げました。馴染みだしは時間をあけて何度も行っています。

46mm高28mm幅 リムブレーキ用カーボンホイール 前輪用 694g
スポークテンショングラフ  テンションメーターから得たデータをグラフにしています
ウィング21使用 ラジアル組 

ホイールメーカーではプレス式の機械を使って馴染みだしを行っています。量産するためには機械で馴染みだしするのがいいのでしょう。しかしホイール1本ずつ丁寧に時間をかけて馴染みだしを行うほうに分がある感じがします。

納品しましたらインプレをいただけるようです。とても楽しみです。

ダイナモハブでカーボンホイール作製

通勤500km/月と年2.3回300km程度のライドをされているライダーさんよりご連絡いただきました。

シャッタープレシジョンハブ ディスクブレーキ仕様 28穴 374g
36mm高28mm幅 28穴 チューブレス用 416g
シマノ FH-RS470 実用ハブとして素晴らしい

前輪はシャッタープレシジョンのダイナモハブを使うカーボンホイールのご注文です。ダイナモハブを使いますと自転車に乗っている間ライトがついています。普段気が付かないのですがとても安心安全です。

後輪ハブは実用品として最適のシマノハブFH-RS470です。前後共に28穴を使います。リムは軽量の36mm高の穴ナシリムを使います。体重、ご予算いろいろ打ち合わせて作り上げていきますのでまさにディスク仕様のオーダーホイールです。

スポークは前輪サピムLesr、後輪左Lesr、後輪ギア側Raceです。バテッドスポークの中央部が1.5mm、1.8mmのスポークを使った組み合わせです。シルバースポークを使うご指示をいただいています。カーボンホイールにシルバースポークはとても洒落ていると思います。

ダイナモハブ使用 カーボンチューブレスホイール  オーダーメイドです
前輪 ダイナモホイール シャッタープレシジョンハブ使用  シルバースポークがアクセント
後輪 28穴 ディスク仕様 962g シルバースポークがアクセントです

〇36mm高のチューブレスカーボン

〇前輪はダイナモハブ使用

〇ロングライドにも疲れにくいスポーク選択

〇ディスクブレーキ仕様

今販売されているホイールはほとんどが黒色なのでシルバーは特別感があります。 自分用に使っているホイールも今回に倣ってダイナモホイールに作り替えようか迷っています。

カーボンホイールの前輪リム交換

カーボンホイールの前輪リムの交換をご依頼いただきました。

お預かりしたカーボンホイール 前輪用

中華カーボンを使っている時に前輪のブレーキ面が膨れてきたそうです。使うのをやめて置いておくと元に戻ったのですが使う気にはならなかったとのことです。ご友人が同じサイズのリムを持っておられるということで譲っていただいたそうです。メーカーは違います。

取り換えましたリム 38mm高で376g  軽量です

ホイールと取り換えるリムが届きました。スポークの剛性は問題ないということなのでスポーク交換することなくリムだけの取り換えを行います。取り換えるリムは430gと54g重くなりますが重くなった分剛性が高まります。

交換の為に使う38mm高カーボンリム  430g
取り出したアルミニップル 16mmサイズ  18個で8g

順番にニップルを緩めていきます。一気に緩めることはしません。少しずつニップルを回して取り外しました。使われていましたニップルはアルミニップルでしたので再利用はしていません。新しいニップルは前からでも後ろからでも回せるニップルを使っています。微妙な調整は後ろから回した方が使いやすいので今回はDTのSquorxProを使いました。

リムブレーキの場合軽すぎるリムはブレーキ面の強度が心配です。取り換え後のリムは台湾のギガンティックのリムでした。グラム数は増えていますが強度は増しています。お客様はリムをうまく手に入れられました。軽さを選ぶ風潮ですが一般には軽い=弱いです。ホイール選びには注意が必要です。

チューブラーホイールの作製

現在アルミリムのチューブラーホイールは手組しか手に入りません。チューブラータイヤは取り扱いが面倒、パンクするとタイヤごと変えなければいけないので不経済という人も多いです。しかし真円のタイヤがリムに乗っかる状態で走りますのでとても乗り心地がいいです。おまけにリムが安価で手に入るので高性能ホイールがとてもリーズナブルな価格で手に入ります。使ってみるとその良さがよくわかります。そんなに頻繁にパンクするものではありません。

TNIリム CX22 32H  436g

チューブラーホイールが初めての方よりご連絡いただきましてご注文いただきました。

今手に入るチューブラーリムはTB25もしくはCX22です。アルミリムの場合選択肢があまりありません。今回はTNIのCX22を提案しています。

前輪ハブ シマノ HB-TX505  178g
後輪ハブ シマノFH-TX505  32H  386g

ハブは持ち込みされました。シマノ前輪ハブHB-TX505後輪用FH-TX505 共に32Hです。

スポークは前輪にはサピムLesr(2.0/1.5/2.0mm)、後輪左サピムLesr、右ギア側にサピムRace(2.0/1.8/2.0mm)で剛性を上げています。

お送りいただきましたハブは新品ですが手で回しますとゴリ感があります。これはこのクラスでは仕方ないことです。グリスアップを定期的に行い、ハブを使うことで次第にゴリ感は薄れます。しっかり乗ってハブを育てないといけません。

前輪 805g
後輪  1041g
チューブラーリム面 

チューブラーホイールは外周部が軽いので漕ぎ出しはとても軽く初めての方は驚かれます。お客様の評価が楽しみです。

451リム使用  ミニベロホイールの作製

昨年の9月にミニベロホイールをご注文いただきましたお客様よりご連絡いただきました。再度ミニベロホイールのご依頼です。今回はリムとハブが変わりました。前回と同じようにリムとハブをお送りいただきスポーク、ニップルをこちらで用意するという方法です。

XR270 451サイズ  324g
前輪ハブ 73g
後輪ハブ  248g

リム キンリン XR270 451用 

ハブ 前輪 Reida ハブ 74mm幅20穴

ハブ 後輪 シマノ FH-9000 28穴

スポーク 2mm径 黒

ニップル SquorxPro ブラス 黒

前輪はラジアル組、後輪は2クロス組のご指定です。

キンリン社XR270リム使用 451サイズミニベロホイール
前輪 512g  ラジアル組
前輪スポークテンショングラフ
後輪 746g 2クロス組
後輪スポークテンショングラフ

XR270リムは剛性が高いのでとても組みやすいリムでした。剛性がある、ないは組んでみるとよくわかります。柔らかいリムは振れが出やすくセンターを出すのが難しいです。良いリムを選ばれています。

スポーク調整での注意点はリム径が小さいのでニップルを回した時の反応が大きい点にあります。少しの回転でも大きく振れが出ます。700cのリムと同じ感覚でニップルを回しますとなかなかうまく調整ができません。この点に注意が必要です。緩い状態で一度作り上げて後からゆっくりスポークテンションを上げていくのがいい方法です。

小さいホイールでもスポークテンションは均一になるように調整します。フレが出にくいホイールを作るにはスポークテンションが大切です。

小径車のホイール作りは簡単そうに見えますがとても難しいというのが実感です。しかし今回もうまく作れました。お客様には喜んでいただけると思います。

スーパーチーム・ホイール改良 50mm高23mm幅カーボンホイール

勉強のためにスーパーチーム・ホイールを手に入れました。フレは無くセンターは出ているのですが購入したままでは手直しがいるホイールでした。

前輪スポーク18本 後輪右14本左7本 2:1組
前輪635g
後輪823g

スポークテンションが揃っていないので1年も乗れば振れは大きく出ます。使ってみて初めてわかることです。出来の悪いホイールに当たればテンションの偏りでスポークは折れやすい欠点が出てきます。

ホイールは見た目では全く分かりません。スポークテンションを調べて初めてわかることです。リム、ハブはしっかりしていますのでとても残念です。しかしスポーク替えやテンション調整など手直ししますと見事に蘇ります。

以下詳細です。

新品のスーパーチーム・50mm高を組み替えました。出来れば体重は70kgまでの方にお勧めです。

前輪

スポーク ピラーWing21 黒 左右18本

ニップル DT SquorxPro

スポークテンションを揃えました

後輪 

左スポーク ピラーWing21 黒 7本

右スポーク サピムRace(2.0/1.8/2.0mm)14本

ニップル DT SquorxPro

スポークテンションを揃えました

 

スーパーチーム・カーボンホイールはとても安価で気楽に使えるカーボンホイールです。しかし残念ながらロングライドに向いていません。一日輪行しますとくたくたに疲れてしまいます。理由はホイールの剛性がありすぎるからです。ホイールはどうしても安価に仕上げるために安くて2mmの太いスポークで仕上げています。これは安価なカーボンホイールの宿命でCXRAYやWing21のような高級スポークは使いません。

通常スポークがショックアブソーバーの働きをして地面からの衝撃を吸収します。しかしこの太いスポークを使うと地面からの衝撃を和らげることなくダイレクトに伝えてしまうのでロングライドに向かないわけです。これを修正するためには衝撃を吸収する細手のスポークに取り換えることで解決できます。

前輪は太いスポークからピラーのWing21に取り換えています。

後輪はギア側にサピムRace黒(2.0/1.8/2.0㎜)、反ギア側にWing21で組み替えました。

ギア側にコンペティションを使うことで少し太くし剛性を担保しています。

ホイール全体の剛性を下げることでロングライドに使えるホイールに変身しています。

使用リムは23mm幅です。残念ながらこの幅では選べるタイヤの選択肢が少なくなります。

リム幅23mm

スポーク折れ

後輪ギア側のスポークが1本折れたので修理依頼の連絡をいただきました。

ギア側スポークが1本折れています

スポークはウィング21のJベントスポークです。データを残していますのですぐにスポークを用意して取り換えました。

スポークを1本取り換えるのはすぐにできますが折れたことにより他のスポークテンションに影響しています。各スポークのテンションを調べて元に戻します。

スポークのテンション調整を行います

小一時間ほどで作業は終わりますが一日あけて各スポークの状態を再検査しています。時間をあけることで微妙に変化しているのが分かりますので再調整をしておきます。

作業代金はスポーク1本と工賃1時間分と配送の送料となりました。ハブもついでにフリーを外してグリスアップしておきました。2日かかりましたがすぐにお返しすることが出来ました。信頼していただきありがたいです。

TNI REVOハブフリーのベアリング交換

ホイールを両手で持って回してみてゴリ感を感じたらハブベアリングの点検をお勧めします。

ベアリング交換が必要と感じてもハブシェル側のベアリングには傷みがない場合もあります。フリーを外してみてホイール回転を調べる必要があります。

フリーを回してみて滑らかに回らない場合、一般にはフリーごと交換します。しかし交換用のフリーを販売していない商社もありますのでこんな場合はベアリング交換になります。

フリーの本体から取り出したベアリングとスナップリング

今回のベアリング交換はフリー内部の2個のベアリングを取り出して新しいベアリングを圧入します。

先ずフリー爪側のベアリングをポンチでたたきます。フリーの中にはスペーサーが入っていますのでこれをドライバーなどで押すと位置がずれます。フリー内部を覗いてみるとベアリングの端が見えます。この見えているベアリングの端部分をポンチでたたくと簡単に外れます。何度か繰り返すときもありますが必ず外れます。

次は反対側にある奥のベアリングを取り出します。このベアリングはスナップリングでベアリングが外れないように固定されていますので先にスナップリングプライヤーを使ってこのリングを取り外します。そして奥のベアリングをポンチでたたいて取り出せばひとまず休憩です。ベアリング取り出しの同じ作業を繰り返しますが奥のベアリングは結構難しいと思います。

取り出しましたベアリングは15267規格のベアリングでした。6902規格を使っているハブが多いのですが残念ながら使われるベアリングは統一されていません。

プレス機で圧入しています

次はベアリングの圧入です。

今までの逆の作業を行います。手組ホイールファンでは圧入にはプレス機を使っています。サイズに合ったスペーサーを使ってベアリングに負担がかからないように押し込んでいきます。先ずは奥のベアリング、次にスナップリング、最後に手前のベアリングを押し込んで終わりです。通常作業は1時間くらいで終わります。見積もりも1時間分の代金とベアリング代です。

ご自分でフリーのベアリングを新品にする場合コスパを考えますと新しいフリー購入が良いでしょう。工具は結構高価ですし、うまく出来る保証もありません。新しくフリーを買うほうが楽で安心です。しかしこのベアリング交換は興味深い作業でやる気のある方にはとても面白いと思います。出来上がりの達成感は格別です。メカニックをやっている気持ちになります。もちろん失敗しても新しくフリーを買えばいいだけです。興味のある方にはおすすめします。

追加です。

シールを外してきれいにしてみたが再利用はお勧めできません

ベアリングのシールを外してきれいにしてから再利用できないかとやってみました。やり方が悪いのかなんとなくゴリ感は残るようです。自転車用のベアリングは高価なものではないので新品ベアリングを使うほうがいいと思います。

後輪ハブのベアリング点検

TNIのREVOハブを使ったホイールの後輪ハブにゴリ感が出ているので点検依頼がありました。

フリーを外して回してみます ゴリ感なく回っていますので今回はフリーのベアリング交換を行います

先ず両手でハブを持って車輪を回してみます。ゴリゴリした感覚がありました。次にハブフリーを取り外し振れ取り台に載せて回してみました。この時車輪はすんなりとゴリ感なく回っています。回転を見ていますとハブシェル内のベアリングには問題がないようです。

フリーにはベアリングが2つ入っています。今回のゴリ感はこのフリー内部のベアリングが傷んでいるようです。後輪ハブには合計4個のベアリングが使われていますが今回の点検ではフリー側のベアリングを交換することにしました。

フリーをハブシェルから取り外します。両側のハブキャップを取り、フリーを引き抜けば簡単に取り出すことが出来ます。

フリーのメンテナンスでは一般にはフリー本体をそっくり交換します。残念ながらTNIのREVOハブでは交換用のフリーを販売していません。しかし交換用のフリーを手に入れることが出来るようになりました。REVOハブのフリーではありませんが代替品のフリーがありますので安心です。今回はベアリングの交換で対応することにしました。