25mm高カーボンホイールの作製

昨年22mm高のアルミホイールを受注いただいた上級ライダー様より再度カーボンホイールのオーダーをいただきました。リピートオーダーです、ありがたいことです。

 

今回のカーボンホイールはヒルクライム用として注文いただきました。リムは25mm高25mm幅の超軽量カーボンリムを使用します。チューブレス、クリンチャー兼用の穴なしリムです。リムテープは要りません。

 

前輪は軽量化と空力を意識しましてサピムのCX-RAYスポークをラジアル組で使用します。

後輪は左をサピムのLaserで3クロス組み、右ドライブ側にDTのコンペティションを2クロス組で希望されました。

スポークのオーバーラップ

後輪左3クロス組は24hハブの場合スポークがオーバーラップしますことをお伝えしました。左側を3クロスで組みますと2クロス組より1%テンションが上がります。少しでも左側のスポークテンションを上げることをお客様は決定されています。

 

お客様とはいろいろとリムの提案、スポークの選択や組み方など連絡を取り合って納得しながら作り上げていきます。完全にオーダーメイドの方法です。

 

アルミニップルを使いますと前後で30gほど軽くできるのですが強度や腐食のことを考えてブラスニップルを選ばれています。この選択は私も同じ考えです。やはりブラスのほうが少し重くなりましても安心安全と思います。

 

このリムを発注するときにリムメーカーの担当者より穴なしリムでは25㎜高は難しいからやめておいた方がいいよといわれました。どうしてそんなこと言うのか最初わかりませんでした。

 

果たしてリムが届いて理由がわかりました。25mm高のリムではリムの中にウレタンが残っていることが多いのです。カーボンリムの製造過程を詳しく知っているわけではありませんがカーボンリムを作る工程で使われるウレタンフォームが残っていることがあるので難しいですよとアドバイスしてくれたのです。

 

実際今回のリムには一ヶ所残っていました。穴が開いていないので取り除くことができません。ウレタンが邪魔をしてなかなかニップルを通すことができず振ったりたたいたりで何度も作業が止まりました。

うまく完成するのか冷や汗ものでしたがうまく作り上げることができました。25mm高の穴なしリムにはこんな注意点が必要です。メーカーも25mmの穴なしリムは受付していません。無理を承知で注文しています。メーカー担当者に難しいよといわれても頑張って作りたいと思っています。しかしご自分で作られる場合穴なしリムはもう一サイズ大きいリムで作ったほうが良いようです。

前輪564g
スポークテンションを均一にする
後輪792g
テンションばらつきを5%以内に仕上げる
後輪 ドライブ側 2クロス組
後輪 非ドライブ側 3クロス組
穴なしリム使用

出来上がりましたホイールは前輪564g、後輪792g、合計1356gと非常に軽量のホイールが出来上がりました。インプレいただくのが待ち遠しいです。

Prime black edition カーボンホイールを調べる

お客様よりご依頼がありPrime black edition を調べる機会を得ました。

ご購入の時点では調子が良く、数か月すぎて少しスポークのバラつきがあるのではないか心配になりましたと相談を受けました。

結論を言いますとスポークのテンションはとてもよく整えられています。バラつき偏差は5%以下の仕上がりで、今まで点検しました完組ホイールの中ではとてもよく調整されたホイールでした。お客様はホイールに慣れて購入時点の感動が薄れただけでした。ホイールはしっかりしていました。

このホイールの詳細です。

前輪スポークはDTのエアロスポークです。後輪ドライブ側に同じエアロスポークでも少し1.2mmの厚みがあるエアロコンプを使い左非ドライブには0.9mm厚スポークです。

とてもよく考えられたホイールと思います。

ハブはPrimehubとして販売されていますが形状、サイズからノバテックハブと推察します。このハブはストレイトプルスポークを使うハブです。各寸法を計測しまして計算上の左右スポークテンション比率は37:100です。

少し左スポークテンションが低い数値となります。逆にいいますとスポークの角度を取れますので横剛性は高いといえます。いわば支え棒の考え方です。何事も良いとこばかりではありません。どの点に目が行き、どの点に目をつぶるかです。

点検していて一つ気になることがありました。

前輪 左113kgf右114kgf バラつきもないよくできたホイールです
後輪 左62kgf右164kgf  テンションばらつきはないが、右がとても高い

非常に後輪右ドライブ側スポークテンションが高いことです。スポークのテンションを高くしたから剛性が上がることではありません。ホイールの剛性はリムの剛性+スポークの総面積に比例します。スポークテンションを高くすることで剛性は上がりません。ではなぜこのホイールは右側テンションが高いのでしょうか。

ハブセンターオフセットを計測

理由はハブの構造上ハイテンションに仕上げないといけないようです。左右のテンション比率差が大きいので右側を高く上げないと左スポークがゆるゆるで仕上がってしまします。緩くても乗れないことはないのですが過去の経験上、左は50kgf以上が望ましいと考えられています。正解値はありません。

グラフで示すように右側を大きく上げることにより相対的に左を上げています。強度的にはハブはストレイトプルスポークを使いますので構造上引っ張りには強い形です。このハブだからできるスポークテンションと考えます。しかし常に160kgf近いハイテンションで引っ張っているので経年劣化は通常より早いのではないかと心配します。ただしこのことに関しては残念ですがよくわかりません。

私がいつも買っているカーボンリムメーカーではスポークテンション値は125~135kgfで仕上げてくださいとマニュアルに書かれています。

スポークテンション校正器で調べなおしました

この160kgfの数値ですが私のテンションメーターが間違っているのかと心配になりましたのでテンション校正器で調べました。ホイールに使用されているスポークと同じエアロコンプを持っていますのでスポークを160kgfで引っ張り、メーターで測りますと同じ数値を検出できました。おおむね合っています。

ホイールはタイヤをインストールしますとスポークテンションは10~15%下がります。場合によっては20%下がるホイールもあります。このホイールのハイテンションはおそらくテンションダウンを想定して作っていると思います。タイヤインストール後、左側50kgfアップを得るために右ドライブ側をハイテンションに仕上げているのでしょう。それにしても驚くばかりのハイテンションです。

このホイールに乗ったことはないのですが総じてとてもよくできていると思います。作り方が丁寧です。ただハブの構造上、左テンションを上げるために右側をハイテンションに仕上げないといけない造りです。

このホイールはUCI公認ということでプロチームに提供されているホイールのようですが耐久性に対して知りたいものです。とても高いテンションで作られていますのでどのくらいでプロは交換していくのでしょう。想像ですが意外と交換サイクルは早いのかもしれません。

お客様が心配されたスポークテンションはとてもよく管理されていると思います。ホイールはとてもよくできています。グラフを参考にしてください。

いつも思うのですが海外通販で購入されたホイールは皆さんどうされているのでしょうか?面倒見てくれるショップはそんなに多くはないと思うのですが…

消費者は集められた評価、星の数を頼りに購入されると思います。価格の面で有利なところが多い海外通販ですがこういう機械ものにはメンテナンスが欠かせません。自分でメンテナンスができる人には良い買い物です。周りに面倒見てくれる人がいる人も安心できる良い買い物が出来ると思います。

しかしながら大方の自転車屋さんは面倒を見てくれません。うちでは扱えませんと断られるのが目に見えています。面倒見てくれる場合でもショップで買われた場合と価格が違います。お客様だけにいい目が出る仕組みにはなっていません。

このPrime black edition ホイールは現在価格88000円で販売されています。予備スポークもついています。業者のカタログを見るとビッグブランドの価格と比べてとても安価です。送料無料ですが関税7.8%と地方税がかかることを承知しておかないといけません。

縁あってこのホイールを点検させていただきました。ホイールはよくできていて何もさわることなくお返ししました。お客様もよくできているホイールと聞かれて安心されたようです。

プライベートブランドのホイールを10万近く出すのは勇気のある買い物です。掲載されている☆評価だけを頼りの買い物です。返品もできるシステムで安心できる会社で私もよく利用します。ただ私はよくわかっているものだけにしています。もっと高価なブティックブランドのホイールの場合どうなんかなと思います。買ったが近所の自転車屋は面倒見てくれない、どうしたらいいのでしょう。オークションにでも出しますか?

Primeアルミホイールを購入

Primeアルミホイールを購入しました。理由は価格です。他に理由がありません。驚く価格でしたのでどんなホイールか調べたくなり買うことにしました。

前後 1985g
前輪 840g
購入時点の前輪スポークテンショングラフ
後輪 1145g
購入時点の後輪スポークテンショングラフ

これでプライムホイールは2セット目です。ディスクホイールの時に記事にしましたが今回もびっくりしました。

 

いつもの通りホイールは重量とスポークテンションを測ります。

前輪840g、後輪1145gと非常に重いホイールです。この重さはカタログで事前に知っていましたので承知で購入しました。重いホイールは予想外に走るものです。一般的には軽いほうが良いのですが重いホイールは走ります。

 

スポークテンションは上図の通りです。前輪、後輪ともに驚くばかりのスポークテンションです。

先ず前輪です。スポークテンションを測りますとバラつきがあります。

後輪もバラつきがあり、非常にハイテンションで作られています。びっくりします。こんなに高いテンションではハブ、スポークの疲労が早く傷みやすいのではないかと思われます。

 

前後輪を私のやり方でストレスリリーブを行いました。通常なじみだしと呼ばれています。私のホイール作りは海外の本で勉強して始めましたのでストレスリリーブになってしまします。

私の方法でなじみだしを行いますと次のグラフになりました。

ストレスリリーブ後の前輪
ストレスリリーブ後の後輪

購入時点のスポークテンションはすっかり整えられています。スポークテンションもバラつきなく収まっています。

 

こうなるように考えて手を抜いて作ったホイールなのかわかりませんが驚くばかりのテンションバランスです。ニップルは回していません。ホイールは再度売りに出しても良いくらいのテンションバランスになりました。

 

リムはチューブレスレディーリムを使っています。チューブレスタイヤ、バルブ、シーラントを用意すればチューブレスホイールとして使えます。これは一つのプラス材料です。1万円ほどでチューブレスホイールを使うことができるのは大きいメリットです。

 

ハブを調べてみました。前後ともにシールドベアリングを使っています。前輪ベアリングは容易に取り換えできますが後輪ハブは少し難しいように思います。心棒は鉄の心棒を使われていますのでシマノハブと同じですがシールドベアリングを使っていますのでカップアンドコーンのシマノハブのようにメンテナンスは簡単にはいきません。ベアリングの取り換えは難しそうです。見た感じでは部品入手が難しいハブのように見受けられます。ノバテックやバイテックスのハブのように簡単には部品が手に入らないと思われます。ベアリングは普通のベアリングですのでやる気になればできそうですが力を入れただけの見返りがなさそうです。

 

私の評価としましてはメンテナンス部品が容易に手に入らないので分解した後も楽しめるホイールではありません。

1万円ほどでチューブレスホイールが手に入るのはメリットと思います。しかしメンテナンスを自分で出来る人に限ります。でもこの値段で買えるので試しに買ってみるのも良いかと思いますがすぐに嫌になるでしょう。練習用と割り切るならいいかもしれません。

前輪46mm高、後輪56mm高カーボンホイールのインプレ

4月にお納めいたしましたホイールのインプレと写真も一緒にお送りいただきました。

写真を見ましてこの自転車は欲しいと思いました。乗ってみたいです。

以下インプレ、原文のままです。参考になると思います。

 

少し遅くなりましたが作って頂いたホイールの感想を。

 

まず、組付ですがエアバルブはワイドリムの為、カマボコ型パッキンだとエア漏れするので円錐形の物に変更しました。

これで一週間放置しても1気圧程度の圧力低下で済みますので、

気密性は良好です。

タイヤはいつもの銘柄のイクシオンpro ust2にしましたが、

少しビードフックに食い付く感じが有るので、

銘柄変更が必要かもしれません。

 

実走ですが、回転で加速する時は25kmまで足の重さを乗せるだけで

加速して行きます。

そして大口径のフロントハブが効いているのか手への振動が少ないです。

何気なく走る分には非常に優しいホイールです。

 

ただし、そこから下ハン持って踏み込むとその印象は豹変します。

今までのM社製アルミホイールで30km付近に感じていた抵抗がなく

40km台まで一気に加速してそのまま巡航出来てしまいます。

 

ダンシングをした時は余りに横剛性が高い為、最初は踏みすぎてしまい、

あっという間に足が売り切れになってしまいましたが、

私の方でアジャストしながら踏み込むと、良い加速をしてくれます。

もっとも、私にこの高性能を使いこなせていないので今後の課題なのですが。

 

ひとつ間違い無いのは明らかにレースで運用できる機材です。

 

それと大事な事なのですが、追加して頂いたブレーキ面の加工のおかげなのか、フロントブレーキの効きが良いです。

カンパシューと合わせるとアルミリムと遜色無い効きをします。

未加工のリアが滑る感じがするので効果はあると思います。

また、ブレーキング時にボーラワンのような音がするので楽しいですね。

 

総じて大満足のホイールです。

良いホイールを組んで頂きありがとうございました。

 

こちらこそ感謝を申し上げたいです。使ってみないと分からない細かいアドバイスをいただいています。これからのホイール造りの参考にさせて頂きます。お客様からの生のお声はとても勉強になります。

後輪用56mm高カーボンホイールの作製

何種類かのカーボンホイールを使っておられる方より後輪用56mm高カーボンホイールをご依頼いただきました。ご使用のホイールはどれも後輪だけがトラブルようで単品でのご注文です。

当ブログをお読みいただき今までのホイールを参考にご注文いただいています。リムはニップル穴なしのリムです。

後輪 889g
スポークテンショングラフ 左8本右16本
左ラジアル 右2クロス組
左ラジアル 右2クロス組
穴なしリム使用

仕様は下記の通りです。

 

後輪

リム 56mm高30mm幅 490g

スポークDTコンペティション ストレイトプルスポーク黒

ニップル DT SqourxPro ブラス黒

ハブ BITEX BX301 8:16

重量 889g

 

この56mm高リムは剛性があり、ハブはバイテックスのストレイトプルハブ8:16用を使います。スポークはDTのコンペティション2.0/1.8/2.0mmです。

以前お買い上げいただいたFTP300のお客様のインプレではとても高い評価いただいています。このリムは平地用と思われがちですが登りにも強いホイールです。

ブレーキの効き具合が不安な方は前輪をアルミホイールで乗られて後輪に空力のよいカーボンホイールを使うという方法もあります。

セットでのご注文が多いのですが今回のように単品のご注文も歓迎いたします。

シマノホイールの再生

シマノホイールWH-RS20の後輪ハブを使ってホイール組み換えのご依頼を受けました。

ハブはスポーク左右10本ずつのストレイトプルスポークを使うハブです。

AL31W20hオフセットアリ

リムはTNIのAL31W 20穴オフセットリムです。この20穴リムが販売されています。私は知らなかったのですがお客様より教えていただきました。このリムがあればシマノホイールの組み換えは可能です。

 

もう使えなくなるほどリムがすり減り経年変化でスポーク穴のところにひび割れがしてどうしようもないホイールを再度よみがえらせる道が開けます。シマノハブはグリスアップをしっかり行っていれば20年でも使えます。

計測の位置に注意
計測の位置に注意

送られてきましたハブを計測しました。注意点としては計測の位置に関しては右側に寄せるか、左に寄せるか、中央で測るかを決めることです。

ハブオフセット値が少ないので左スポークテンションを高くできるハブです。重いのが難点ですが重いということは逆に丈夫ということですので総合点の高い優秀なハブと思います。

1:1組後輪1037g
左右2クロス組
スポーク穴が3mmずれています
できるだけ均一にテンションを調整

出来上がりの実測スポークテンション比は左約84kgf:右約129kgf、率にして65:100と非常に左が高い数値です。とても優秀です。ゾンダに負けていません。

右スポークテンションは高めですがタイヤインストール後のテンションドロップすればいい数値に収まります。

 

検証していませんが、以下私の勝手な想像です。

 

2:1組のゾンダの場合後輪は左7本右14本で作られています。左7本はラジアル組ですのでこの組み方はクランクを回して得られる、前に進む駆動力には影響しません。右ドライブ側の14本が駆動に参加します。プルスポークが7本、プッシュスポークが7本です。方やこのシマノハブは1:1組ですのでスポーク20本がクロス組です。プルスポークが10本、プッシュスポークが10本です。すべてのスポークが駆動に使われています。

 

前に進む力にはゾンダが14本、シマノは20本が働いています。仮に同じ力で回しているとしてもスポークの働き数が違うのでシマノのほうが勝ると思うのですが如何でしょうか?

価格の低いシマノより価格の高いゾンダのほうが高評価なのは片手落ちのような気がします。値段ではないと思います。ゾンダより約100g重いのですがシマノのほうが価格、性能などの総合力では勝っているように思うのです。ただスポークの調整はゾンダのほうが上のように思います。シマノはしっかりと事前に調整が必要です。

 

話を戻しますが、ストレートプルスポークのハブを扱う注意点はハブの計測が大切です。どんなハブでも計測が一番気を使うところですがスポークオフセット値をしっかり測ることです。

スポークオフセットについてはDTswiss、wheelproのスポーク長計算ソフトでも図解で説明していますので参考にされると良いと思います。

このホイールは左右スポークのテンション差が少なく、リム高が高いので空力と剛性が期待できます。おまけに非常に安価です。最高です。

漕ぎ出しは重量があるため少し重い走りですがスピードに乗ってしまいますと足を休めることができるホイールです。コスパが良くてよく走るホイールに蘇りました。

36mm高カーボンホイールの受注

アルミリムホイールをご注文いただきました方より再度のご注文です。カーボンホイールは以前よりご興味いただいていました。私も次のホイールはカーボンホイールをお願いしますとお勧めしていました。

36mm高28mm幅カーボンリム使用

36mm高のほかに軽量ホイールありますかとご質問いただき25mm高があることをご説明いたしました。25mm高は登りメインの方に良いことをお知らせしましたところ最終的には36mm高に決められました。

前輪 632g
スポークテンションは均一です
サピムCXRAY使用
後輪 830g
スポークテンションは均一です

後輪右コンペティション左CXRAY使用、36mm高リムはオールラウンドホイールとして優れています。重量は1500gを切っています。登りによく平地でも空力を享受できるホイールです。もう少し高い46mm、56mmもあります。空力重視ならば高めのホイールが良いでしょう。

穴のないリムで作っています。

リムは穴なしリムで作っています。このためリムテープが不要です。テープ代は結構嵩むものです。

 

剛性も穴アリと穴なしとでは違うと思います。ゾンダが穴なしのアルミリムです。ロープロファイルのリムですが評価が高いのはこの穴なしリムだから剛性が高いと推察します。穴をあけると軽くなりますが強度を高めるには穴がないほうが高いと思うのです。残念ながらエビデンスは持っていませんが普通に考えたらそうなると思います。

後輪ハブの分解、組み立て

スポークを外して単体にしているハブは勉強も兼ねて分解掃除します。ベアリングも取り換えるようにしています。

 

ベアリングの取り換えは難しそうに見えますがハブの構造は単純ですので慣れると楽しく作業ができます。機械は分解するときが楽しいものです。

 

いつも使いますノバテックのハブは5mmの6角レンチ2本を使ってばらします。

片方のキャップを外して、次に10㎜のレンチと5mmのレンチでもう片方のキャップを回して両キャップ取り外します。

 

フリーは引き抜きます。回しながら行えば簡単にフリーを抜き取れます。

ハブは単純な構造です。

パーツを順番に並べておけば組み立ては楽にできます。外した順番通りにもとに戻せばいいわけです。

プレス機で圧入します

ハブ単体状態でのメンテナンスにはこのプレスを使っています。ベアリングの圧入は簡単です。古いベアリングを使って新しいベアリングの後ろから押し込むのですがこのプレス機を使えば芯出しを心配することなく圧入出来ます。

スポークがある場合使えないのでほとんど稼働しない道具です。単体ハブのメンテナンス作業は楽にでき、精度の高さを考えますと便利な道具だと思っています。道具好きに向いています。

前輪ハブのベアリングを取り換えました

シマノハブはカップアンドコーンですので雨の影響を受けやすいので割とまめにグリスアップを行っています。シールドベアリングの場合はすべて取り換えです。

頻繁ではありませんが取り換えるとホイールは新品状態に戻せますのでベアリング取り換えを行っています。シールドベアリングは1個300円ほどで手に入ります。前輪なら2個取り換えで新しいホイールになります。

スライドハンマーを使うのが手軽です

初めてベアリングを取り換えたときは勇気がいりました。失敗したらどうしようと思ったものでした。失敗は杞憂に終わりました。とても簡単です。

特殊な道具なしでもできますがスライドハンマーがあればとても楽にできます。私は自動車工具を置いている店で購入しました。先につけるアタッチメントは前輪には8mm用があればいいです。めったに使う道具ではありませんが道具好きの方は揃えておかれても良いかなと思います。ただし価格が本当にまちまちでよく調べる必要があります。

アンカーボルトでたたき出す方法もあります

スライドハンマーを使わない場合はポンチでたたき出す、もしくはアンカーボルトでたたき出す方法があります。8mm、16mmのアンカーボルトがあればベアリング取り出しはできます。

 

ベアリングの圧入には長ネジを使った道具が販売されていますが私はホームセンターで購入した6M120mmのねじをバイスに挟んでナットで圧入しています。

安価な汎用品で十分つかえます

必要な道具は

ベンチバイス

取り出した古いベアリング

6M120mm長ねじ、長ナット

ベアリングとほぼ同サイズのワッシャー

メガネレンチ

それに新しいベアリングを2個

これらを用意します。

 

先ずスライドハンマーでベアリングを引き抜きます。カンカンと2回ほどハンマーを振りますと簡単にベアリングは取れます。

6M120mmのねじをバイスに挟んで

写真のようにバイスの6M120mmの長ネジをセットして新しいボアリングを入れて後ろから取り出した古いベアリングとワッシャーで押し込むわけです。メガネレンチでナットを回してベアリングを圧入していきます。レンチを回して行けばすんなり入っていきます。

古いベアリングで後ろから押し込む
ベアリングの後ろはワッシャーを数枚かさねています

今まではたたいて入れていたのですがセンターを出して入れるのにコツがいりました。この方法ならゆっくりとベアリングの入り具合を観察できますので楽な感じがします。

叩いて圧入する方法は慣れればとても簡単

さて、慣れた人ならどんな方法でも簡単ですがゆっくり見ながら進めるということならこの方法が良いかもしれません。ハブの構造は非常にシンプルで特に前輪は何の心配もいりません。10分ほどで終わります。

シールドベアリングの良いところは取り換えたら新品になるということです。

ニップルにグリスを塗る

ニップルを保管する小瓶にはオイルを入れてニップルのオイル漬けで保管しています。

オイル漬けで保管している

使用するときは事前に必要な数を出して紙の上に出しておいて余分なオイルを取り除いて使うようにしています。ニップルはオイルでコーティングされています。ニップル面とリム面の摩擦を少なくできますので回転させやすく手間がかかりません。

刷毛でニップルにグリスを塗っています

違う方法も行っています。穴なしカーボンリムではニップルとリム面の摩擦なく回転させるにはニップルにグリスを塗るのが良い方法です。スポーク穴部分にオイルを注せばよいのですが売り物のホイールですのでできるだけきれいに仕上げたいものです。そのためにニップルにグリスを塗りながら使用するのが良い方法です。

 

自分用のホイールなら簡単にオイルをひと注しすればいいのですが販売用のホイールにはできません。オイルがリム面に漏れ出します。ごく少量でもリム面にはオイルが出てきます。きれいにホイールは仕上がりません。このため一個ずつニップルにはグリスを塗りながら、つまりニップルをスポークに通す前にほんの少しグリスを刷毛で塗っています。この方法が一番良いと思います。ひと手間でニップル回転は回しやすくなりますのでホイール作製の精度が上がります。