MTB用前輪ホイールの作製

23年にレーシングゼロのスポーク調整のご注文をいただきましたお客様より連絡がありました。新しいご注文です。

ディスクブレードが取り付けてあります 6穴式です

今回はマウンテンバイクの前輪ホイールのリム交換です。ディスクローターがついた前輪ホイールと新しいリムが送られてきました。

ライドオアシス RAD-01

トルクスねじを回してローターを取り外しホイールを分解しました。新しい銀輪リムはライドオアシスのRAD-01です。

お客様には①~④のプランの価格を出してお見積りしました。

①リムとニップルが新しくなります 他は何もさわらない

②ハブをTNIのMTBハブに取り換え2mmの丸スポークをそのまま使う

③ハブとスポークを新しく取り換え全く新しいホイールにして乗り味を柔らかくする

④ハブはそのままでスポークをバテッドスポークに、ニップルを新しくする

お預かりホイールに使われていましたハブです  ベアリングにゴリ感が大きく出ています
新しいハブ TNI REVOハブ 

預かり時点のハブはガリ感が大きく出ていましたので交換をお勧めしました。ハブを分解して傷んだ部分を取り換えることは部品の手配が出来ません。4つの選択肢から選ばれたプランはで結果的には全く新規のホイールを作ることになりました。

出来上がりました。

ホイールをお送りいただいたときからハブの調子がよくないのはご存知でしたので迷っておられたと思います。新しいホイールはご希望通りになりました。喜んでいただければ幸いです。

ディスクローターの取り外し 

MTBの前輪ホイールの組み替え依頼がありました。お送りいただきましたホイールはディスクローターがついています。

組み替えするにはローターを外してホイール分解しないといけません。

6穴式のローターでしたので用意する道具は通常の6角レンチと思っていましたがうまく回せません。ネジをじっくり観察しますとトルクスねじでした。

トルクスのビットは持っていましたので簡単に外せましたが慣れていないと見分けがつきにくいです。

いずれにしましてもローターを外せないとホイール調整ができません。トルクスT20のビットで解決できました。

ホイールを分解して再度組み立てする、いろいろ道具が要るので大変です。

Boraハブ使用、波型G3カーボンホイールの作製

Boraからハブを取り出して新しい波型カーボンホイールを作製するというご注文です。

お送りいただきました分解前のBora

今回でお客様からの注文は2回目です。お客様はボラを2セット持っておられたようでした。今回は新しいリムを波型で注文しています。ボラと穴位置を同じにしたカーボンリムを注文しますと入荷に約2か月掛かります。時間が掛かるのですがこれは仕方ありません。

分解して取り出した後輪ハブ 245g
分解して取り出した前輪ハブ 138g

前回の記事にも説明していますがボラのハブはとてもよくできています。ハブ分解は11mmの6角レンチとハブスパナで分解します。ハブは一度分解しないとスポークを取り外すことが出来ません。ハブの構造は単純なので簡単に分解できるようになっていますが初めての方にとっては勇気のいる作業と思います。

お客様から伺った話では完成度の高いボラを分解してまでまた新しいホイールを作る理由はタイヤから始まったようです。勿論今までと同じように2:1組で組んだホイールが主目的ですがタイヤのことをよく考えておられます。お預かりのBoraは旧タイプでリム幅が狭く最近のワイドタイヤには適合しません。

タイヤが合わないことが理由で新しく組みかえをご依頼いただいたわけです。加えて料金も気に入っていただいたようです。

私見ですがホイールの重要度、回転に影響する度合いは外側から中心部と考えています。先ずはタイヤ、次にリム、スポーク、最後にハブです。

順番から考えますとハブ重要度は最後ですが、Boraのハブはシンプルでとてもよくできています。ホイール全体の総合点を大きく上げていると思います。リムは要らないのでジャンクのホイール見つけたら買ってみたいと思っています。

今回の作業で難しいポイントは

①ホイールの分解

②スポーク長の決定

①ニップルレンチは汎用ニップルレンチが使えません。たまたまニップルに合うサピムのレンチを持っていましたので良かったです。

このレンチは国内では売っていないようです。

サイズが合わないときは既成のレンチをディスクグラインダーで削るのも良いかと思います。

②スポーク長に関してはハブの正確な計測が大切と感じました。スポーク長は計算ソフトを使っています。

G3ホイールと言っても特殊なホイールではありません。組み立て作業は通常ホイールと変わりません。出来上がりの波型G3ホイールはなかなかカッコイイホイールです。これなら欲しいです。

ブルべ等ロングライド向けホイールのご注文

表題の通りブルべ用のホイールが欲しいとご連絡いただきました。2年後のPBP(パリ・ブレスト・パリ)出場を目標にトレーニングされています。

700cでタイヤは35cのタイヤを予定されていますので出来るだけ幅の広いリムをご希望でした。当初TNIのAL31Wを提案しましたがリム幅がもう少し広い方が良いということでフカヤのライドオアシス RGD-01(32H)で組むことになりました。

ライドオアシス RDG-01 32H  570g
前輪ハブ HB-RS470 163g  32H
ティアグラハブ FH-RS470 32H 362g

ハブはシマノハブでティアグラシリーズです。仕上げが上位グレードと違うだけで性能は変わらないということでこのハブをお勧めしました。スポークはDTのコンペティション黒(2.0/1.8/2.0mm),ニップルはSquorxProブラスです。

リム重量は約570gと結構重いリムですが重い=剛性があるということでトレードオフの関係です。力のあるライダーさんは重量よりも剛性を求めるといいます。そんな意味では使用タイヤに適した高剛性のリムを選べれたのは正解と考えます。

スポークを2mm径のストレートスポークにすればもっと剛性が上がりますがバテッドスポークは地面からの力をスポークのばね性が分散してくれますので剛性は1.8mm32本で十分です。

前輪 979g  3クロス組
後輪 1174g 3クロス組

32Hの標準的な組み方、3クロス組で仕上げました。各スポークテンションを均等にし、馴染みだしを何度も繰り返していますので振れは出にくいホイールの仕上がります。

過激なブルべに使っていただけるようです。ご感想楽しみです。

ミニベロホイールの調整依頼

漕ぎ出しに異音がするということでホイールの調整依頼を受けました。お預かり時点ではシルバーの12mmブラスニップルが使われていました。この標準ニップルでは通常のニップルレンチしか使えません。スポークの間隔が狭くてレンチが使えないホイールです。スポークのテンションがゆるゆるで振れ取りだけ行ったホイールで駆動効率の悪いホイールと言えます。

スポークの間隔が狭くてレンチが使えません

ホイールを新しく組み替えました。ニップルも新しく黒のSquorxProブラスで仕上がることにしています。このニップルなら後ろから回せますので微妙な調整ができます。スポークの間隔が狭い小径車にはぴったりのニップルです。高価なだけはあります。

小径車のホイールは作るのが簡単そうに見えますがそんなことはありません。どちらかといえば難しいホイールです。ニップルを少し回しても大きく反応しますのが理由です。おまけにスポークが短いのでテンションメーターが使えません。各スポークテンションが適正な値で揃っていることが必要ですがこれが容易ではありません。

テンションメーター校正器でスポークを100~120kgfで引っ張り、弾いて音で調整すればよい
ギターピックでスポークを弾きます  音を揃えて調整します  シンプルですが難しい

方法としまして音で調整しています。使っているスポークと同じスポークを100~120kgfで引っ張ってギターのように弾いて音を出し、この音を頼りに調整していきます。これならテンションメーターがなくても調整は可能です。方法はシンプルですがとても正確です。ただし適正な一定の音になるようにするのは結構大変です。難点はキリがないことです。ピアノ調律のような厳密なものではありませんのである程度揃っていればいいということで納得します。これは個人の性格によって変わるかもしれません。

お住まいが近くの方なのでホイールを引き取りに来られました。音で調整することを説明しました。試しにスポークを弾いてみましたら納得されました。

簡単そうに見える小径車のホイールは意外と難しいです。音で合わせることが出来るなら道具なしで調整ができますので試されるのも良いかと思います。キリがないことは覚悟してください。

12月20日追記

ホイールをフレームに取り付け25kmほど走られたようです。音鳴りが消え、快適だっとお知らせいただきました。

カンパ用のチューブラーホイールの作製

カンパ用のチューブラーホイールの見積もり依頼がありました。カンパ用のハブとアルミチューブラーリムは部品入手にかなりハードルが高いと思います。

手組ホイール用としてのカンパハブはなかなか手に入りませんがミケ社のハブなら32Hで手配出来ます。リムはキンリン社のTB25が剛性高く優秀ホイールに仕上がります。スポークは前輪に中央部が1.5mmのスポーク、後輪にギア側は中央部が1.8mmのスポーク、反対側に1.5mmのスポークを使う提案をいたしました。

後輪 929g カンパフリー
前輪 749g

お話いただいてから部品の手配と組み立てで約3週間かかりましたが完成しました。最近のホイールはスポークが黒色のスポークが多いのでシルバーハブにシルバースポークは目を引きます。

各スポークのテンションを出来るだけ均一になるようにして振れを最小に作り上げます。

現在アルミのチューブラーホイールは完組では販売されていません。今回のホイールは部品は既成ですがホイールとしてはすべて誂えです。いいホイールができたと思っています。

リムとハブ持ち込みでミニベロ後輪ホイールの作製

何度もご注文いただいているお客様よりリムとハブの持ち込みでホイール作製のご依頼いただきました。

アレックスリム R390 756g
DT350ハブ 32H  3クロス組

お送りいただきましたハブはDT350、リムはアレックスリムR390です。

32穴で3クロスで組みます。必要なスポークは短いので用意できるスポークは限られます。CXRAYなどのスポークでは別注扱いになります。当然入手に時間はかかります。

今回は2㎜径のストレートスポークで対応しています。小径車のホイールは通常ホイールと製作工程は変わりません。

しかし

①各スポークの間隔は狭いのでニップルレンチが使えない場合があります。

そのうえ

②完成後の馴染みだしがやりにくいという難点があります。

③テンションメーターが使えない。

しかし①②③どちらも工夫をすれば出来ることです。

スポーク長が短いからと言って馴染みだしの工程を省くことは出来ません。

結論としまして小径車はとても難しいと思います。小さいので簡単そうに見えますがそんなことはありません。ニップルを回した反応は通常の700cのような反応ではありません。微妙なニップルの回転でスポーク大きくテンションは変化します。

テンションメーターの値をグラフ化しました  均一にスポークが張られています

上記の注意点をクリアして完成しました。手前味噌ですがよくできていると思います。

今回も喜んでいただけると思います。

シュパーブハブでホイール作製

1985年くらいの古いロードバイクをお持ちの方からご連絡いただきました。

シュパーブ100/126mm28Hハブを持ち込みでクリンチャーホイールの見積もりをご依頼いただきました。使用タイヤは23cということです。ハブは新品です。約40年前に使われていたハブですが新品でしたのでびっくりしました。

前輪用 138g 28H
後輪用 218g ボスフリー 28H

リムはナローリムをご希望されました。提案リムとしてTNIのAL300かAL22ですが軽量の後者リムを選ばれました。

AL22 28H 379g 軽量です

AL22 は400gを切る軽量リムです。ナローリム全盛の時代にはよく使われていました。勿論、今でも軽量ホイールが出来ますのでよく使われています。特にクライマーの方には人気があります。

お送りいただきましたシュパーブハブは前輪100mm後輪126mmボスフリーハブです。昔のハブは後輪ギア数が少ないのでハブのセンターオフセット値は今の11速と比べて小さい値です。左右のスポークテンション比率を計算しますと左右のテンション比率は63:100の割合です。現行の11速ハブでは45:100くらいになるのハブが多いです。左右のスポークテンション比率で比べますと非常に優秀です。

後輪スポークテンション比率を左右100:100に出来るだけ近づけようとゾンダのような2:1組ホイールがあるわけで、後輪ホイールの左テンションは大切な要素になります。

少し偏った意見になりますが、古いロードは使用ギアが少ないだけで使うホイールの性能としましてはけっして最新のホイールに負けないものがあります。8速ギアのクロスバイクをチューンアップすればロードバイクに負けないものが出来ると思っています。

出来上がりました。出来るだけスポークテンションの均一化を図りました。

前輪 698g
前輪スポークテンショングラフ
後輪 790g
後輪スポークテンショングラフ
40年前のボスフリーハブ 新品です

前輪スポークは中央部1.5mmのスポークを使っています。

後輪ギア側に中央部1.8mmスポークを使い剛性を上げています。

前輪698g後輪790g前後1488gの仕上がりです。

使うタイヤを上手に選べば現行ホイールに負けないホイールが出来ます。

50mm高カーボンホイールの作製

リピータのお客様より連絡いただきました。

カーボンリムとストレイトプルハブの持ち込みでホイール作製のご注文です。
スポークとニップルはこちらで準備いたします。

50mm高リム ノバテックハブ Wing21
前輪642g
50mm高リム ノバテックハブ Wing21
後輪816g

用意しましたスポークはピラーのWing21のストレイトプルスポークとDTのSquorxProブラスニップルです。

スポークオフセットの計測が大切です

ストレイトプルスポークを使うハブではハブサイズを測るのに注意が必要です。
スポーク長を出すのにスポークオフセットの実測が大切です。
この数値がでたらめでしたらスポーク長が長すぎたり短かったりします。
しっかりと測ることです。

ハブにスポークを通しますとリムの穴位置は決まっています。
決められた穴に通してニップルを取り付けます。
仮止めでスポークテンションは緩い状態で一度組み上げます。
どのニップルも一度に締めるのではなく少しずつ均等に締め付けていくのがコツです。

馴染みだしを繰り返して仕上げます。時間尾あけて繰り返します。
スポークテンションが揃うように組み上げます。
ホイールの良し悪しはこれで決まります。

フルクラムRacing600を分解して新しいホイールの作製

使わずに置いてあったフルクラムのRacing600を組み替えて新しくシクロレース用で使いたいとご連絡いただきました。

お預かりしました後輪 きれいなホイールです
お預かり時点のスポークテンショングラフ  テンションのバラつきが大きいのは仕方ないです

お客様のプランでは新規のリムはTNIのAL22Wです。リム幅が広くなり軽量化を図れます。リム剛性も高いリムです。シルバースポークを希望されました。

お預かり時点の前輪  右側スポークはラジアル組ではなくクロス組です
お預かり時点の前輪スポークテンショングラフです  テンションのバラつきが大きいのは仕方ないです
お預かり時点の後輪  反ギア側スポークはヘッドインです。内側からスポークを通しています

ホイールは16:8の2:1組で作られています。前輪はブレーキ側16本3クロス組、反対側は8本1クロス組です。後輪はギア側16本3クロス組、反ギア側はラジアル組ヘッドインで組まれています。ヘッドインで組む理由は左右のスポーク間隔を広く組むことで横剛性を高めています。

2:1組のハブは手に入れるのが難しいです。 良いハブです。このホイールは中古では安価に出ている
前輪ハブ144g 2:1組ハブは手に入れにくいので安価に出ているホイールを見つけるのもいいと思います。

ホイールから取り出したハブを点検しました。とても良く出来ています。なかなか2:1組のハブは手に入りません。中古市場ではこのホイールは比較的安価で出ていますので出物があれば手に入れるのも良いかと思います。いいハブです。

お客様にもお知らせしましたが、カーボンリムでこの2:1組ハブを使う場合、通常の市販リムでは穴の角度が1:1組とは違いますので購入には注意が必要です。今回のアルミリムでは穴位置がオフセットなしであけられていますので普通に使えます。

組み上げましたホイールは前輪スポークには中央部が1.5mmのバテッドスポークを使っています。後輪には中央部が1.8mmのバテッドスポークで剛性を上げています。

もとのホイールでは前輪が左右1.8mmのバテッドスポーク、後輪左に2mm、後輪右に1.8mmのバテッドスポークが使われていましたのでお客様の体重から考えまして前輪スポークを細くしています。

中央部が1.5mmのスポークは軽量化には非常に有効です。最強スポークと言われていますCXRAYは1.5mm径のスポークを扁平にしたスポークですのでいわば兄弟スポークです。丸スポークではねじれを防ぎながらのテンション調整ですので扱いは難しいスポークです。性能差では空力が1Wほど勝るCXRAYですが価格は丸スポークの3倍しますので今回は丸スポークで提案しています。

TNIのAL22W 24H TB2015スポーク使用 1.5mmのスポークは軽量化に使えます
前輪スポークテンショングラフです  左右のテンション差がなく2:1組の理論が生きています
後輪16:8 857g 中央部1.8mmのバテッドスポークを使用  反ギア側はヘッドインにしています
ギア側ハブフランジが70mmと大きいのでスポークが平行に張られています このデザインが素敵です
スポークテンションを均一になるようにしています 左右のテンション差も少ない  いいハブです

出来上がりました。2:1組の特徴がよく出ました。左右のスポークテンション差はほとんどなく出来上がりました。ご感想が楽しみです。