古い登山靴は滑る

テレビで古い登山靴と新しい登山靴の滑り具合を比較した実験をやっていました。

裏のビブラムソールは見た目が同じようでも古いビブラムと新しいビブラムとでは地面のグリップ力が全く違います。

見た目は同じようなビブラムソールはですが比べてみると違います

今持っている登山靴をテレビの実験と同じように斜めに設置した板面に置いてみて比べてみました。一つは長年使っている古い登山靴、もう片方は昨年購入した登山靴です。裏のビブラムソールは見た目では違いがわかりません。

古い登山靴が滑り落ちる角度に新しい登山靴を置いてみました
昨年購入の登山靴は同じ斜度で止まっていました 滑り落ちることはなかったです

斜めにした板の上に古い方の登山靴を置くとすぐに滑り落ちてしまう斜度に新しい方の登山靴をおきますとしっかり止まっていました。見た目は同じようでも新しい靴は滑りません。

厳密な実験ではありませんが古くて劣化しているソールは見た目では分からないようです。古いビブラムソールはグリップ力が劣っていると推察できます。

とても簡単な実験ですが見た目が同じでも古いゴム製品はグリップ力が劣化してくるということでこれはタイヤにも通じると考えています。

いつも走っている淀川河川敷でベテランライダーさんにタイヤ交換はどうされていますと伺ったことがあります。答えは、「もったいないのですが毎年交換しています。」ということでした。

へ~!毎年!と驚きましたが素晴らしいと感じています。古い登山靴の実験からでもわかるようにゴム製品はナマもののようです。見た目はきれいでも古いゴム製品は劣化しているということです。タイヤも同じことが言えそうでグリップ力が変わってくると思います。

自転車で、一番安上がりで効果のあるアップグレードの方法はタイヤといわれていますがこれは本当だと思います。しかしきれいなタイヤを捨てるのはなかなかできないのも事実です。

チューブレスタイヤ、ビード上げが大変です②

前回記事の続きです。

スポーク調整が終わったカーボンホイールにチューブレスタイヤを取り付けようとしています。これで3回目の挑戦になりますがうまくビードが上がりません。タイヤは新品のタイヤではないのでどうしても簡単にビードは上がってくれません。

3度目の試みです これだけシーラントが残っていました ビードが上がらない元です

諦めないでもう一度ビードの部分をきれいにしました。今度は丁寧に前のシーラントの滓を取り除きました。親指の爪を使って丁寧にこすって取り除きました。写真で分かりますが前回手を抜いていましたのでシーラントが残っていました。今度はもう何も残っていません。やっと新品状態にできました。

もう一度石ケン水を使ってトライしてみました。果たしてビードは上がりました。ただし、パキンパキンとビードが上がる音はしません。新しいタイヤでしたら甲高い音がしますが今回は音がしません。空気圧は4気圧ぐらいで止まったままですがタイヤはふくらんでいます。どこかで空気が漏れているのでしょう。

バルブコアを外してシーラントを30ccほど入れてみました。タイヤ全体にシーラントがいきわたるように回して再度空気を入れてみましたらパキンと音がなりビードが上がりました。

約2時間奮闘してやっとホイールは使えるようになりました。チューブレスタイヤは乗り心地はいいのですがやはりメンテが大変です。タイヤ2本連続で本当に疲れました。クリンチャーに戻そうか迷っています。

チューブレスタイヤ、2度目のビード上げが大変です

チューブレスタイヤは乗り心地がとてもいいです。初めてのチューブレスなら感激することは間違いありません。

シーラントの固まりがビードに付着しています これが厄介です

しかしリムテープが劣化してテープを取り換えるとかになりますと、タイヤの再インストールが大変なのがよくわかります。このことは今まで同じような記事を何度も書いています。タイヤメーカーさんの説明書、ホームページ、YouTubeどれを見ましても新品の時のビード上げを説明しています。2回目、3回目のインストールがどれだけ大変なのかはどこにも説明されていません。これは経験しないと分からないことです。

当ブログで何度も何度も愚痴っていますのでああ、また言うてるなという感じですがとても扱いが難しいと思います。

再インストールのコツはタイヤを新品状態に戻すということです。しかし完璧に新品状態に戻すことはできません。きれいにしたがこれでビードは上がるかな?と何度も繰り返すことになります。一度で済めばいいのですが簡単には前に進めません。これが面倒です。

ここまできれいにしたら大丈夫ということが分かりませんのでこれが嫌になります。チューブレスタイヤの再インストール料金が2倍になるショップがあります。価格が2倍でも安いなと思ってしまいます。

シーラントが固まった付着物をきれいに取り除きインストールすればうまくいくと思います。難しいことではなく、ただひたすらタイヤを新品のようにきれいにしたら再インストールは成功します。但しこれはとても面倒なだけで楽しいことではありません。

チューブレスタイヤの運用方法を考えました。次の通りです。

①チューブレスタイヤを長年使ってこられたベテランライダーさんに教えていただいた方法です。チューブレスタイヤはシーラントなしでもある程度の時間は乗れます。これを利用してシーラントを使わないでタイヤチューブと併用するという方法です。パンクすればチューブを入れる、チューブがあれば家まで帰れると思います。シーラントを使わないので再インストールでもタイヤに付いたシーラント滓を取り除く必要はありません。

②勿体ないけれど常に新品タイヤを使うという方法もあります。自転車屋さんにお願いしますとチューブレスタイヤの再インストール工賃は2倍以上することがあります。それなら少し勿体ないですが常に新品タイヤを使うことにすればタイヤインストールはそんなに面倒なことではありません。常に新品タイヤを使うといいましてもそんなに頻繁にパンクするわけではありませんので古いタイヤの再インストールに難儀するのならこれは一案かもしれません。古いタイヤは知り合いにプレゼントするか、チューブ方式で使うということもアリだと思います。つまり古いタイヤはチューブレス方式で使わないというやり方です。

③今まで通りの方法です。ただひたすらタイヤをきれいにして再インストールする方法です。注意点としてチューブレスタイヤの場合通常のポンプは使えないときがあります。新品のチューブレスタイヤなら通常ポンプが使えますが、2回目、3回目ではブースター付きポンプかコンプレッサーを使わないとビードは全く上がりません。

④最後にもう一つ、クリンチャーに戻る。

確かにチューブレスタイヤは乗り心地がいいのですが今まで分からなかった事柄が出てきます。チューブレスタイヤは良い点が多いのですが取り扱いは面倒です。良い点ばかりではなく裏面の理解も必要です。

ホイールのハブ点検

機械好きの人はいつも自転車のどこかを触っています。乗るのが好きで機械のことは自転車屋さんに任せていますという人もおられます。行きつけの自転車屋さんが近くにあればいいのですがそれもないというライダーさんも結構おられると思います。

ロードバイクを乗る場合、パンクの修理やチェーンのオイル注しなど最低限のことは自分でやることを覚える必要があります。その中にハブの分解をお勧めします。自転車のハブを分解するなんて、とてもとてもと思われますが意外と簡単です。

ホイールのタイヤを外しました

ホイールの点検依頼を受けました。半年使われたホイールのハブ音が妙に高くて大きいので分解してみましたところハブフリーを外してみて驚きました。

半年でこの状態です
汚れ、さび付きで調子の悪いハブ

ハブフリーの爪部分は立ち方が鈍く、ラチェットリングは真っ黒になっていました。グリス不足と汚れが原因で明らかに回転が渋いと感じました。しかし、乗り手さんにとってずっと同じ感じなら不具合はなかなかわかりにくいものです。

一般にはシールドベアリングを使ったハブはベアリングが4個使われています。8枚から11枚のギアを取り付けるフリー側に2個、ハブ本体に2個ベアリングが中に入っています。軸棒に取り付けられたギアがうまく回るようにいつもきれいにしておかないと回転は渋くなります。

取り敢えずお預かりしましたホイールのハブをきれいにしましたがこびりついた汚れは取り切れません。ステンレスの部品もサビることがあります。今回はこれに近い状態でした。なかなかきれいになりません。どうやっても4つの爪の立ち方がすっきりしません。

乗られる頻度にもよりますがハブは年に3,4回フリーを外して点検が必要と感じています。乗られる地域によっても違ってくるかもしれません。土壌の性質といいますか、酸性やアルカリ性の問題などいろんな要素が絡まっていると感じています。

お預かりのホイールはハブを新しくしました。最初の時も新品のハブを使っていますがもともとハブの具合が悪かったのかもしれません。今回は新しいハブに取り換えました。 せっかくのホイールですので長く乗っていただきたいものです。

ハブは簡単に分解できます グリスアップは難しいことではありません

それにはハブのお掃除、グリスアップが必要です。そのためにも中古でいいのでハブを一つ購入して分解の練習するのも一案と考えます。先ずは慣れることが大切です。

ピストホイールの組み換え

一度ピストホイールをお納めしましたお客様よりご連絡いただきました。ハブ交換の依頼です。

ギアを交換された時にハブ軸のねじ山をなめてしまわれたようです。ナットがガチガチに固まっていました。慣れていることでも、ねじ山を確認しないでレンチを無理やり回してしまうことがありますが今回はそのようです。軸棒のねじ山がつぶれていました。


交換したハブ 左側ねじ部分にトラブル

今回は軸棒を取り換えればいいと考えますが、ねじ式の軸棒なのでなかなか簡単にはいきません。結局ハブ交換を選ばれました。

取り出しましたハブは、新しく軸棒が手に入れば交換されたら良いかと思います。ハブ構造はシンプルです。ベアリングは6000番台のベアリング2つ入っているだけなのでベアリングの取り出し、圧入は難しいことではありません。

ピストホイールはとてもシンプルな構造です。踏み込みの直接的な感覚はロードバイクと違う感じです。はまり込む人が多いのもよくわかります。

ピストホイールでは左右のスポーク長が同じなので後輪でも前輪用のホイールを作るようなものです。

後輪左右のスポークテンションは同じなので(ハブによって違うときもあります)駆動効率は高く、左右テンション差があるホイールのようなことはありません。このため踏み込んだ力は逃げにくいのでロードバイクのホイールとは感覚が違います。

ピストバイクの面白さが最近よくわかってきました。ピストバイク、お勧めです。

カーボンホイール後輪のスポーク替えで剛性アップ

よくレースに出ておられるライダーさんにホイールを試乗していただきました。

後輪847g

100kmほど乗っていただいた感想は乗り味が柔らかいという印象でした。乗りやすいホイールですが踏み込んだ時のシャープさがないというご意見をいただきました。いわゆる温いホイールです。これは主にスポークの剛性が原因です。

ホイールは43mm高25mm幅の穴ナシリム、スポークは左右サピムのCXRAY、ハブはノバテックハブで組んでいます。今回の場合、スポークが細くて剛性が足りないホイールだったようです。これは乗り手によって違います。今回は剛性不足でありましたが乗り手によってはこれで良い場合もあります。ホイールは乗り手の力、好みによって違ってきます。

ライダーによって剛性調整をするのが良いかと思いますが、どちらかといえば高めの剛性が扱いやすいと思います。太いスポークで作ると剛性高いホイールとなります。この辺りは好みです。

今回の場合左右がCXRAYなので右12本を少し太くして剛性をあげることにしました。つまりCXRAYからコンペティションにすることにしています。

コンペティションに取り換えて867g 20g増えました 剛性は大きく変わります

後輪の左右スポークがCXRAYの場合24本では乗り味は柔らかく乗りやすいホイールですが力のある人には物足りないホイールでした。

今回ドライブ側のCXRAY12本からコンペティション12本に取り換えました。これにより20g増え、このスポーク替えでホイールの剛性は大きく変わります。

乗り手の体重やパワーで同じホイールでも感じ方は違います。ホイールが温いと思われたらスポークを取り換えれば蘇ります。

マビックハブのエンドキャップはこれで外せる

マビックホイールのハブ玉押し調整には専用の道具が必要です。勿論ハブの分解にはこれがないと前に進めません。

専用の道具が必要です

正規に購入しますとホイールにはついてきますこのプラスチックの道具です。注意していないとなんの道具か分からなく捨ててしまうこともあります。実際、約20年前ホイールビギナーだったころ捨ててしまったことがあります。あとで必要なものだとわかり買いなおしました。

最近マビックのハブを手に入れましたので分解、組み直しなど行いましたがこの時も専用道具が必要で、ほかの道具が使えないかと考えていました。専用道具があればこれで回せばいいことですが持っていない人もおられると思います。

スナップリングプライヤーで回します
スナップリングプライヤーで外せます

スナップリングプライヤ―、この道具が使えます。これで回すことが出来ました。専用道具がなくてもマビックハブは扱えますので安心です。

カップアンドコーンの24穴ハブを取り出す

12月2日のブログ記事「カップアンドコーンの20Hハブが欲しい」の続きです。後輪ホイールWH-RS100後輪ホイールが届きました。一度も使うことなくホイールを分解するのは少し心が痛みますがハブでまた蘇りますのでいいかなと思っています。

いわゆる文鎮ホイールですがスポーク調整すればよく走ります

シマノハブはカップアンドコーンですが今手に入る穴数は28穴、32穴ばかりです。24穴は今のところありません。しかし裏技として24穴ハブを使ったホイールから取り出す方法があります。

ハブの見た目は飾り気がないハブでソラクラスと思われます。高級感はありませんが必要十分の性能を持っています。実用主義でホイールを作っていますのでこれで十分使えます。派手さはありませんがいいハブです。

ホイールが届きましたので先ずはホイールの健康診断を行います。グラフにするとよくわかります。

値段が値段だけに要求するのは難しいと思います バラつき度が大きい

グラフで見るとスポークテンションのバラつきが非常に大きいホイールでした。値段が値段なので仕方ないと思います。しかしこれを丁寧に均一にしますと振れが出にくく駆動ロスも軽減できます。重いが走るホイールに変身しますのでやってみる価値は十分あります。

今回はすぐに分解してハブを取り出しますので余計なことは考えません。取り出したハブを計量しましたら364gでした。重いハブですが使うときは中心部の重量ですのでホイールの回転には影響ありません。

後輪ハブ 364g 24穴
後輪オフセットリム547g

カップアンドコーンのハブは28穴32穴36穴だけなのでこのような裏技でしか用意できないのが残念です。余計なことをしなくて24穴ハブが欲しいです。

XR31T/RTリムで多スポークホイールの作製 続き

多スポークホイールをご注文いただいたお客様よりインプレをお送りいただきました。ホイール作りにとても参考になります。

お客様から写真をお送りいただきました。ホイールとフレームのバランスが良く、是非乗って見たいと感じます。

やはりベテランライダーさんです。なかなかビギナーライダーさんでは感じ取れない微妙なハンドリングをシッカリと捉えておられます。以下原文です。

先日作成した頂いたホイールを漸くセットアップできて本日50kmほど乗ってきました。前のホイールと同じ銘柄タイヤで同じサイズ(25C)、同じ空気圧で試してみました。

漕ぎ出しの感じはあまり変化を感じませんでしたが、トルクの掛けやすさと巡航速度に乗せるまでの加速のしやすさは断然今回のホイールの方が楽です。

また路面のギャップや段差を越える際、ショックが明らかにマイルドになっており今まで路面が荒れていて嫌だと思っていたコースでもそれほど嫌に感じません。

コーナリングもワイドリムの効果かホイール剛性の効果かは私には不明ですがライントレースがとてもスムーズで一段上の速度でコーナリングができますしタイヤのグリップ挙動が掴みやすくコーナリングがとても面白いです。

全体的にかっちりしている印象なのに硬さをあまり感じない感触でとても乗りやすいです

持った時の重量がWH7701に比べ重くなっているのですが、走りの軽さと快適さの総合性能では断然今回組んで頂いたホイールが良いです。

重量と走りの軽さが一致しないことを今回体験できて驚きです。ハブを取り出した元のホイールが、マビックMA2リムに星2.0シングルバテッドの組み合わせで重量的には若干軽くなるほどですが、乗り味は全く異なります。

スポークやリムの選択、丁寧な組み方でこれだけ変化をつけることができる手組みはとても面白いです。

今回大変よい体験をさせて頂きました。色々と試したいことが出てきましたので、また機会を見つけて連絡させて頂きたいと思います。

明日は100kmほどのロングライドに行く予定でとても楽しみです。今回は本当にありがとうございました。

ロングライド後の感想もお送りいただきました。

本日100kmほど乗ってきました。地元愛知の知多半島を一周するよく行くコースです。

距離を走るとよく分かってきたのが、加速する時だけでなく巡航速度を維持するのも以前のホイールより楽で平均速度が若干上がりました。それでいて路面からのショックがマイルドですので走り終わってからの疲労感が随分軽減されました。加速性、巡航速度、コーナリングどれも大変満足のいくものです。

見た目もシンプルな黒いリムと黒いスポークと合わせてシルバーのハブがワンポイントでアクセントとなっているので、手前味噌ですが、自分のバイクのカラーとよくマッチしており、とても気に入りました。

ホイールメーカーの完組ホイールも魅力的なのですが、こんなに良いホイールがハブのリユース含めて提供頂ける手組みは、本当に面白いと思います。

週末に100km程度のロングライドサイクリングが主の今の私の使い方にはとてもマッチしたホイールです。

今後のサイクリングやツーリングが楽しみです。

今回は良いホイールを丁寧に相談に乗っていただき仕様を決めて組んでいただき大変ありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。

追加のインプレもお送りいただきました。

追加のインプレです。

通勤にも使っているのでコスパ重視でタイヤはcontinentalのUltra Sports3を使っていて今回も新旧ホイールに同じタイヤを履いています。空気圧も揃えました。それでも新しいホールでは、同じタイヤを履いているとは思えない快適性を感じたこともお伝えしておきます。

手組ホイールファンさんがおっしゃっていただいたように、よりグレードの高いクリンチャーやチューブレスなどに変えるとより快適で乗りやすいホイールに感じるだろうと期待しています。

とても印象深いインプレをお送りいただきました。リムは公的機関の大阪産業技術研究所にて荷重試験を行いとても良い結果を出しています。この剛性あるリムを使って、乗り方にあわせたスポークを選んで組み上げたホイールは良い走りをすると確信していましたが、果たしてその通りの走りでした。丁寧に感じ取っていただいた今回のインプレはとても参考になると思います。

XR31T/RTリムで多スポークホイールの作製

お客様から以下のメールをいただきました。

いつもWebページを楽しく拝見させて頂いています。
Web
ページを拝見させていただく中で、一度手組みホイール製作の相談をさせて頂きたいと思っています。
相談内容は以下になります。
20年ほど前に使っていて室内保管していたロード用ホイールをリフレッシュしたいです。
・流用するのはハブで、リムとスポークは相談しながら決めたいです。
・ハブはシマノ60032Hです。前後ともです。フリーは9Sです。可能であればハブが使えるかチェック頂きたいです。(可能であればグリスアップや球あたり調整も含めて)

リムとスポークはご相談しながら決めています。何分お顔あわせての商談ではありません。先ずは手組ホイールファンを信頼していただくしかありません。何度かメールのやり取りしますとご安心いただいたようです。

リムは今まで高評価をいただいていますキンリンのXR31T/RTの32穴、後輪はオフセットリムをお勧めしました。スポークは中央部が1.5mmのDTレボリューション黒で決まりました。

中央部の細いバテッドスポークは地面からの衝撃を吸収してくれますので乗り味が柔らかくなります。空力をもう少し改善するであればサピムのCXRAY、もしくはDTのエアロライトが良いかと思いますが価格が3倍しますのでレース用でないのなら丸スポークが良いかと思います。

レボリューションはサピムのLaserと同じ太さでとても優秀スポークですが取り扱いは非常に難しいスポークです。普通にニップルを回していきますとスポークも供回りします。これを止めながらテンションを上げていきます。これが厄介です。うまく扱えばとても乗り心地が良いホイールに仕上がります。

リムは約500gですので重いリムと感じますがリム高が31mmあります。この高さでこの重量は軽量と思っています。よく走るホイール作製には剛性あるリムが大切です。剛性の高いこのリムは後輪用に穴位置が3㎜オフセットのリムも作られていますのでお勧めリムです。

シマノ600 前輪ハブ 136g
シマノ600 後輪ハブ 350g

お送りいただきましたシマノ600ハブは室内保管のホイールでしたのでとても滑らかな回転でグリスアップは不要でした。一つ注意点があります。リユースハブにスポークを通すときはフランジを守るために前と同じ穴に通すことが大切です。

構成は次の通りです。

リム XR31T/RT 32h

ハブ シマノ600ハブ 前後ともに32h

スポーク DTレボリューション黒 2.0/1.5/2.0mm

ニップル 12mmブラスニップル 黒

前後ともに3クロス組です。出来るだけスポークテンションを均一になるように組みます。馴染みだしは数が多いほど安定します。時間をあけて何度も繰り返します。

お客様から写真を提供していただきました とてもシンプルな仕上がりです
前輪スポークテンショングラフ
後輪スポークテンショングラフ

出来上がりはとてもシンプルで飾気がありません。このシンプルさがいいとよく伺います。ロングライドに適した疲れにくいホイールが出来上がりました。勿論レースにも使っていただけます。いいタイヤで走られると今までのホイールとはガラッと違った印象と思います。インプレが楽しみです。