XR31T/RTリムでホイール作製

暫く乗らずにおられた自転車にまた乗ることを決められたお客様よりご連絡いただきました。

以下メールの内容です。

軽くて太リムのリムブレーキ用ホイールが欲しくなりゾンダかレーシング3の中古でも買おうかとネットをさまよってたら貴ブログに出会いました。レース、ロングライドはせず、30〜50km(8km、6%で30分の登りを含む)の近所ライドがメインです。

このようなご希望でしたので提案しましたホイールがこれです。ホイールは無名ですがゾンダ、レー3よりもリムの剛性が高いので駆動ロスが少ないホイールです。

前輪724g
後輪916g

リム XR31T/RT 前輪24H 後輪28H 後輪は3mmオフセットリム

ハブ ノバテックA291SB 24H F482SB 28H

スポーク 前輪 TB2015(2.2/1.5/2.0mm)

スポーク 後輪 左TB2015(2.2/1.5/2.0mm)

スポーク 後輪 右コンペティション(2.0/1.8/2.0mm)

ニップル ダブルスクエア ブラス

ローバイクに最初から付属するシマノホイールのように2㎜スポークを使って前輪20後輪24のホイールはとても剛性があります。このホイールは一般にはエントリーモデルと考えられていますが実はビギナーライダーには向きません。剛性がありすぎるホイールは疲れやすいホイールです。

今回のホイールは前輪24本ですがスポークは中央部が1.5mmと細いスポークを使っています。1.5mmのスポークがショックアブソーバーの働きをしますので地面からの衝撃は吸収されます。バテッドスポークの良いところです。後輪は左右スポークの太さを変えています。右ギア側には中央部が1.8mmのスポークを使って剛性を上げています。前輪と同じようにバテッドスポークの良さを出し、剛性を上げています。

スポークの本数が24本、28本なので急坂コーナーのハンドリングもしっかりとラインをつかむことが出来ます。今販売されているホイールはスポークを減らす傾向にあります。見た目を意識しているとか経済的な理由が根底にあると思います。1セットで8本少なくできるのなら差は大きいと思います。誂えのホイールではお客様の乗り方に合わせて作ります。このあたりが利点と思います。ご感想が楽しみです。

DT RR411多スポークホイールのご感想をいただきました

DTのRR411リムで多スポークホイール作製というタイトル5月24日の記事をご参照願います。

後輪1052g
前輪791g

お客様よりホイールの印象記をお送りいただきました。楽しく自転車に乗ることを考えますとカーボンホイールだけが良いホイールではありません。乗る用途に応じて考えますとアルミホイールは素晴らしいものがあります。

お客様の感想はどうしても手組ホイールファンの宣伝になってしまうのですが、お客様より了解いただいていますので

ホイール作りの参考になると思います。以下ご感想の原文です。

遅くなりましたが、ホイールの感想です

クロモリツーリング車での内容になります。

乗り出し漕ぎ出しかなりスムーズです

重めのホイールセットかと思いますが、すーっと転がりだし、良く回るなぁ〜と好印象。直進の安定感も抜群で路面を軽くいなして行く感じです

少し荒れた舗装路段差等からの突き上げがとてもマイルド。長距離も疲れずに漕ぎ続けられるといった印象を持ちました。

32hの恩恵も感じられます。ロングツーリングには顕著に現れ、腕や腰への負担がかなり軽減されます。重めの方ですが登坂能力もあり、割と軽快に上ります。

剛性がしっかりしていると感じられ、踏み込んだ時のロスがすくなく、路面へのくらいつきが良いです。

手持ちのロードバイクより良いとさえ思ったしだいです。スポークテンションもきっちり正確に出して頂いているお陰だと思います。

乗る楽しみも増し場面場面でニヤついてる私がいるのは言うまでもありません。

ホイール、スポーク等の提案を全てして頂きありがとうございました。全て良い結果になりました。

7月より残念ながらDT製品はヨーロッパのセラーから購入できなくなりました。DT製品はとても良く考えられています。国内セラーからの調達は少しお高くなるかもしれませんが製品の安心感は非常によいと思います。リムジョイントが溶接ですのでRR411リムはとても組みやすいリムです。カーボンホイールにはない良さを感じていただけると思います。

トレックFX3用のディスクホイールを作製

トレックのクロスバイクFX3用にホイールを提案して欲しいとご連絡いただきました。

通勤用と80kmほどのツーリングに使われるようです。ホイールが変わると走りは大きく変わります。完成車についているホイールはどうしても幅広い乗り手に合わしていますので剛性が高めです。このため少し長めのライドには向いていないようです。太いスポークで作られた剛性がありすぎるホイールは実際にはロングライドには向きません。

100・135mm センターロック クイックリリース方式ハブはなかなか手に入らない
XR31RT 24H 503g 31mm高24mm幅でこの重量は軽い

トレックのクロスバイクは前輪100mm後輪135mmのクイックリリース仕様です。センターロックでクイックリリース仕様のハブはなかなか手に入りません。たまたまですがノバテックのハブでこの仕様のハブが手持ちにありまして、このハブを提案しますと了承いただきました。

リム XR31RT 前後 24H

ハブ D791/D792 センターロック QR仕様 24・24H

スポーク 前輪TB2015

スポーク 後輪右 TB2018 後輪左TB2015

ニップル ダブルスクエア

前輪798g
スポークテンションばらつき度を5%以下に仕上げています 
鯉雨林933g
左スポークテンションはオフセットリムの効果が出ていますのでとても高い値です

リムは前後共に3mmオフセットリムを使いますのでスポークテンションは10%ほど是正されます。テンション差の少ないホイールはスポークが折れにくい利点と駆動ロスを軽減する利点があります。

①タイヤを奮発していただく。

②ホイールを替える

自転車はこの二つで大きく走りが変わります。確かにコンポーネント、フレームはスピードに影響ありますが重要度から言いますとタイヤとホイールです。クロスバイクは大きく変わるでしょう。

お客様より大切に使いますとご連絡いただきました。ありがたいことです。

50mm高オフセットカーボンリム、Hopeハブでホイール作製

部品の持ち込みでディスクホイール作製依頼がありました。

Hope  Pro5 前輪用 140g
Hope  Rro5 24H

ハブは英国のHope ハブです。お送りいただきましたハブのフリーを回してみると音が小さく回転は滑らかです。ハブデータはホームページから手に入りますが数値には注意しないといけません。今回のハブデータはあってはいましたが違う製品のデータとなっていました。実測したほうが良いと思います。

50mm高リム 431gは軽量です
穴位置がオフセットしているリム

リムは50mm高のカーボンリムです。スポーク穴位置がオフセットしているリムで最近見受けるようになりました。カーボンリムもオフセットリムが手に入る時代となっています。オフセットリムはスポーク穴位置がわずかにずれていることで左右のスポークテンション差を是正することが出来ます。

スポークは体重や乗り手の力で決めますが、今回はCXRAYでは細すぎる。コンペティションでは太すぎて剛性が少しオーバーと、いろいろプランが出ました。最終的にはwing21で組むことになりました。

前輪720g
出来るだけスポークテンションを揃えています  出来るだけ振れがないように調整します
後輪864g
出来るだけスポークテンションを揃えています  出来るだけ振れがないように調整します

組み方はオーソドックスな左右2クロス組です。プルスポークが12本ある組み方は安心できます。おまけにオフセットしているリムを使っていますので左右のスポークテンション差はとても少ないホイールに仕上がっています。テンショングラフにしていますのでよくわかります。左右のテンション差が少ないので駆動ロスは軽減されるでしょう。50mm高ながら登りにも十分使えるホイールです。ご感想が楽しみです。

24mm高24mm幅アルミリム使用ディスクホイールの作製

新しいディスクフレームを手に入れられたお客様よりご連絡いただきました。ディスクホイールのご注文で、今回で2回目のご依頼です。ありがたいことです。

DTハブはこのような箱に入っています
DT350 後輪用 269g

後輪ハブはすでに手配されています。DT350ディスクタイプのハブです。前輪ハブとリムがまだ決まっていなかったのでご提案いたしました。

リムは24mmm幅24mm高で3.5mm穴位置がオフセットしているリムを提案しています。手組ホイールファンのオリジナルホイールを作ろうと計画していましたのでこのリムをご提案しましたらOKと了解いただきました。

32穴リムですのでロングライドに適していると思います。細いスポーク作る多スポークホイールは疲れにくいホイールに仕上がります。お客様のご希望と合致したようです。

HB-RS470 32H

ハブはシマノのティアグラハブです。スポーク数は限定されていますがとても丈夫でよく回ります。決して軽いハブではありませんが価格もこなれていてお勧めします。

ハブが32穴ハブですのでスポークは細いスポークで組むのが良いと思います。細いスポークはショックアブソーバーの働きをしますので地面からの衝撃を吸収してくれます。このため長く乗られても衝撃で突かれるということが少なくなります。

安定感ある乗り心地を得ることが出来るホイールということで提案しました。

リム オリジナルリム

ハブ 前輪 シマノHBRS470

ハブ 後輪 DT350ディスクハブ クラシックタイプ

スポーク 前輪 TB2015

スポーク 後輪 左TB2015 右TB2018

ニップル ダブルスクエア

前輪 784g
後輪 920g

作り方はオーソドックスな3クロスで組み上げます。リムは3.5mm穴位置がオフセットしていますので左右のスポークテンション差が少ないホイールが出来上がります。後輪のドライブ側は1.8mmと少し太くして剛性を上げています。

スポークテンションを出来るだけ揃えるように、フレは最小になるようにして組み上げます。馴染みだしを繰り返すことによりフレの出にくいホイールが仕上がります。新しいフレームに組み合わせる今回のホイールはどのような印象になるのか楽しみです。

コリマホイールの組み替え依頼

有名ビルダーさんにオーダーメイドされたコリマチューブラーホイールのバルブ部分が割れたということでホイールの組み替え依頼がありました。理由は分かりませんが手組ホイールファンに任せてみようということです。

コリマ チューブラーホイール 714g バルブ部分が割れています

ソルダリングはやっていませんということを了解頂き送ってこられました。写真のようにきれいなソルダリングは存在感があります。

CXRAYスポークにソルダリング

しかしホイールを分解するときはスポークを切らないと出来ないので勿体ないことです。

スポークは切り取ってハブを取り出しました

スポークはサピムのCXRAYです。約600円しますので12本ということで7200円です。カットしないと分解できないのでしぶしぶ行いました。とても残念です。因みに手組ホイールファンではソルダリングはやっていません。

取り出した左5点は12mm標準タイプのニップル  右側1個はインターナルニップル 頭部が平らです

取り出しましたニップルはインターナルニップルと思っていましたら通常の12mmニップルでした。12mmニップルを逆さにすれば使えないことはありません。しかし正式なインターナルニップルな頭部が平らです。リムを傷つけないようにするには正式なインターナルニップルを使うほうがいいでしょう。見えないところは代用品でも良いというのは個人的にはいただけません。意味があってのインターナルニップルですのでこれはよくないと思います。

TNIエボリューションハブ  ノバテックのハブと同じ

ハブはTNIのエボリューションハブです。フリーはカンパ用でした。フリーを回すと音が大きいのでグリスを入れなおしています。このハブはノバテックのハブと同じなので5mmレンチ2本と10mmレンチがあれば容易に分解できます。フリーの爪音がカリカリと音が高くなればグリスアップをお勧めします。油汚れは油で取ります。難しくはありません。分解するときに少し勇気がいるだけです。ハブの構造はシンプルで壊れることはありません。取り外した部品をきれいに並べておいて、組み立てには逆戻りすればいいだけです。

コリマ32mmチューブラーリム

ホイールと一緒にお送りいただきましたリムはコリマの32mm高リムです。とても軽量です。使うニップルはインターナルニップルを使います。スポーク張りをハイテンションで仕上げるには外側から回すほうがよいということでインターナルニップルを使われてきました。最近のカーボンリムはインターナルニップルを使うリムは少ないようです。インターナルニップルの扱いは難しいですがとても見た目はシンプルですっきりしています。

スポークはドライブ側にコンペティション2.0/1,8/2.0mm、反対側にはレボリューション2.0/1.5/2.0mmの組み合わせです。1.5mmのスポークを扁平にしたのがCXRAYやエアロライトです。お預かり時点ではドライブ側にコンペティション、反対側にCXRAYという組み合わせでしたのでスポークの剛性では同じです。

コリマ32mmチューブラー 731g
右ドライブ側にコンペティション 左側にレボリューション

出来るだけスポークテンションを揃え、出来るだけ振れが少なくなるように仕上げました。馴染みだしは何回も行います。後輪731gとても軽量です。8月のヒルクライムに出られるようで間に合ってよかったです。

ミニベロ後輪ホイールは難しい

普段通勤にも使っておられるミニベロのホイールを10速で走りたいとのご希望でご連絡いただきました。ミニベロホイール後輪のご注文です。今回は手に入るハブの関係で後輪だけ作りました。

DA16 329g
シマノハブ FHTX500 32H

リムはアレックスリムのDA16、ハブはシマノFHTX500、32穴です。スポークは短いスポークでも手に入りやすい星のスターブライトを使っています。

本来ならバテッドスポークを使いたいところですがなかなかこの短いスポークに対応できるセラーはありません。

各スポークの間隔が狭いのでニップルレンチが使いにくい

このようなミニベロのスポーク間隔は32穴ありますととても幅が狭いです。通常の12㎜のニップルではスポークとスポークの間が狭すぎてニップルレンチを回すのに手間がかかります。ではどうすればいいのか?ということですがニップルは後ろから回せるニップルを使えばうまくできます。

ホイール作りの作業としては全く普通のホイールと同じですが12mmの通常ニップルでは時間が掛かると思います。慣れた人なら出来るのかもしれませんがミニベロは難しいと思います。

理由は次の通りです。

①ニップルが普通のレンチでは回しにくい

②テンションメーターはスポーク長が短いので使いにくい。使えないときもある。

③テンションメーターがない場合は、使えない場合はスポークを弾いて音で聞き分けスポークテンションを揃えます。しかしこれもまた難しいです。音でやる場合キリがないのでなかなか終わりがありません。

今回は右側左側、各16本で8ペアのスポークで組んでいます。幸いにも1ペアの片側にはテンションメーターをあてることが出来ました。2,4,6,8と8本のスポークにはテンションメーターをあてることが出来ていますのでこれで先ず8本のテンションを揃えることにしています。あとはペアの片方スポークを弾いて音で聞き比べて揃えるという方法を取っています。

いつもの大きいホイールならメーターをあてることが出来るのでスポークテンションばらつき度は5%以上にできますが今回はそこまで出来ていないと思います。しかしスポークが短いので振れは出にくいと思います。

19cmほどのスポーク長です 3クロスで組んでいます 綾も取りました

今回のホイールは小さい径ですがスポークはしっかりと綾を取りました。本来は綾まで必要ありませんが見た目重視にしています。

B5のノートを後ろに置きました 大きさがわかります

納品後にご連絡いただきました。10速に出来て喜ばれているようです。ホントに良かったです。

XR31T/RT32hリムでホイール作製

15年と長く乗られたクロスバイクのホイールを交換したいとご連絡いただきました。お客様はこのブログを楽しんでお読みいただいたようです。XR31T/RTのリムを使ったホイールに興味を持っていただきました。今回はシマノハブをお送りいただいてのご注文です。このリムで作るホイール注文が続きます。

ハブは持ち込みです  一緒にホイールを作っていく感覚です

手組ホイールファンではお持ち込みは大歓迎です。ある意味共同作業的な感覚で、ご一緒にホイールを作っていきます。

リムは500g前後です 軽くはありませんが剛性面ではとても優秀です

ホイールの内容は次の通りです。

リム キンリンXR31T/RT 前後共に32H

ハブ 前輪 シマノ HB-RS400 32H

ハブ 後輪 シマノ FH-RS300  32H

スポーク 前輪 TB2015

スポーク 後輪 左TB2015

スポーク 後輪 右TB2018

ニップル ダブルスクエア

後輪ハブは10速ハブです。使えるギア数は1枚少ないハブですがハブのセンターオフセット値は11速ハブよりも小さいので左右のスポークテンション比率はとても良いホイールに仕上がります。8~10枚とスプロケットのギア数は少ないホイールですがスポークのテンション比率でみると効率の良いホイールが出来上がります。おまけにリムの穴位置が3mm寄っているリムを使いますのでリムでテンション比率は約10%改善できます。スポークのテンション比率を計算上では約70:100の比率に仕上げることが出来ます。

スポーク長計算ソフトでスポークテンション比率がわかります

リムの重量は約500g、ハブの重量は前後で約510gと重いホイールですが駆動比率でホイールの性能を見ますととても優秀なホイールに仕上がります。

一般には軽いホイールを求める人が多いです。しかし力のあるライダーさんは剛性を求めます。軽くて剛性があるのがなお良いと考えますが価格面で難しいと思います。

前輪867g
後輪1102g

コスパを考えますと今回のシマノハブとXR31T/RTリムで作られた多スポークホイールはとても良い組み合わせです。性能と価格を組み合わせた評価では最高の得点を取るホイールではないかと考えています。

出来上がりのホイールは前後で1969gといわゆる文鎮ホイールですが走りの良さは驚かれると思います。ホイールの走りは重量だけで決まるものではありません。

今回のホイールをお勧めする理由はリムの剛性です。ホイールの良さは7割がリムで決まると考えています。当ホイールのリムは31mm高ありますが重量は約500gです。リム高があるので空力の援護を得ることが出来ます。軽くて剛性のあるカーボンリムには及びませんがリム価格は1/4です。コスパよくライドを楽しむにはうってつけのリムと思います。おススメします。

XR31T/RTリム、シマノハブでホイールのご注文

ご自分でも自転車のホイールを組める方よりご注文いただきました。オートバイのホイールも組める超ベテランのライダーさんからのご注文です。普段通り組めばいいのですが今回のご注文にはちょっと張り切ってしまいます。

シマノホイールから取り出した20Hハブ
シマノホイールから取り出した24Hハブ

ハブはシマノホイールWH-R501から取り外した前輪20H後輪24Hハブです。シマノハブは通常28H、32Hと多スポーク用のハブしか販売されていません。今回の20・24Hのシマノハブはこのブログを読まれてヒントにされたそうです。

ご注文の内容は以下の通りです。

リム XR31T/RT 20・24H

ハブ シマノハブ 20・24H お送りいただきました

スポーク 前輪 ピラーTB2015 2.2/1.5/2.0mm

スポーク 後輪 ピラーTB2015 2.2/1.5/2.0mm

スポーク 後輪 ピラーTB2018 2.2/1.8/2.0mm

ニップル ダブルスクエア ブラス

見積もりを出しましたところダブルスクエアのニップルについて問い合わせがありました。ニップル重量が重いのではないかとご心配されました。

12mmニップルの場合、重量は10個で9.5gです。ダブルスクエアの場合10個で12.5gということで64個での差は約19gですので、前からも後ろからも調整出来る利点は大きいですとご説明しますと了承いただきました。

前輪はスポーク20本ですので一般にはラジアル組ですが2クロス組をご希望されました。乗り味を柔らかくしたいとのことでした。スポークが長くなりますのでショックアブソーバーの働きは大きくなります。

今回のホイールは前後ともに2クロス組です。後輪スポークは左右の太さを変えています。右ドライブ側には中央部が1.8mmのスポークにして剛性を上げています。もともとリムに剛性がありますのでお伺いしました体重、乗り方から考えまして剛性が足りないことはないと思います。しかしホイールの剛性に関しては好みがありますので最終的には乗ってみないと分かりません。

スポークはとても大切な働きをします。完成されたホイールをチューニングできる部分はハブとスポークです。ハブの場合はベアリングの取り換えなど考えられますが走る時速を考えますとなかなか目に見えての改善は望めないように思います。スポークの場合はっきり変化を感じることが出来る部分です。しかしスポークの交換などなかなかできるものではありません。特に完組の場合キシリウムホイールのように特別なハブに特別なスポークですので交換は難しいです。しかしRovalのように手組を謳っているメーカーの場合スポークは汎用品を使っていますのでチューニングアップにスポーク交換は可能です。考えて見られるのも良いかと思います。

前輪766g 左右2クロス組 乗り味は柔らかくなる
後輪1019g 左右2クロス組
センターオフセット値が小さいハブと3mmオフセットリムで左右テンション比率はとても良い

何度も馴染みだしを行いホイールは完成しました。お客様は経験豊かなライダーさんです。道場破りの客人を迎える気持ちですがとても良いホイールが出い上がりました。ご感想が楽しみです。

RR411リム多スポークホイールのご感想をいただきました

5月24日に記事にしていますDTのRR411リムを使用した多スポークホイールのご感想をいただきました。勿論手組ホイールファンの宣伝になるのですが手組ホイールを考えておられる方に参考になると思います。お客様にご了解を得ましたのでインプレ記事にさせて頂きます。

以下原文です。

希望通りのホイールを製作して頂き、ありがとうございました。

走行後の感想です。

まず走り出しの安定感や漕ぎ出しが軽くなりました。

以前のホイールと比べて重量が軽くなったせいもあると思いますが、オーダー時に教えて頂いた

スポークテンションによる影響が大きいのでしょうか、性能表を見るとほんとにバラつきの数値は小さいですね。

そして乗り心地も良くなりました。

もともとフレームはクロモリ(正確にはモリブデン鋼)ですので乗り心地としては硬めでしたが、

荒い舗装や減速帯の凹凸も角が取れたような感じになり、クロモリ本来のしなやかさに戻った感じです。

こちらもオーダー時に長距離で疲れにくいとホイールと伝えておりましたが、スポークの種類はお任せしていましたのでそこも最適な選択をして頂けた結果なのかと思っております。

までは平地130キロほどで後半の疲労感がありましたが、交換後はまだまだ行けそうな感じですので、今後の長距離が楽しみです。

とてもありがたいインプレをいただきました。

文内に性能表とありますのはテンションデータをグラフにしてお渡ししています。このグラフはテンションのバラつき度が分かりますのでホイールの状態がよく理解できます。

ホイールは早く走れるに越したことがありませんが、どれだけ長く安定した走りが出来るかが大切と思います。乗り手の好みに合わせてお作りするホイールは安心できます。

お勧めいたします。