46mm高28mm幅チューブレスカーボンホイールの作製

定番ホイールになっています46mm高28mm幅のリムを使ってご注文いただきました。今回のリムはグロッシータイプのつやアリリムです。柄がありますので今までの無地の定番ホイールとは少し印象が違います。

リム重量 427g グロッシータイプ
穴なしリム  穴はバルブ穴のみです

リムは穴なしリムですのでチューブレス仕様となります。勿論クリンチャーホイールとして使っていただけます。

ハブは必要十分なTNIのREVOハブを使います。スポークはwing21の黒です。

wing21はサピムのCXRAYと比べて少し剛性が高いスポークです。CXRAYはホイールメーカーの宣伝文には最強スポークと書かれていることが多いのでCXRAYは最強スポークと信じている方が多いのも事実です。CXRAYは優秀スポークですが最強ではありません。もともと1.5mmの細いスポークを扁平にしていますので剛性は高くないスポークです。

ホイールの前後を最強のサピムCXRAYで作っていますという宣伝文句にのって買ったホイールが今一つ踏み込んでも伸びないと不満が出るのもCXRAYが剛性の低いスポークであるからです。

今回のwing21はCXRAYと比べて少し剛性が高いスポークです。このため24本では適正の時が多いのです。しかし32本の多スポークになりますと剛性がありすぎると感じることもあります。

ホイールの剛性はリムとスポークで決まります。ホイールはスポーク数と使うスポークを考えながら組み上げることが肝心です。

前輪708g
後輪823g
カッコイイホイールです これなら欲しいです

組み上がったホイールを写真でお客様にご確認いただきました。カッコイイホイールですねと連絡しました。気にいっていただいたようです。ホイールは組み上がっても2、3日時間をいただいています。スポーク調整には時間をあけて行うことが大切です。

いいホイールが出来上がりました。これなら欲しいです。

36穴ハブ24穴リムでピスト用前輪を作製

今ピストバイクを組んでおられる方よりこのようなメールをいただきました。

現在ロードピストバイクを作っております。手組フロントホイールを検討しておりまして手持ちのハブでお願いできないかと思いメールさせて頂きました。
手持ちのハブはスズエの36Hハブなのですが、24Hリムで組む事は可能でしょうか?リムはまだ未定です。

XR31T 24穴 485g

キンリン社のXR31T24穴リムを提案しましたらお客様も同じリムを考えておられました。31mm高24mm幅で非常に剛性が高いリムです。空力の援護も受けることが出来るおすすめのリムです。

スズエ PROMAX 36穴トラックハブ

ハブをお送りいただきました。リム、スポークは手組ホイールファンでご用意してお作りいたします。

今回のホイールは36穴ハブに24穴リムという変則組です。24穴ハブを使った場合左右フランジには穴が12開いています。使うハブは18穴です。

スポカルクで計算しています

細かい説明は省きますがスポーク長計算ソフトSPOCALKに2.17クロスで計算しますとスポーク長が出ます。スポーク長はソフトが計算してくれるので数値を入れるだけです。

得られた数値からスポークの伸びなどを考えてスポークの長さを決定します。慣れた人には簡単なことですが通常のホイール作りよりは難易度が高いかもしれません。

使用するスポークはサピムのRaceにしています。剛性が高くLaserほど取り扱いは難しくありません。ショックアブソーバーの働きもしてくれる優秀スポークです。ニップルはSquorxProで組んでいます。ニップルの後ろから力を加えることが出来ますのでとても扱いやすいです。勿論通常の12mmニップルで十分使えますが、締め増しには後ろから締めるほうが勝手いいと思います。

縦ブレを取ってから横ブレにかかります。緩めで縦横の振れを取り、もう一度締め増しして縦横の振れを取るという手順で何回かに分けてますとうまく仕上がります。ただ、振れが取れてもスポークテンションはそろっていません。テンションが揃うように最終仕上げを行うことが必要です。

36穴ハブ、24穴リム使用
2.17クロス組
18穴の内、6穴を飛ばして組んでいます
出来るだけスポークテンションを揃えています

文章で書きますと簡単な作業ですがこれが出来ない自転車屋さんが多いのも事実で結構難しいと思います。

リムテープを巻いて出来上がりです。うまく出来ました。

ミニベロホイールの作製

小径車のホイールを何度もご注文いただいていますお客様より後輪だけのご依頼です。

アレックスリム  274g
DTハブ 240  

ハブはDTの240ハブなのでスポーク長はDTのホームページより計算が出来ます。リムのERDを正確に測って入力するだけでスポーク長は得られます。DTハブは計測しなくてもいいので比較的楽にできます。念のため他の計算ソフトも使って確認していますがほぼ同じでした。少しの違いはおそらくスポークの伸び率に違いと思います。

スポーク長を出すポイントは正確なERDとハブ計測ですが、DTの場合はハブの計測は要りません。DTの計算ソフトにすでに入力されています。

451サイズのリムではスポーク長が短いのでサイズは特注となります。取り扱いが出来る販売店は限られると思います。

腐食防止 FIXを使っています
ストレイトプルハブは組み方は変更できません スポークを通してしまうと決まった穴位置でニップルを締めます

ストレイトプルハブの場合スポークを通してしまえばリムの穴位置を迷うことはありません。バルブ穴の隣の穴位置からスタートするのが基本です。スポークを取り付けていけば間違うことなくできます。DTハブの場合はすでにハブデータが発表されていますので仮組までは比較的簡単です。

ニップルを24個取り付けて仮組が終わりますとあとは締め付けていきます。通常のホイールと変わりません。

注意点はスポークがニップルと一緒に回りやすいことです。スポークをプライヤーのようなものでシッカリと固定してニップルを回します。

出来上がりました
出来るだけスポークテンションを揃えることが良いホイールの条件です

小さいホイールですがテンションメーター当てることが出来ますので各スポークの張りが均等になるように調整して仕上げます。一気に最終段階まで組み上げるのではなく、一度緩い状態で組み上げ、再度また同じ工程を繰り返すという方法が良いかと思います。しかし山頂は同じでもいろんな登り口があります。いろんなやり方がありますので自分に合った方法見つけたらいいでしょう。

フックレスカーボンリムでピストホイール作製

2年前にアルミリムでピストホイールをご注文いただきましたお客様よりご連絡いただきました。カーボンリムでピストホイールをご依頼いただきました。

36mm高 28mm幅 439g
穴ナシリム フックレス
ミケ スモールフランジ シングルスレッド 308g

リムは手組ホイールファンでは定番となっています36mm高28mm幅のリムを提案しました。穴ナシリムでフックレス、チューブレス仕様のピストホイールです。

前輪 3クロス組
前輪スポークテンショングラフ
後輪 シングルスレッドハブ使用 3クロス組
後輪スポークテンショングラフ

ハブはシングルスレッドのミケハブ、スポークは中央部が1.5mmのDTレボリューションで組んでいます。組み方は3クロス組です。

見た目は普通のカーボンホイールですが作製にはとても難易度が高いホイールです。このホイールを作れるビルダーさんは一人前だと思っています。

穴ナシリム フックレス リムテープは不要

穴ナシリムではニップルはマグネットねじを使って穴から引き出して組付けます。仮組が終わってスポークテンションを上げていきます。ニップルを締めていきますとスポークがニップルと一緒に回るのでスポークがねじれます。スポークのねじれを防ぎながらテンションを上げて行きます。ハイテンションになればなるほどニップルを回すのが難しくなるので細くて丸いスポークは扱いにくいわけです。これが扁平スポークならねじれ防止は専用道具があるので丸スポークほど難しくありません。

扁平スポークのねじれ防止に使います  今回のホイールは丸スポークです。この道具は使いません

馴染みだしは何度も行います。時間をあけることが大切です。スポークの張りを強めた後、休むことで少しスポークテンションは下がります。これを繰り返すことでテンションは変化しなくなります。変化しなくなったら完成です。

フランジ幅が広いので剛性が高い

ピストハブ、特にシングルスレッドハブは通常の多段ギアのハブよりもフランジ幅が広いので横剛性が高いホイールに仕上がります。お客様からはアルミホイールに続いてカーボンホイールのピストホイールをご注文いただきました。両ホイールの比較ができますのでご感想が楽しみです。

Surlyハブでピストホイールの作製

Surlyの32Hハブを使ってシングルスピード用のホイールをご依頼いただきました。

リム、スポークは手組ホイールファンでご用意いたします。

後輪 Surly ハブ32h TB2015 XR31T 32H
後輪 スポークTB2015 3クロス組 JIS
前輪 Surly ハブ 32H XR31T 32H 
前輪 Surly ハブ 32H 3クロス組 イタリアン

ホイールの詳細は次の通りです。

リム キンリンのXR31T 32H

ハブ Surly 32H 持ち込み

スポーク TB2015 2.2/1.5/2.0mm

ニップル SquorxPro シルバー ブラス

シマノハブ以外ほとんどのハブは実測しています。今回のSurly ハブも実測しました。

ホームページで発表されているデータは正確なものもありますが、当然いい加減なものもあります。失敗しないようにハブデータは実際に測ったほうがいいと思います。少しの手間です。

スポークの組み方は前後共に3クロスです。前輪は通常のイタリアン、後輪はJIS組で組みます。

使用スポークは1.5㎜と細いのでねじれ易いです。スポークをシッカリとプライヤなどで押さえて組むことが必要です。ねじれ防止用にパークツールでは専用の道具を販売しています。スポークを傷つけないようにするには良いかと思います。

ホイール作りに白帯、黒帯とクラス分けすることは変ですが、1.5mmのバテッドスポークをねじれなく使えたら黒帯ビルダーと思っています。

スポークテンションはピストの場合左右テンションが同じです。このためテンションは100~110kgfで仕上げています。

ギアが多段数の後輪の場合、左側は右ギア側の半分くらいのテンションになります。これはハブの構造上仕方ないことです。このため左が緩くならないように出来るだけ右側のテンションを上げて仕上げます。具体的には120~130kgfです。

テンションを上げすぎてもリムの強度が下がりますのでハイテンションがいいわけではありません。注意が必要です。

DTリムRR521,ティアグラハブでホイール作製

リム、ハブをお送りいただきスポークは手組ホイールファンで提案ということでお作りします。

部品の詳細は次の通りです。

リム DT RR521 

DT RR521 DB 532g

ハブ シマノ ティアグラハブ RS470セット

シマノ RS470ハブ 32H

スポーク 前輪 ブレーキ側 DTコンペティション黒(2.0/1.8/2.0mm)

     前輪 反ブレーキ側 DTレボリューション黒(2.0/1.5/2.0mm)

スポーク 後輪 ギア側 DTコンペティション黒(2.0/1.8/2.0mm)

     後輪 反ギア側 DTレボリューション黒(2.0/1.5/2.0mm)

ニップル 前後共にDT SquorxPro ブラス 黒

ニップルワッシャー DTリム付属のワッシャーを使用

組み方はシマノ方式で組みます。シマノホームページで組み方を図で解説しています。

シマノホームページより  前輪 逆イタリアン  後輪 JIS
リムに付属のアルミニップルSquorxPro

ニップルはリムの付属品としてDT SquorxPro アルミニップルがついていますが今回のホイールには使いません。別にブラスニップルを希望されていますので黒のSquorxProを使用します。

リムに付属のニップルワッシャー  今回はブラスニップルに使います

スポークはDT製品で組み上げています。軽量化にはバテッドスポークが有効です。剛性アップのために前輪ブレーキ側、後輪ギア側には中央部が1.8mmのコンペティションを使っています。

各スポークは出来るだけスポークの張りを揃えて組み上げています。こうすることで長く使っても振れが出にくい仕上がりとなります。スポークテンションが揃うことで前に進む駆動力が各スポークに均一に加わりますので効率よく力が伝わります。

前輪888g
前輪スポークテンショングラフ
後輪1085g
後輪スポークテンショングラフ

組み方の出来栄えは見た目では分かりません。きれいに振れ取りが出来ていれば全く分かりません。スポークテンションと振れ取りは別物です。ペダルを踏み込んだ時に違いがわかります。これがホイールを難しくしているところかもしれません。

馴染みだしを何度も行っています。振れが出にくいホイールに仕上がりました。お客様には喜んでいただけると思います。

DT RR521リムにティアグラハブの組み合わせ

カーボンホイールをご注文いただきましたお客様より連絡いただきました。今回はアルミホイールの作製依頼でした。リムはDTのRR521,ハブはシマノRS470ハブを使ってほしいと部品持ち込みです。スポークは手組ホイールファンで提案してほしいとのこと。

532g 重いと言えば重いリムですが剛性があるとも言えます 重いリムはよく走る
付属のアルミニップル 
付属のワッシャー リムベッドを強化します

送られてきましたリムを点検しました。DTのリムはニップル、リムワッシャーが付属します。どのリムを注文しましてもDTリムにはニップル、ワッシャーが付属しますので少し得した気分になります。

付属ニップルはアルミSquorxProニップルでした。お客様はブラスニップルをご希望されましたので今回はブラスでお作りします。

ワッシャーを使ってホイールを作ることはあまりありませんがリム穴部分を強化する意味では効果がありそうです。スポークをハイテンションで組み上げる場合リムベッドにかかる力は大きいのでワッシャーで補強することは有効と思います。

完組ホイールのリムです スポーク穴の周りを厚く残しています 他の部分は軽量化のために削っています 

完組ホイールでリム穴部分を強化するために穴部分を厚くしているリムを見かけますが考え方としてこの方法を取り入れた手法と言えます。しかし軽量化のためにリムを削ってスポーク穴部分を残しているこれらのリムはリムの強度が増しているのか疑問が残ります。

ワッシャーで強化する方法は有効と思います。リム本体を削って軽くしていませんので剛性は担保しています。ワッシャーで穴部分を強化していますのでこの方法はとても合理的と考えます。

ティアグラハブ 

ハブはシマノのティアグラハブを使用します。はっきり言いますとシマノのクラス分けでは下層のハブです。しかしハブ回転ではクラス分けは出来ません。わかっている人はこのハブを使います。上位グレードと同じカップアンドコーンの構造でベアリングも同じです。調整をしっかりすればDURAもSORAも同じと考えています。

機械ものの回転に松竹梅のクラス分けは出来ません。調整出来ているか、いないかの違いです。お客様はしっかりこの理屈をご理解されていますので実利重視でティアグラハブを選ばれました。お見事です。

スポークの選択ではほんのわずかですが空力の影響を受けるため丸スポーク、扁平スポークとクラス分けが存在します。レースにでて1秒の差で勝ち負けが決まるということでもない限りは大きな差はありません。しかし僅差が出ることは確かです。

扁平の高級スポークは一般の丸スポークと3倍くらいの価格差がありますので乗り方で選ばれるのが良いと思います。お客様は一般スポークを選ばれました。目的がはっきりされています。

急ぎませんと言っていただきましたのでゆっくり時間をかけてお作りしたいと思います。

ミニベロホイールのリピート注文

3回目のご注文になります。リムとハブをお送りいただきました。スポーク、ニップルは手組ホイールファンでご用意いたます。

アレックスリム R390 326g
ミニベロ用 ディスクハブ 101g
DT350 ストレートプルハブ リムブレーキ用

ホイールの組み立てはスポーク選択と長さを決めることがキーポイントになります。今回のミニベロではスポークはストレートプルのスポークを使います。とてもスポークが短いので手に入るスポークは限定されます。

一般には短いスポークは特注になりますので各メーカーにオーダー注文をしないといけません。これを受けてくれる商社は少ないのが現実です。こんなことから手配しやすいスポークは2㎜径のスポークとなります。今回はサピムのLeaderを使っています。

カット処理で長さ調整ができるスポークということでこの2㎜径のスポークは使いやすいスポークです。今回はシルバーのスポークをカットして準備しました。

ストレートプルのスポークで成功するには正確なハブ計測と正しいリムERDが必要です。スポーク寸法が間違いなければ比較的容易に仮組が出来ます。Jベントスポークで作るホイールより早く出来ると思います。しかしストレートプルのハブ計測ではスポークオフセットという数値が必要です。ハブは2クロス組が多いのですが3クロスのハブもあります。この点も注意が必要です。今回は前輪、後輪ともに2クロスでスポーク長を出しました。

今回のミニベロも作るにはハードルが高いホイールでした。

前輪587g
前輪スポークテンショングラフ  出来るだけ均一になるようにテンション調整を行います
後輪712g 
後輪スポークテンショングラフ  出来るだけ均一になるように調整を行います

ミニベロホイールのスポーク調整は難しいというのが印象です。ニップル回しで反応がシビアなため少しの回転ですぐに振れ具合が変わります。少しずつ回すのが良い方法です。700cのリムと基本は同じですが扱い方を小さくすることです。

出来るだけスポークのテンションが揃うように組み立て、出来るだけ振れが少なくなるように調整しました。スポークは大きなホイールと同じくらいのテンション調整で組み立てています。出来上がりホイールは喜んでいただけると思います。うまく出来るとまたご注文いただけます。何度もご注文いただけてありがたいです。

ミニベロホイール後輪のご依頼

一度お作りしていますリピートのお客様よりご依頼いただきました。

ハブ、リム持ち込みでのご注文です。

アレックスリム 323g
DT240 193g

リム アレックスリム DA22 24H

ハブ DT240 24H

スポーク サピムLeader ストレートプル 黒

ニップル SquorxPro 黒

どのホイールも部品の計測は正確でないといけませんがストレートプルの場合特に注意が必要です。DTのハブの場合ホームページで分かりますので作業は早いです。今回はホームページのデータを使っています。

リムのERDを測ってスポーク長計算ソフトに数値を入力しますとすぐに必要な長さが出ます。

念のため他のソフトでも計算しています。2種類のソフトで算出した数値はほぼ一致していますので決定としています。

今回のような小径車のホイールはスポークが短いのでバテッドスポークでは必要なスポークのサイズは販売していません。長さが特殊になりますので手に入りやすい2mm径のスポーク、DTならチャンピオン、サピムならLeaderをカットして使います。Jベントのスポークは手に入れやすいのですがストレートプルのスポークはなかなか難しいです。

前の記事に小径車は難しいと書いていますが今回も結構難しい作業でした。小径車も700Ⅽもスポーク調整では同じで、スポークテンションを出来るだけ均一にすることは変わりません。テンションが揃っていればリムのフレは出にくいということです。この調整はとても大切ですがスポークが短いとニップルを少し回しても直ぐに反応しますので難しいと思います。

後輪679g

小径車のホイールは名の通り小さいので簡単そうに見えますがシビアなテンション調整は難しいです。街乗り用のホイールと割り切ったら簡単です。振れ取りだけならすぐに出来るホイールですが40kmで走る小径車オーナー様もおられますのでいい加減な調整ではよく回るホイールは出来ません。

グランジのレンジャーリム650使用アルミホイール作製

3年前にお作りしましたホイールを分解してハブを取り出し新しいホイールを作るご注文です。

ホイールを分解してハブを取り出します リムはアラヤのリムです

新しいリムはグランジというブランドのレンジャーリム650を使います。

489g

ハブはアタリが出ていましてとてもよく回ります。シマノハブの良いところはこんな点かもしれません。手入れがしっかりしていますととても長持ちします。シールドベアリングは取り換えれば新しくなりますがカップアンドコーン式はグリスアップの手入れが必要です。慣れればどちらも簡単ですが、シマノの方が面倒という人もおられます。シマノの場合道具はコーンレンチだけですので手軽ですがシールドベアリングの場合は特殊な道具がいりますので厄介かもしれません。

FIXを使って腐食防止を行います

今回使用するスポークは中央部が1.5㎜の細いスポークを使います。後輪ギア側は1.8mmのスポークで剛性を上げています。スポークにはFIXという塗料を塗っています。腐食防止とニップルの回転予防に役立ちます。段ボールの片側をはがして波状にしてスポークを乗せると便利です。急ぐ場合はヒートガンで暖かい風を送り乾かします。通常は一日放っておくことにしています。

ニップルは後ろから締め増しが出来るDTのSquorxProニップルを使っています。後ろから専用のトルクスレンチで締めますので楽にできます。どのくらい回したかを確認しやすいのでとても使いやすいです。ダブルスクエアやこのSquorxProのように後ろから回せるニップルは少し高価になりますがお勧めいたします。

ホイールの組み方は王道の3クロス組です。

銀輪リムにシルバースポーク、ハブもシルバーで組みますと存在感がたっぷりのホイールに仕上がります。出来るだけスポークの張りを均一にして、振れを最小になるようにします。テンションメーターは必須の道具です。データを取るのは時間が掛かりますが急がば回れで意外と早くで出来上がります。メーターがない場合振れ取りはできますが各スポークテンションが揃わないので駆動効率が悪く、振れも出やすいホイールに仕上がります。

前輪826g
前輪スポークテンショングラフ
後輪 1058g
後輪スポークテンショングラフ

出来上がりのホイールです。美しいホイールに仕上がりました。喜んでいただけると思います。