XR31T/RT前後28Hリムで多スポークホイール作製

今まで軽さこそ正義と思っていましたが、こちらのブログを読むようになり多スポークと体重に即した太さのスポークを選ぶことで乗り心地が良くて疲れにくいホイールになるという記事を読み興味を持ちました。またスポークテンションのばらつきを極小化したホイールとはどのようなものなのかにも興味を持ちました。

このようなご連絡をいただきました。お客様はご自分でもホイールを組める方です。いろいろとご質問いただき、それにお答えするということを繰り返しました。結果的には次の仕様でご注文いただきました。

リム キンリンXR31T/RT 前後ともに28H

ハブ シマノ ティアグラ HB-RS400 FH-RS400 ともに28H

スポーク 前輪 ピラーTB2015 2.2/1.5/2.0mm 中央部が1.5mmの細いスポークです

スポーク 後輪左 ピラーTB2015 2.2/1.5/2.0mm

               後輪右 ピラーTB2018 2.2/1.8/2.0mm 中央部が1.8mmで少し太くなります

ニップル ピラー DSN 

細いスポークを使って本数を増やすことで剛性を得ながら乗り心地の良いホイールを作ります。多スポークホイールの良さを試していただくことに至りました。

多スポークホイールは疲れにくい
左右のスポーク長が同じなので前輪の調整は比較的し易い
できるだけテンションを均一になるように調整します

スポークテンションを出来るだけ均一に組んだホイールは狂いが出にくいホイールです。2年3年乗っていただくと多少は振れが出るかもしれませんがスポーク数本の手直しで済むホイールに仕上がります。結局時間をかけて丁寧に組むことで得るものも大きいということです。急がば回れです。

36mm高チューブレスカーボンホイールの作製

ブログにご連絡いただきました。

ロードバイク用のカーボンホイールをこちらでお願いしたいと思っているのですが、どういった事をお伝えすればよろしいでしょうか?

このご連絡の通りです。顔を合わせての商談でありませんのでどういう方法で進めるのかわかりません。メールのやりとりだけで商談しますのでご心配は当然と思います。

こちらから体重と普段乗っておられる地域の様子や乗り方を伺いましてホイールを提案しました。メールでのやり取りはご面倒ですが何回か行います。お客様の疑問点にお答えしながらホイールの提案を行っています。

3種類のお見積りをしました。お客様はその中から選ばれたホイールが次のホイールです。

リム 36mm高28mm幅リムブレーキ 前輪20h後輪24h

   前輪のリム面はオプションで強化リムにしています

ハブ ノバテック 

スポーク ピラーwing21 黒

ニップル DSN

穴なしリム バルブ穴だけ1つ開いています

リムは穴なしリムです。チューブレスでも、クリンチャーでも使えます。リムテープがいらないのでメンテが楽です。チューブレスで使うときはシーラントが必要ですが、シーラントなしでも3,4時間乗れますのでシーラントなしで使うという方法をお客様より教えていただきました。パンクの時はチューブを入れる、これは簡単です。私はシーラントを入れていますがこの方法もアリだなと思います。

穴なしリムでのホイール作製はニップルに特殊な磁石ネジを取り付けて一つだけあいているバルブ穴に入れてニップルを磁石で取り出していく方法を取っています。面倒ですがこの方法がベストと思います。

ニップルをスポークに取り付けるのに失敗するとニップルはコロンとリムの中に転がります。失敗しましたニップルはあとで取り出すのですがリムを振り続けて取り出します。

調子のいいときは失敗なしで出来るのですが大概は1個か2個は失敗します。そのまま作業を続け仮組が終わった時点で失敗のニップルを取り出します。リムを振り続けてポロンと出てくるまで振ります。仮組までが大変ですがこれが終わると普通のホイールと同じです。

前輪644g
後輪823g
オプションでブレーキ面の強化ができます ZIPPのリムにもつかわれている方法です

組みあがりましたホイールですが、前輪644g後輪823g合計1467gです。

剛性が高いカーボンリムは駆動効率がいいです。理由はリムが体重で凹まないからです。リム高が高いほど凹みが少ないのですが重量も増えます。風の影響も受けやすいので50mmくらいまでが一般的です。今回のリムはどちらかといえば低いほうですが風の影響が受けにくく重量も軽いのでお勧めリムです。

お客様はクロモリフレームに取り付けられる予定です。クロモリフレームにカーボンホイールは独特の雰囲気があります。クロモリのしなりが剛性高いホイールを受け止めてくれますので疲れにくい乗り味を楽しめます。

クロスバイク用にフックレスカーボンホイールのご注文

スペシャライズドのクロスバイク( Sirrus) 用としてカーボンホイールのご注文をいただきました。

前々から私も乗っているクロスバイクのホイールをカーボンホイールに取り換えることを考えていました。やはり同じように考えておられる方がおられました。お客様のホイールはQR仕様のディスクホイールです。

ホイールのご希望は次の通りです。

36mm高のフックレスタイプ

ハブは前輪100mmQR 後輪135mmQR センターロックをご希望です。

スポークはお任せいただきました。

当初ノバテックハブを提案していましたがうまく入手できずバイテックスになりました。

BX106F 100mmQR センターロック

BX106R 135mmQR センターロック

ノバテック、バイテックスともに台湾の量産ハブメーカーです。どちらも優劣なくとてもいいハブメーカーです。ブティックブランドのハブメーカーにはない値ごろ感で性能はとてもいいです。

クロスバイクはとても乗りやすく、よく考えられた自転車と思います。このクロスバイクのホイールが上級ホイールに変われば走りは確実に変わります。チェーンコンポーネントが変わるのとホイールが変わるのでは違いは明白です。

前輪691g
後輪824g

私もクロスバイクのホイールをカーボンホイールに交換すればいいと考えていましたが今回は先を越された感があります。通常は自転車よりも高価なホイールを取り付けることなどなかなか思いつきませんが、お客様はとても良いところに気が付かれています。クロスバイクにカーボンホイールを取り付ける狙いはロード化ではなく、気持ちよく乗れるように自転車としての性能の底上げを考えていると仰っています。このホイールで間違いなくご希望は達成されると思います。

ナローリムでホイール作製

ワイドリムが主流となりつつありますが使われているフレームがサイズ的に適してなく、しかた無しにナローリムのホイールを使っておられる方もおられます。

お客様もそのおひとりでナローリムの部品を集めておられました。ご自分でホイールを作られる予定のようでしたが当ブログをお読みになってご連絡いただきました。

ホイールを自分で作るのは本当に楽しい時間です。いろいろな作業があり自転車を組むよりややこしいところもあります。実際に組んでみますと難しく、それなりに実用になるまでには50本くらい組まないとうまくいきません。これも楽しい時間ですがそんな時間を費やすなら乗ったほうが楽しいと思います。私は作るほうがてとても楽しかったのでホイール作りにのめり込みましたがまあそんな人は少ないと思います。

それなりに使えるホイールはできますが十分パフォーマンスを上げるにはいろいろと工夫が必要です。お客様はうまく近道を見つけられました。手組ホイールファンにお任せいただいたわけです。宣伝文になりましたが実際その通りと思います。餅は餅屋にです。

リム重量450g 30mm高ながら軽量です

TNIのAL300リムとノバテックのハブをお送りいただきました。持っておられるフレームに合うようによく研究されています。

AL300は重量450gの軽量リムです。30mmのリム高がありますので空力の援護射撃も得られます。シマノのアルミリムは530gほどありますのでこれだけでも大きい差です。

前輪59g
後輪229g

ハブは台湾のノバテックハブです。量産ハブでブティックブランドのハブと比べますと価格は1/3くらいの価格です。では性能は1/3なのかといいますとそんなことはありません。沢山作られているので量産効果があるわけです。微妙な差はあるかもしれませんがこの差を感じ取る人は少ないと思います。つまり必要十分なハブというわけです。

スポークの選択では私の方から2案出しました。お客様はDTのコンペティション黒を選択されました。中央部が1.8mmのバテッドスポークです。王道の選択です。鉄は叩けば強くなります。2mmの針金を叩いて1.8mmにしていますので軽量化と強度は上がります。

ニップルはブラスを選択しています。アルミニップルと比べて3倍重いのですがやはり腐食、割れを考えまして丈夫なほうを提案しています。

スポーク数は前輪24h後輪28hです。一般に販売されている20・24hホイールより8本多いのですがこれはよい選択と思います。下りコーナーでの安定感を感じていただけるでしょう。50gほど増えるのですが得るものも多いのです。軽量化だけがいいというわけではありません。

前輪694g
出来るだけスポークテンションの均一化を行っています
後輪889g
出来るだけスポークテンションの均一化を行っています

組みあがりました。前輪694g後輪889g前後で1583gです。

今使っておられるホイールと比べて400g軽いといっておられます。自動車のばね下理論ではないですが400gの軽量化は効くと思います。

チューブラーカーボンホイールのご注文の続き

リムがメーカーより届きました。約一ヶ月かかります。細々とホイールを作っています。カーボンリムは高価なので沢山在庫していません。注文発注の場合が多いです。

345g軽量です
ニップル穴がないチューブラーリム

チューブラーリムなのでタイヤを貼り付けます。このため通常穴アリリムでいいと考えられますが、自己満足かもわかりませんが穴なしリムを発注しています。リムベッドにはニップル穴はありません。チューブレスリムと同じ仕様で注文しています。

理由はリムの強化です。穴があるのとないのではないほうが強度は高いと考えています。微妙な差で感じ取れない差と考えられますが剛性は高いほうがいいのでこのような発注を行っています。

ニップル穴はホイール前後で56個です。穴なしリムなので結構な数と思います。組み立てには予定時間のほぼ半分が仮組にかかります。仮組が終われば通常の組み立てです。ニップルの回転がし易いように一個ずつグリスを塗っています。このひと手間も大切と考えます。

スポークは前後ともにサピムのLaserを使います。中央部が1.5㎜の細いスポークです。細いスポークはショックアブソーバーの働きをします。Laserは高級スポークのCX-RAYの元になるスポークです。空力ではCX-RAYより少し劣りますが強度、しなやかさなどほぼCX-RAYと同じです。価格は1/3の値段です。レースに出るなら少しでも空力がいいほうをお勧めしますが一般的な乗り方ならLaserもよい選択です。

丸スポークなので取り扱いは一番難しいと思います。理由はねじれです。ねじれやすいスポークなのでサピムのホームページでもOnly experienced wheel builders should mount up wheels with this spokeと書かれています。

難しいスポークですが安価で利点の多いスポークです。挑戦されたら良いかと思います。

10月4日の記事には詳しく使った部品を書いていますがお客様はシマノの下位グレードハブを指定されています。ソラシリーズの10速ハブです。11速ハブと比べましてギア1枚少ないのですがハブセンターオフセット値はギア1枚分少ないのでスポークテンション比率は安価なソラハブのほうがいいのです。何事もトレードオフの関係です。見た目は飾り気のない無骨で安価なハブですがギアの数を気にしなければ駆動効率が劣るとはいえません。正しく理由を知れば値段ではありません。安価でもいいものはいい。

このハブは残念ながら少スポークハブではありません。しかしスポークが28あるということは安定感が増すということです。まさに有段者のハブ選択と感じています。

前輪658g
後輪885g

スポークテンションの均一化と振れの最小化に注意して組み上げました。

前輪658g、後輪885g 前後1543gです。高価なハブ、スポークを使わなくてもいいホイールが出来るという見本と思っています。

シクロレース用カーボンチューブラーホイールのご依頼

ブログにご連絡が入りました。シクロレースにご使用ということでカーボンチューブラーホイール提案のご依頼をいただきました。

お客様のご注文は、ハブを前輪100mm、後輪135mmの6ボルトQR仕様ということでした。

MTBでは普通の仕様ですがロードでは珍しいご注文です。部品不足のいま、特殊なハブはなかなか手に入りません。量産ハブですが割と手に入れやすく価格もこなれていて高品質のノバテックハブを提案しました。

ノバテックハブ 100mm幅 QR 6ボルト
ノバテックハブ 24穴 135mmQR 6ボルト

今までレースに出られている方々の経験を伺いましたところ、シクロレースでは瞬発力が重要視されます。このため通常のホイールよりも高剛性のホイールを求められます。

ホイールの剛性を高めるには太いスポークを使うのですが、太すぎるとカーボンリムを傷めます。一般にはスポークをCX-RAYなど細いスポークで組み上げますがシクロ用ということでリムを傷めないギリギリまで剛性を上げます。DTのコンペティションを使うことにしました。

38mm高20.5mm幅 TNI チューブラーリム 378g 軽量です

リムはチューブラーです。TNIのリムが手に入りやすくリム幅がちょうどよいので了解いただきました。

ERDを確認しています カタログ値と違いがなかったです

ニップルはリムがインターナルニップルを使うリムですのでサピムのブラスニップルを使います。

リムブレーキのリムですがディスク用に使っても違和感はありません

TNIのチューブラーカーボンリムはリムブレーキ用です。このリムをディスク用として使うのですが全く違和感がありません。以前にも記事に書いたのですがリムブレーキ用のカーボンリムはディスクホイールにも使えて便利と思います。リムブレーキで乗っておられる方は前輪24後輪24,28で注文しておかれたら将来ディスクに替えられてもリムはそのまま使えます。これはなかなかいいアイデアと思いました。前輪24穴は下りコーナーで安定感を得ます。おススメです。

一般的には前輪は16,18,20穴ですが24穴で作れば後々使えるということです。リムブレーキでブレーキ面がすり減っても捨てることなくディスクで使える。いいアイデアと思うのですがいかがでしょうか?貧乏くさい話とおしかり受けそうですがSDGsの世の中ですので長く使うのは良いことと思います。

組み上げたホイールは写真の通りです。なかなか存在感がありとても軽量です。外周部が378gです。踏み込んで一気にホイールは回ります。瞬時の加速を得ること間違いないです。

前輪712g
後輪829g

ホイール重量は前輪712g後輪829gでした。総重量1541g、軽量に仕上がりました。出だしから力を100%爆発させるシクロレースにはぴったりのホイールと思います。お客様からのご意見が楽しみです。

24mm幅アルミワイドリム・ミケハブ使用ホイールの作製

ブログにご連絡いただきました。

体重を考えてポーク数を提案しますとこのブログに書いていますのでご希望ホイールと体重をお知らせいただきました。お客様はクロモリフレームで乗られています。本来なら銀輪ホイールをご希望でしたが残念ながらシルバーのリム、ハブが手配できないことをお知らせいたしました。

最終的に以下の仕様でお作りすることになりなした。

リム キンリンXR22T/RT 前輪24h後輪28h

ハブ イタリア ミケ社ハブ 24.28h

スポーク 前輪 ピラーTB2015 2.2/1.5/2.0mm

     後輪左 ピラーTB2015 2.2/1.5/2.0mm

     後輪右 ピラーTB2018 2.2/1.8/2.0mm

ニップル ピラーDSN シルバー

リム2本で856gハブ430g 合計1286g

ミケハブの重量は台湾の軽量ハブと比べまして約100g重たく、シマノハブと比べてほぼ100g軽いハブです。ミケハブはベアリングのサイズの大きいことが一番の利点です。ベアリングが大きいと丈夫です。ベアリングを収めるハブシェルが太くなりますのでハブ自体の剛性が高くなります。剛性が高いハブは駆動ロスが少ないと考えます。軽さを取るか丈夫さを取るかですがどちらも利点がありますのでお決めになるのはお客様です。今回はミケハブでご理解いただきました。

スポークですがこの1.5mmスポークは扁平状態にしますとCX-RAYやエアロライトになりますのでスポークの形は違いますが面積的にはほぼ同じと考えています。

丸と扁平の違いですが、空気抵抗や強度では少し違います。しかし価格が3倍違いますのでこの違いは大きいです。レースに出る方は僅かでも空力を優先されますのでCX-RAYを選ぶことが多いのは事実です。どちらを取るかは考え方次第です。今回は提案スポークでお作りすることになりました。

細いスポークはねじれ易いので取り扱いが難しいです。ただ、うまく使うと非常に乗り心地がいいホイールが出来上がります。

安価な完組ホイールは走らないホイールではなく、スポークが太いので乗り心地が硬いホイールとご理解いただいた方が良いかと思います。

シマノの安価なホイールは乗り手の体重を広範囲でカバーする必要がありますの2㎜の丸スポークで作っています。このため小スポークながら剛性がありとてもよく走ります。しかし乗り味が硬いのでビギナーの方には疲れやすいホイールかもしれません。走らないホイールではなくロングライドに向かないホイールといえます。

前輪709g
後輪917g

さて、前後1626gで出来上がりましたホイールはスポークテンションを出来るだけ揃えています。テンションの均一化が大切と考えています。時間をあけて何度も馴染みだしを行うことで狂いの出にくいホイールに仕上がります。

細いスポークで作りましたホイールは疲れにくいホイールです。お客様からのインプレが楽しみです。

チューブラーカーボンホイールのご注文

このブログにご連絡いただきました。

カーボンチューブラーホイールを作りたいのですが。 現在アルミのチューブラーホイールを使っています、休日健康のため に乗り、9速と10速で使います。ハブはRS300で良いかと思います。

上記の内容でした。

提案しましたホイールは次のような内容です。

あいにく在庫リムはクリンチャーリムなのでチューブラーカーボンリムは発注となりました

リム 35mm高25mm幅カーボンチューブラーリム 28H

ハブ シマノ ソラハブ 前輪HB-RS300 28H  後輪FH-RS300 28H

スポーク サピム Laser 2.0/1.5/2.0mm

ニップル ピラーDSN シルバー

リムの在庫はなく発注になりました。入荷まで約一月掛かります。ハブとスポークはもう揃っていますのであとはリムを待つだけです。

お客様はホイールをよくご存知のようです。

ハブは9.10速で乗られる予定で、シマノのソラシリーズで良いと考えておられます。シマノハブは重いハブですがメンテナンスを定期的に行えば30年は十分使えるハブです。軽さは正義と世間では軽いハブを求める方が多い中ですが、ソラハブを使えば自分の求める十分な性能を得られるというお考えです。

スポーク長を計算しますとテンション比率もわかります。

wheelproの計算ソフトでの結果です。

黄色のマーカーで分かりますが左右のテンション比率が良好です 

実際、ハブのセンターオフセット値を考えますと11速ハブより左右のスポークテンション比は10%ほど高く、ギアが1枚少ないがテンション比はこちらの方がよいということです。おまけに価格は非常に安価で台湾の軽量ハブの1/3の価格です。

スポークは高級スポークCX-RAYが作られる元となるスポークLaserを、もしくは同等品を提案しましたらそれでよいというお返事でした。

CX-RAYはとても優秀スポークですが価格はLaserの3倍です。お客様はご自分の必要なものは何かをよくご存じのようです。下位グレードといえどもLaserという優れたスポークを使うことで価格も抑えることが出来ます。

安価で、高性能で、乗り心地の良い軽量カーボンホイールは出来ます。リムが届くのが一ヶ月後ですのでまたご報告いたします。楽しみです。

ミケハブ、キンリンリム使用ホイールのインプレ

表題のとおりです。ホイールの印象をお送りいただきました。

私は自分で組んだホイールばかり乗っていますので感覚に慣れきっています。微妙な違いなどわかりません。お客様はずっと違うホイールに乗っておられたので微妙な差は感じ取れます。勿論長い経験のある人でないとなかなか違いの表現が出来ないことは確かです。

キンリンはいろんなメーカーに納めている台湾のビッグメーカーですのでいわばどこでも見受けるリムですが作り方で印象が変わります。このようなところがホイールの面白いところです。組み方、作り方で出来不出来がはっきりわかるのがホイールです。

ご感想をいただきますと厚かましいのですがホイールの宣伝になってしまいます。しかし宣伝という見方を差し引いてもホイール選び、ホイール作りには参考になると思います。

XR22T 20H ミケハブ使用
XR22RT 24H ミケハブ使用

組んで頂いたホイールを早速使用してみましたので拙い文章ではありますが感想を送らせていただきます。

新しいホイールに合わせてアジリストの28Cも用意していましたが比較のため元から使用していたウルトラスポーツ3の25Cで試してみました。

まず漕ぎ出しが非常に楽になりました。リムの軽さもありますがそれ以上に駆動効率が良く前のホイールにあった踏んでから少し溜めるような感触が無くなりペダリングにダイレクトについてくる感じです。

巡航速度はリムハイトが前とほぼ同じなので変わらないかと思いましたが1~2㎞/hほど上がり速度の維持も楽になっています。

ハブはフリーボディの歯数が16から30に増えバックラッシュが減ったので休んでから漕ぎ直す際の衝撃が少なくなりました。

ホイール自体の感想ではないのですがタイヤを交換後 ホイールのバランス調整を行った所、低速でも縦の振動が無くなりスムーズに転がるのがはっきりと分かり驚きました。

今回のホイールは軽量で反応が良くとても気に入りましたが、空気抵抗が少ないリムハイトが高いホイールも興味があるのでまた機会がありましたらお願いさせて頂きたいと思います。

以上ありがたいご感想をいただきました。

手組ホイールは既製品のホイールとは違いますので価格的にはけっして格安ホイールではありません。勿論格安に作れるホイールもあります。一番のメリットは乗り手にあわせたホイールが出来ることです。体重と乗り方に合わせて考えますので次へのステップになると考えます。値段だけを考えるのでしたらシマノのアルミホイールをお勧めします。

キンリンリム、ミケハブ使用アルミホイール作製

お客様よりこのブログにご連絡いただきました。キンリンの22mm高リムを使ってプランを立てておられました。当初はノバテックのストレイトプルハブの予定でした。しかしミケハブにも興味持っておられました。

打ち合わせ後、次の仕様に決まりました。ミケハブを使います。

リム XR22T/RT 22mm高24mm幅リム 前輪20H後輪24H

ハブ ミケプリマート 20・24h 黒

スポーク 前輪 サピムLaser 2.0/1.5/2.0mm 黒

     後輪 左サピムLaser 2.0/1.5/2.0mm 黒

        右サピムRace 2.0・1.8・2.0mm 黒

ニップル  ピラーDSN 黒

ベアリングが大きいので重量も増えます 大きいベアリングは丈夫です

ミケのハブはお勧めのハブです。理由はベアリングの大きさです。6001規格のベアリングを使われています。大きいベアリングは重量が増えますが回転に安定感があり丈夫です。ハブ重量はノバテックなどの台湾ハブと比べて100gほど増えますがシマノハブより約100g軽いです。ホイール中心部の重量なので回転には影響ありませんが軽さは正義と考えられる方には向いていないかもしれません。使ってみればわかるのですがあまり国内では使ったというブログ記事は見受けません。しかし使えば良さがよくわかります。

リムは台湾のキンリン製です。軽量ながら剛性が高く優秀なリムです。価格も手ごろでお勧めです。3mmオフセットリムも用意されていますので後輪に使用します。オフセットリムを使いますと左右のスポークテンション差を少なくできますので駆動ロスを減らすことが出来ます。

スポークは前輪がLaser、後輪ドライブ側に少し太いRaceで剛性を上げています。左はLaserを使います。Laserスポークは取り扱いが難しいスポークです。このスポークを扁平にしたのがCX-RAYといわれています。強度があり弾性に富んで優秀なスポークです。しかしとても細いスポークなのでねじれ易いのが難点です。ニップルを回すときにねじれないようにしながらテンションを上げることが大切です。

ホイール作りの基本的なことですがスポークのねじれを防ぎながらホイールを仕上げました。前輪は左右同じテンションなので100~110kgfで仕上げます。後輪はギアの枚数が11枚ありますので左テンションが低くなります。オフセットリムを使いますと左テンションを通常リムより10%ほど上回って仕上げることが出来ます。しかし後輪には左右のテンション差がありますので右ドライブ側を120~130kgfの上げることで左テンションの低さをカバーします。いずれにしましてもオフセットリムは左テンションの改善には大いに役立ちます。

ホイールの仕上げにはスポークのテンションを出来るだけ揃えること、振れは最小になるようにすることで駆動ロスを防ぎます。

手組ホイールの良さはプランを立てて自分の乗り方にあわせてホイールを作り上げることが出来ます。このため値段的にはいつも格安というわけにはいきません。格安値段で楽しむのならシマノのアルミホイールが良いかと思います。しかし万人にあわせて作られた既成ホイールと乗り人の好みや乗り方にあわせたオーダーメイドは違います。

前輪714g
後輪890g

お客様はこの点をよく理解しておられます。今お持ちのホイールより軽いホイールが出来たと喜んでいただきました。