フルクラムRacing600を分解して新しいホイールの作製

使わずに置いてあったフルクラムのRacing600を組み替えて新しくシクロレース用で使いたいとご連絡いただきました。

お預かりしました後輪 きれいなホイールです
お預かり時点のスポークテンショングラフ  テンションのバラつきが大きいのは仕方ないです

お客様のプランでは新規のリムはTNIのAL22Wです。リム幅が広くなり軽量化を図れます。リム剛性も高いリムです。シルバースポークを希望されました。

お預かり時点の前輪  右側スポークはラジアル組ではなくクロス組です
お預かり時点の前輪スポークテンショングラフです  テンションのバラつきが大きいのは仕方ないです
お預かり時点の後輪  反ギア側スポークはヘッドインです。内側からスポークを通しています

ホイールは16:8の2:1組で作られています。前輪はブレーキ側16本3クロス組、反対側は8本1クロス組です。後輪はギア側16本3クロス組、反ギア側はラジアル組ヘッドインで組まれています。ヘッドインで組む理由は左右のスポーク間隔を広く組むことで横剛性を高めています。

2:1組のハブは手に入れるのが難しいです。 良いハブです。このホイールは中古では安価に出ている
前輪ハブ144g 2:1組ハブは手に入れにくいので安価に出ているホイールを見つけるのもいいと思います。

ホイールから取り出したハブを点検しました。とても良く出来ています。なかなか2:1組のハブは手に入りません。中古市場ではこのホイールは比較的安価で出ていますので出物があれば手に入れるのも良いかと思います。いいハブです。

お客様にもお知らせしましたが、カーボンリムでこの2:1組ハブを使う場合、通常の市販リムでは穴の角度が1:1組とは違いますので購入には注意が必要です。今回のアルミリムでは穴位置がオフセットなしであけられていますので普通に使えます。

組み上げましたホイールは前輪スポークには中央部が1.5mmのバテッドスポークを使っています。後輪には中央部が1.8mmのバテッドスポークで剛性を上げています。

もとのホイールでは前輪が左右1.8mmのバテッドスポーク、後輪左に2mm、後輪右に1.8mmのバテッドスポークが使われていましたのでお客様の体重から考えまして前輪スポークを細くしています。

中央部が1.5mmのスポークは軽量化には非常に有効です。最強スポークと言われていますCXRAYは1.5mm径のスポークを扁平にしたスポークですのでいわば兄弟スポークです。丸スポークではねじれを防ぎながらのテンション調整ですので扱いは難しいスポークです。性能差では空力が1Wほど勝るCXRAYですが価格は丸スポークの3倍しますので今回は丸スポークで提案しています。

TNIのAL22W 24H TB2015スポーク使用 1.5mmのスポークは軽量化に使えます
前輪スポークテンショングラフです  左右のテンション差がなく2:1組の理論が生きています
後輪16:8 857g 中央部1.8mmのバテッドスポークを使用  反ギア側はヘッドインにしています
ギア側ハブフランジが70mmと大きいのでスポークが平行に張られています このデザインが素敵です
スポークテンションを均一になるようにしています 左右のテンション差も少ない  いいハブです

出来上がりました。2:1組の特徴がよく出ました。左右のスポークテンション差はほとんどなく出来上がりました。ご感想が楽しみです。

チェコスロバキアのトラックハブでホイール作製

競輪場のスプリント系競技の練習用としてホイール作製のご依頼がありました。

ハブは持ち込みです。

前輪ハブ 195g 24H
後輪ハブ 両切り 227g 24H

たたき台の提案ですがすぐに受け入れていただきました。

リム TNI AL31W 

ハブ RAKETA RAW HUB 前後共に24H

スポーク 前輪 ウィング21 シルバー 

スポーク 後輪 コンペティション シルバー

ニップル SquorxProブラス

前輪はラジアル組、後輪は2クロスのJIS組で作製します。

ピスト愛好の方にはこのRAKETAブランドがよく知られているようです。シマノハブでは24Hは作られていません。36穴か32穴のハブしか選択肢がないのが残念です。RAKETAのRAWハブはハブシェルが太くて剛性が高いと感じます。数値的な比較情報は持ち合わせありませんが見た目からでも丈夫な印象です。

リムはTNIのAL31Wです。剛性が高い優秀リムです。とてもいい選択と思います。

スポークは前輪にピラーのWING21で作ります。丸スポークと翼型のスポークを比較しますと強度は変わりませんが空力では翼型が勝ります。僅かとはいえ競技用なら空力が勝る方を選択されるのは良いと思います。

スポークの張りは100~120kgfです。この値は経験からでた数値でこれでないといけないという訳ではありません。好みの張り具合があるのですが先ずはビルダーからの提案で作らせていただきます。

前輪 848g
後輪912g 
後輪はJIS組みです

出来上がりホイールはシルバーハブ、スポークでなかなかいい感じです。最近のホイールは黒いホイールが多いのでシルバーで仕上げますと新鮮です。お客様のご感想が楽しみです。

BoraOneのハブを使ってG3ホイールの作製

お客様よりご連絡いただきました。

カンパのbora one 35(ディスク)を所有しております。 所有しているboraのリム内幅は17mmですが23mmワイドリムにしてみたく、ハブは現物の物を流用。リム(カーボン製)とスポークは新規で手配して頂き、組む事は可能でしょうか?

前輪45mm高、後輪55mm高でG3用のリムを特注することになりました。リムメーカーにはハブの計測や図面の確認などメーカーとのやりとりを行いました。新規の図面を起こしてもらいG3リムの別注を行いますので通常より時間が掛かります。

BoraOneから取り出した後輪ハブ

届きましたリムは期待通りのリムでした。BoraOneから取り出したハブを使って組み立てます。スポーク長はハブの正確な計測から始まります。ストレイトプルスポークを使うハブではスポークオフセットがあるハブが多いので注意が必要です。

前輪 45mm高 727g 穴なしリム使用
前輪 45mm高 8:16 穴なしリム使用

スポークはギア側にサピムのRace、反ギア側にwing21を使っています。リムは穴ナシリムで注文していますのでリムの穴はバルブ穴だけです。リムテープがいらないリムです。穴がないので通常の穴有リムよりは強度が高いのは間違いありません。

後輪 879g
後輪 55mm高 8:16 穴ナシリム使用

出来上がりましたホイールの費用は高級ホイールの約1/3ですのでお客様には喜んでいただいたようです。BoraOneをもう1セットをお持ちなので追加でご注文いただきました。

46mm高ホイールを使って3位入賞されました

10月4日の記事で「前輪が乗り味に影響する」と書いています。

Hopeハブを使いました46m高のホイールを使われたお客様がレース3位入賞を果たされたことご連絡いただきました。10月19日のレース後、直ぐにお知らせいただきました。

28mm幅46mm高リムブレーキ用 前輪カーボンホイール  Hopeハブ使用18H
HopeハブRS4 18H ウィング21 ラジアル組

先日は46mmホイールの作成ありがとうございます。本日、神奈川県で開催した『川崎マリンエンデューロ』レースにて、年代別(40代)で3位入賞することができました。ありがとうございます。
今回のホイールでのレース参加初回での入賞です。最終周回まで脚を残す事が出来ました。

この結果は日頃のトレーニングの賜物です。お手伝いできましたこと喜んでいます。厚かましくブログ記事に使わせていただきました。おめでとうございます。

BoraOne ホイールの分解

BoraOneのハブを使って特注の幅広リムでホイールを作るご注文をいただきました。リムは特注しますので穴位置の連絡をして特別にオーダーします。リムメーカーは特注リムを受付してくれましたが時間は通常よりも時間が掛かります。

特注リムの受けてくれたことをお客様に連絡しまた。事前にBoraを送ってこられたので今回はこのBora分解の話をしたいと思います。

BoraOne ディスク用 前輪675g
BoraOne ディスク用 後輪803g
お預かり時点の後輪スポークテンショングラフ  少しバラつきがあるのは仕方ないことです

お預かりのBoraはとても良く出来た製品です。さすがに高価なホイールだけあってスポークはよく調整してありました。カンパの製品はいつも感心するのですがすべてオリジナルの部品を使っています。

ホイールはリム、ハブ、スポーク、ニップル、4つの部品を組み合わせて作りますがすべてオリジナル規格の部品です。今更すごいなと感心するのも変ですが真似できないようにしているところがすごいです。

ホイールの構造は16:8の組み方ですので同じ構造のホイールは作ることが出来ます。手組ホイールファンの16:8組ホイールとBoraならどちらがよく走るか?を考えますと一般にはBoraを選ばれます。今回このBoraをばらしてオリジナルのホイールを作ってほしいとご依頼いただきましたことは本当に感謝です。おまけにいろいろ勉強出来るチャンスを与えていただきました。

後輪ハブ 245g 8:16
35mm高 リム 396g
左ニップル DT SquorxProブラス  右ニップル BoraOne用 ねじ部分が長いので緩みにくいと思います

Boraを分解するには普通のレンチでは分解できません。ニップルはカンパのオリジナルニップル(4mm角)です。このためニップルレンチも特別サイズでないと回せません。

幸いにも手組ホイールファンでは自作(特別な道具ではありません)のニップルレンチがありますので通常より時間が掛かりますが分解することが出来ました。

リム、ハブ、スポーク、ニップルすべての部品がオリジナル部品ですので部品交換の必要が生じた場合新しく取り寄せが必要です。代品は使えません。これがいいのか悪いのかを言う資格はありませんが不便なこと、高価であることは確かです。時間もかかるし扱えるショップさんも制限されています。しかしもともと完成度は高いので頻繁に調整が必要なことはないように作られています。スポークのねじ部分を見ても分かります。その分十分な価格になっています。

ハブだけでなくニップルまでオリジナルを作って真似できないようにしているカンパ、一目でカンパを使っていると分かってもらえるデザイン、どれをとっても感心しました。このカンパBoraを分解して新しいホイールを作る注文をいただきましたお客様に感謝しています。

SHIMANO ALFINEの内装ハブでミニベロホイール作製

お客様より連絡をいただきました。

次の仕様でホイール製作をお願いすることは可能でしょうか?

前輪(リムブレーキ使用予定)
・ハブ…20H(OLD100mm)
・リム…Silverock XR-240 20インチ(451)20H


後輪(リムブレーキ使用予定)
・ハブ…シマノALFINE11 SG-S7001 ブラック 32H
・リム…Silverock XR-240 20インチ(451)32H

内装ハブは特殊ですがホイール作りではオーソドックスな組み方になります。

組み立てをお受けすることになりました。

お送りいただきました内装ハブ

お送りいただきました内装ハブは結構重量があります。32Hなので通常の3クロス組で組みます。前輪は通常の20Hハブでラジアル組です。

用意するスポークは約200mmと短いので手に入りやすい2mm径のスポークを使います。

スポークを使うホイール作製ではテンションメーターがなくても振れ取りは出来ます。しかし適切なスポークテンションで組み上げることが重要です。

ここで小径車のホイール作製では困ったことが一つあります。短いスポークではテンションメーターが使えないことです。勘に頼るしかないのですが解決策はあります。

それはスポークを弾いて出る音に頼ることです。これはビルダーさんが昔からやっていることですが一歩踏み込んでスポークが110kgf、120kgfではどんな音がするのか知ることで解決します。調律師のようにスポークの音を聞いて組み上げていきます。音を頼りにスポーク調整を行うのですが、音を使った調整はキリがありません。頃合いのところで切り上げますがホイールの精度は格段によくなります。

前輪 ラジアル組
後輪 32H 3クロス組

ホイールの振れ取りは慣れればできます。しかし振れが出にくいホイールに仕上げるには振れ取りだけでは足りません。スポークテンションの均一化です。

出来上がり後はしっかりと馴染みだしを繰り返して仕上げます。リムテープを巻きまして納品です。うまく出来ました。

36穴ハブ、24穴リムでホイール作製

お客様より次のメールをいただきました。

ハブ(HB-7600 36H)のみ持ち込みで、ピストのリアホイールのお見積りをお願いいたします。 条件としては、クリンチャー700C2325Cのタイヤを使う予定となっております。

希望としては

・安くて丈夫が優先

・重さや走り出しの軽さなどは全く気にしない

・見た目も全く気にしない

お送りいただきましたハブは36穴ハブ HB-7600はトラック用の両切りハブでした。しっかりしたいいホイールを提案します。

リムはTNIのAL300、スポークはピラーのTB2018(2.2/1.8/2.0mm)バテッドスポーク、ニップルはDTのSquorxProブラスでこちらで用意しています。

シマノ トラックハブ HB-7600 
AL300 459g ナローリムながらリム高が30mmで剛性は高い 安価でとても優秀

シマノハブのサイズはシマノのホームページから数値を知ることが出来ます。シマノハブのサイズ値は信頼できるので実測していません。今回はセンターオフセット値が5.25mmありますので左右のスポーク長は僅かに違います。

スポーク長の計算は変則クロス値が計算できるエクセルを使ったSpocalcという計算ソフトを使っています。今回は2.17クロス組です。エクセルのシェルにハブサイズと2.17組みを入力するだけでスポーク長が出ます。Spocalcはスポークの伸び率などは計算しませんので使うスポークに応じて長さの調整が必要です。

ハブは左右18穴ありますがこのハブを片側12本で使います。6穴は飛ばして使いません。ハブ穴の3穴をひとグループとしてスポークを通していきますと普通の組み方と同じです。

2.17クロス組(2クロスではありません)のピストホイールの完成です 

ホイール作りに慣れていて理屈が分かる方なら組み立ては簡単です。前もってすべてのスポークをハブに通して組んでいく方法では組みにくいかもしれません。スポークを一本ずつハブに通して確認しながら組み上げていく方が楽に組めると思います。

ハブは両切りでしたので見た目は左右対称に見えますがセンターオフセットがあります。左右のスポーク長は僅かですが違います。勿論スポークテンションも左右同じではありません。

①矢印のプルスポークはギア側です
②ひっくり返してスポークを見ると上の写真と同じです  JIS組ではこのようになります

組み方はJIS組みにしています。ギア側のプルスポークはハブの内から外に出す(ヘッドイン)の組み方です。言葉での説明はわかりにくいのですが実物では簡単です。

今回のように36穴ハブを24穴で組めることが分かればいろんな組み合わせが出来ます。後輪は36本で剛性を保ち、前輪スポークを24本に減らして軽量化と空力アップするとかも考えられます。36穴リムがなくて使わずにあるハブも24穴で利用出来ます。

前輪が乗り味に影響する

最近前輪のみのご注文が続きました。お二人とも乗り味が激変したと言っておられます。
硬いホイールで乗っておられた方や空力を改善したい方にはおすすめです。

前輪のタイヤを高級タイヤに替えてハンドリングを改善するアイデアは昔からよく使われてきました。前輪のハンドリングが良くなればロングライドにも疲れにくくなります。
後輪はパワーを伝えるのに大切ですが乗り味は前輪が影響します。

参考になるレポートをお客様よりいただきました。
先ずはHopeハブで組んだ46mm高の前輪カーボンホイールのご感想です。
以下原文です。

28mm幅46mm高18Hカーボンリム  Hopeハブ
Hopeハブ 18Hラジアル組

簡単ですが、ホイールのインプレを送らせていただきます。
今週50㎞程度の、いつも走っているルートを2回使用した個人的な感想をまとめました。
※使用機材:日本製カーボンロードバイク
 前輪46mmハイト(手組ホイール)
 後輪40mmハイト(ICAN alpha40)

前輪をこのホイールに変更し、いつものルートを同じように走ったのですが、自分でびっくりするほど足が良く回り、初日でストラバの区間自己ベスト(緩やかな上り坂)を更新しました。28mmのリム幅の影響なのか、『剛性が高い』をこのホイールで初めて実感出来ました。ダンシングしても横振れが少なく前に進み、時速35㎞以上までスピードが乗った後、そのまま維持してくれるような印象があります。ブレーキ面の強化オプションも考えましたが、ノーマルリムで問題なく止まってくれます。
(アルテグラR8100キャリパー)
ホイールの特徴をいちばん活かせる場面は、緩やかなアップダウンが続くライド(レースも含む)だと思います。軽い46mmハイトリムで、均一なスポークテンション調整の高い技術が要因だと感じます。hopeハブは初めて使用しましたが、剛性が高く、wing21スポークで組んでもらったリムとの相性がとても良いです。若干重量も増え、前輪のみハイトが少し高くなるのが心配でしたが、6mmのリムハイト増と数十グラムの差は、むしろ走りが安定し、前輪ハイトを少し高くするカスタムは、他の方にもおすすめです。(ちなみに新世代スペシャ ロヴァールRAPIDE CLX IIIは前輪51mm、後輪48mmハイトみたいです)

今回、以前から気になっていた「手組ホイール」をご縁があって購入させていただきましたが、コストパフォーマンスは抜群だと思います。

お褒めいただき恐縮しています。

次に9月26日の記事にしていますホイールです。前輪45mm高のカーボンホイールを2クロスで組んだホイールのご感想です。

2クロスで組んだ前輪
ノバテックのハブ使用 2クロス組

交換前がレーシングゼロコンペツォーネで硬いホイルだったのですが劇的に乗り心地がよくなりました。
狙い通りのホイールになった感じです。

2クロスで組みますとラジアル組よりも乗り味はソフトになります。
ジャンプが多いシクロクロスでは前輪にもクロス組を採用されることが多いです。
剛性がありすぎるホイールを使っておられる方にはお勧めの組み方です。

剛性を上げることに注目されがちのホイールですが剛性を下げることも一つのアイデアです。
乗り方に合ったホイールは快適なライディングを得ることが出来ます。剛性をあげたり下げたり、ホイールは奥が深いです。

ミニベロホイールのご注文

ミニベロホイールのご注文が増えているように感じています。今回はリム、ハブの持ち込みでスポークとニップルは手組ホイールファンが用意します。お送りいただきました部品は次の通りです。

前輪リム DA16 32H
後輪リム DA22 24H
前輪ハブ HB-F700
後輪ハブ FH-F700

ミニベロの場合ほとんどのスポークが200mm以下のスポークで作製しますのでバテッドスポークではぴったりのサイズのスポークが簡単に準備できません。スポークの別誂えに時間が掛かるため、スポークカットで対応できる2㎜径の丸スポークを使っています。スポークが太いためホイールの剛性はとても高いです。このためタイヤ気圧で乗り心地調整が必要と思います。剛性が高い分ホイールの反応は良いのではと考えます。

前輪 DA16リム使用 32H 686g
後輪 24H DA22リム使用 885g

組み立てるときスポークが短いためニップルを回しての反応は大きいです。このため少しニップルを回しても大きく振れが生じます。振れ取り作業は結構難しいと思います。ではどうすればいいのか?答えはテンションが緩いホイールを組み立てることです。ゆるゆる状態の仮組で組み立ててからゆっくりニップルを回してスポークテンションを上げていく方法が良いと思います。

小さいホイールはテンションメーターが使えません。テンションメーターが使えないのでスポークを弾いた音で調整しています。

先ずテンションメーター校正器に同じサイズのスポークをセットして100kgfの音を聴き取ります。この音を頼りにスポークを調整します。

スポークテンションが揃っていなくてもホイールの振れ取りは出来ます。テンションがバラバラでも振れ取りは出来るのですが、このホイールは使っている間に直ぐに振れが出てきます。振れが出にくい状態で使うにはスポークテンションが揃っていることが大切です。高級完組ホイールはスポークテンションがよく揃っています。時間をかけているので高価なわけです。

音を聞きながら調整するときは注意点があります。テンションメーターでは同じテンションを表示しても音で調整すると音色が違うときがあります。ギターの弦調整とは少し違いますので適当に切り上げることも必要です。

出来上がりミニベロホイール  リムテープを巻いて納品しました 喜んでいただいたようです

今回はシビアに調整しましたのでほとんどのスポークテンションが揃っています。振れが出にくいホイールが出来上がりました。お客様には喜んでいただけると思います。

追記  写真をお送りいただきました。 電動自転車にこのホイールならロードバイクといい勝負が出来るのではないかと厚かましいこと考えています。                                    

穴ナシカーボンリムでホイール作製

45mm高の穴ナシリムとノバテックのハブを持ち込みでホイール作製をご依頼いただいました。こちらで用意するものはポークとニップルです。スポークはピラーのウィング21、ニップルはDTのSquorxProです。

45mm高26mm幅 392g
リムは穴ナシリムです

穴ナシリムは名前の通りでバルブの穴だけがあいています。ニップルはバルブの穴からいれて磁石で引っ張り出してスポークを取り付けていきます。とても面倒です。

直接伺っていませんがお客様はホイールを組める方だと思っています。料金は4時間分いただいていますが作製依頼の方が簡単で良いと考えられたのでしょう。

前輪ホイール 645g wing21 2クロス組
20H 2クロス組

手組ホイールファンではアリエクでの購入はやっていませんので分かりませんが製品の良し悪しは少し賭けになります。今回は手組ホイールファンに注文するだけでも勇気が要りますので失敗しても良いという感覚でリムを注文されたのでしょう。良い買い物されたかは使ってみないと分かりませんが出来上がりホイールはとてもよくできています。ホイール作製のプランを立ててビルダーに任せる方法もいいアイデアと思います。