XR31T/RTリム、シマノハブでホイールのご注文

ご自分でも自転車のホイールを組める方よりご注文いただきました。オートバイのホイールも組める超ベテランのライダーさんからのご注文です。普段通り組めばいいのですが今回のご注文にはちょっと張り切ってしまいます。

シマノホイールから取り出した20Hハブ
シマノホイールから取り出した24Hハブ

ハブはシマノホイールWH-R501から取り外した前輪20H後輪24Hハブです。シマノハブは通常28H、32Hと多スポーク用のハブしか販売されていません。今回の20・24Hのシマノハブはこのブログを読まれてヒントにされたそうです。

ご注文の内容は以下の通りです。

リム XR31T/RT 20・24H

ハブ シマノハブ 20・24H お送りいただきました

スポーク 前輪 ピラーTB2015 2.2/1.5/2.0mm

スポーク 後輪 ピラーTB2015 2.2/1.5/2.0mm

スポーク 後輪 ピラーTB2018 2.2/1.8/2.0mm

ニップル ダブルスクエア ブラス

見積もりを出しましたところダブルスクエアのニップルについて問い合わせがありました。ニップル重量が重いのではないかとご心配されました。

12mmニップルの場合、重量は10個で9.5gです。ダブルスクエアの場合10個で12.5gということで64個での差は約19gですので、前からも後ろからも調整出来る利点は大きいですとご説明しますと了承いただきました。

前輪はスポーク20本ですので一般にはラジアル組ですが2クロス組をご希望されました。乗り味を柔らかくしたいとのことでした。スポークが長くなりますのでショックアブソーバーの働きは大きくなります。

今回のホイールは前後ともに2クロス組です。後輪スポークは左右の太さを変えています。右ドライブ側には中央部が1.8mmのスポークにして剛性を上げています。もともとリムに剛性がありますのでお伺いしました体重、乗り方から考えまして剛性が足りないことはないと思います。しかしホイールの剛性に関しては好みがありますので最終的には乗ってみないと分かりません。

スポークはとても大切な働きをします。完成されたホイールをチューニングできる部分はハブとスポークです。ハブの場合はベアリングの取り換えなど考えられますが走る時速を考えますとなかなか目に見えての改善は望めないように思います。スポークの場合はっきり変化を感じることが出来る部分です。しかしスポークの交換などなかなかできるものではありません。特に完組の場合キシリウムホイールのように特別なハブに特別なスポークですので交換は難しいです。しかしRovalのように手組を謳っているメーカーの場合スポークは汎用品を使っていますのでチューニングアップにスポーク交換は可能です。考えて見られるのも良いかと思います。

前輪766g 左右2クロス組 乗り味は柔らかくなる
後輪1019g 左右2クロス組
センターオフセット値が小さいハブと3mmオフセットリムで左右テンション比率はとても良い

何度も馴染みだしを行いホイールは完成しました。お客様は経験豊かなライダーさんです。道場破りの客人を迎える気持ちですがとても良いホイールが出い上がりました。ご感想が楽しみです。

グランボア650ホイールのスポーク替え

ランドナーで有名な京都のグランボアホイールのスポーク替えをご依頼いただきました。グランボアのホイールは初めての出会いです。部品がグランボアということで、ビルダーさんがグランボアかどうかは確かでありません。

お預かり時のホイールです ハブ、リムはまだきれいに出来ていません
ドライブ側 4クロスで組まれています 少しオーバーラップしています
4クロスで組まれています オーバーラップしています

さて、お預かりしましたホイールはスポークが1本折れていました。ご依頼はスポークをすべて新しく交換です。

いつもホイールをお預かりしますとルーティン作業としてスポークテンションを調べますが今回は各スポークが緩んだり締めすぎたりでホイールになっていないのでテンション調べはやめています。分解前にハブの部分を見たのですがスポークは36H4クロス(8本どり)で組んでいます。

オーバーラップはトラブルの元になる

36Hハブの場合は4クロスで組むと考えがちですがこの組み方ではスポークがハブの部分でオーバーラップします。勿論スポークがオーバーラップしても使えないわけではありません。しかしスポークが重なると不要な曲がりが起こりますのでトラブルの元になりやすいです。また、重なり下のスポークを取り出すには2本緩めないと取り出すことが出来ません。このようにスポークの重なりは何かと面倒です。

スポークがオーバーラップするかどうかはDTのスポーク計算ソフトやエクセルを使うスポカルクでは分かりません。オーバーラップを計算できるソフトの研究が必要です。

シングルウオールのリムはスポークが長いとリムテープが巻けない
スポークがニップルから突き出ていませんのでリムテープは巻けます

グランボアの650リム内部はシングルウオールでした。あまり見かけることがないとても珍しいリムといえます。新しく組み直しましたが意外と剛性が高いリムでした。

リムがシングルウオールなのでスポーク長はニップルから突き出ない長さでないとリムテープが巻けません。ピッタリの長さになるようにスポークの長さには注意が必要です。使用スポークは取り出したスポークとほぼ同じ径のTB2015で組んでいます。

3クロスで組むとオーバーラップしません
スポークテンションのバラつきを出来るだけ少なくします

今回のようなスポーク折れの原因は主にスポークテンションを揃えていないことが多いです。勿論金属疲労で折れるのですが疲労の元になるのはテンションの不揃いからです。出来るだけスポークテンションを揃え、出来るだけ振れを取ることに注意して仕上げました。

RR411リム多スポークホイールのご感想をいただきました

5月24日に記事にしていますDTのRR411リムを使用した多スポークホイールのご感想をいただきました。勿論手組ホイールファンの宣伝になるのですが手組ホイールを考えておられる方に参考になると思います。お客様にご了解を得ましたのでインプレ記事にさせて頂きます。

以下原文です。

希望通りのホイールを製作して頂き、ありがとうございました。

走行後の感想です。

まず走り出しの安定感や漕ぎ出しが軽くなりました。

以前のホイールと比べて重量が軽くなったせいもあると思いますが、オーダー時に教えて頂いた

スポークテンションによる影響が大きいのでしょうか、性能表を見るとほんとにバラつきの数値は小さいですね。

そして乗り心地も良くなりました。

もともとフレームはクロモリ(正確にはモリブデン鋼)ですので乗り心地としては硬めでしたが、

荒い舗装や減速帯の凹凸も角が取れたような感じになり、クロモリ本来のしなやかさに戻った感じです。

こちらもオーダー時に長距離で疲れにくいとホイールと伝えておりましたが、スポークの種類はお任せしていましたのでそこも最適な選択をして頂けた結果なのかと思っております。

までは平地130キロほどで後半の疲労感がありましたが、交換後はまだまだ行けそうな感じですので、今後の長距離が楽しみです。

とてもありがたいインプレをいただきました。

文内に性能表とありますのはテンションデータをグラフにしてお渡ししています。このグラフはテンションのバラつき度が分かりますのでホイールの状態がよく理解できます。

ホイールは早く走れるに越したことがありませんが、どれだけ長く安定した走りが出来るかが大切と思います。乗り手の好みに合わせてお作りするホイールは安心できます。

お勧めいたします。

ICANホイールのスポーク調整

5月30日、31日の記事にしていますお客様はもう1セットICANホイールを持っておられました。ご購入の時期はわかりませんが今販売されているICANホイールではありません。このホイールのスポーク調整をご依頼いただきました。2セット連続です。前回のスポークを組み替えしたホイールは調子が良かったので今回のホイールと比べてみるというお考えです。

前輪571g 軽量です
後輪733g  軽量です

お送りいただきましたホイールは40mm高のホイールで、前輪は18H、後輪は24Hでした。前後で1304g、とても軽量です。

右ドライブ側ラジアル組 左側クロス組

前輪はラジアル組、後輪はドライブ側がラジアル組、反対側がクロス組という組み方です。スポークはすべてCXRAYで組まれています。

ホイールメーカーの宣伝文ではよく最強のスポーク、CXRAYで組んでいるというのがウリのホイールをよく見かけます。CXRAYはとても優秀なスポークですがすべてCXRAYで組めば良いホイールが出来るのかというのも疑問です。CXRAYは万能スポークではないということも知っていただきたいと思います。

個人的には左右クロス組が好きな組み方です。いわゆるオーソドックスな組み方です。好きな理由はプルスポークが24本の場合12本あるので引っ張るスポークが多いのが理由です。左右の効率まではわかりませんが数が多いのが好きな理由です。

今回お預かりホイールでは右12本はラジアル組です。プルスポークではありませんので駆動には大きく影響しません。左側12本の6本がプルスポークです。この6本のスポークがギアからハブシェルを経由して来るトルクを伝えています。24本の内6本ですのでこれで十分なのかはわかりません。走れているので大丈夫と思うのですが個人的には左右クロス組の方が好きなのはこれが理由です。お客様には組み方については説明していますのでご理解いただいていると思います。

お預かり時点のスポークテンションをグラフにしています。

スポークテンションのバラつきがとても大きい センターが出ていない
スポークテンションのバラつきがとても大きい センターが出ていない

スポークテンションのバラつきが前後ホイール共に大きいです。ギアからくる力は均等にスポーク伝わるのですが力を受ける側のスポークがバラバラのテンションでは駆動ロスが大きいです。加えてセンターも出ていません。

処方箋としましては各スポークの張りを出来るだけ均一になるようにしてセンターが出るように調整します。文章にしますとこれだけです。約2時間かけて調整しました。

前輪 出来るだけスポークテンションを揃えてバラつきを少なくします
後輪 出来るだけスポークテンションを揃えてバラつきを少なくします

出来上がりのスポークテンションをグラフにしました。まずまずの仕上がりです。前回のホイールはスポークを取り換えて剛性を上げています。すべてCXRAYで組んである今回のホイールと乗り比べていただきます。どちらのホイールがお客様に合っているのか楽しみです。

軽量アルミホイールの作製

何度もご注文いただいているお客様よりご連絡いただきました。

前回は31mm高のアルミリムでご注文でしたが今回は22mm高24mm幅のリムで前輪20H後輪24Hのホイールです。

詳細は次の通りです。

リム TNI AL22W 前輪20H後輪24H 後輪はオフセットリム

ハブ ノバテック A291SB F482SB

スポーク 前輪 ピラー WING21 シルバー

スポーク 後輪左 サピム CXRAY シルバー

スポーク 後輪右 ホイールスミス DH13 2.3/2.0mmシングルバテッド シルバー

ニップル ダブルスクエア ブラス シルバー

リムはTNI、ハブはノバテックです。スポークは相談で決めています。ほぼすべてお客様がご指定されています。組み方は前輪にはラジアル組、後輪左を3クロス組、後輪右には2クロス組です。後輪はいわゆるヨンロク組です。

後輪24穴のホイールでヨンロク組をしますとハブの左側スポークはスポークがわずかですがオーバーラップします。ヨンロク組では左スポークテンションが左右2クロス組より少し高くなります。計算上は1~2%高くなりますのでお客様はこちらを選択されています。

もう少し詳しく説明しますと、後輪は穴位置が3mmオフセットしていますのでスポークテンション比率は約10%改善します。それにプラスしてヨンロク組で1~2%のアップです。通常の左右を2クロスで組むのではなく少しスポークが重なってもテンション比率のいい方を選択されています。ご自分のプラン通り試してみることは良いことだと思います。

スポークは前輪にCXRAYよりも少し剛性が高いWING21を選ばれています。20本のスポーク数ではより剛性が高い方がよいと考えられました。後輪ドライブ側には2mm径の高剛性スポークを使い、左側には高級スポークのCXRAYを選択されています。

ドライブ側ホイールスミスDH13 左側CXRAY 太さの違いがよくわかります

ホイール組にはどれが正しい方法というものがありませんので好きな方法で組めばいいのですが、後輪は右ドライブ側から左へと組むのが組みやすいので右から左で行っています。何のことやら?ですが、この説明で分かる人はわかると思います。

前輪665g
前輪スポークテンショングラフ
後輪864g
後輪スポークテンショングラフ

組み上がりの重量です。前輪665g後輪864g、前後で1529gと軽量です。 スポーク選択でホイールの剛性調整を行っているよく考えられたホイールです。

お客様は今までのご注文で出来上がりに関してのデータを持っておられます。ご自分のプラン通りにご指示いただきました。軽量+剛性というバランスを考えられたご注文でした。

前回のホイールは31mm高でしたので主に平地用、今回の22mm高ホイールは登りがメインの使い方をされると想像しています。

ご自分でホイールのプランを立て、組み立てを手組ホイールファンに委託されています。出来上がりのご感想が楽しみです。

マビック キシリウムホイールの調整

何度もホイールのご注文いただきましたお客様よりキシリウムホイールの調整依頼を受けました。

前輪596g
後輪857g
ドライブ側スポークはラジアル組 反対側はクロス組

当初マビック製品の場合、手組ホイールファンは代理店ではありませんので部品調達がむずかしくホイール調整は出来ない旨お知らせしていました。しかし出来る範囲でOKということでしたのでお受けいたしました。

スポークテンションの調整とハブのグリスアップを行います。

フリーは引き抜けば容易に外せます きれいにしてグリスアップ行いました

キシリウムホイールはアルミスポークを使われています。スポークの剛性に関してアルミスポークはスチールのスポークとほぼ同じですが見た目が太くなりますのでとてもがっちりした印象です。この見た目にほれ込むユーザーが多いのも事実と思います。

お客様はキシリウムとわかるのが嫌でシールをはがし、写真のように一見普通のホイールのように見えますが現物は正真正銘のキシリウムです。

グラフのテンション数値はソフトと連動していませんのでバラつき度のみ確認しています
スポークテンションのバラつきがなくなるように調整しました

スポークの調整が終わりグラフにしました。グラフにしますと分かりやすいです。数値は高めですがタイヤをインストールしますと10~15%テンションが下がりますので数的にはいい数字かもしれません。

前輪ハブのフランジ幅は80mmと広いので横剛性が高い
前輪スポークの角度は8.2度あります  とても優秀で横剛性が高いホイールです

もともとの調整をお受けしましたお預かり時点の数値をもとに調整しています。スポークテンションのバラつきはなくなり均一化しています。

今回の調整ではアルミスポークを扱うのは難しいというのが印象です。何度か別のホイールでアルミスポークをポキンと折っていますのでアルミスポークの扱いは難しいと思います。

スポークの供回りを防ぐためにプライヤーなどの工具で押さえます。急に力を加えることなくゆっくりと行えば折れません。時間が掛かりますが急がば回れです。無理な力を加えなければスポークは折れません。時間は掛かりますが丁寧にするのがコツのようです。

スポーク替えしたICANホイールのインプレ

ご友人のホイールと乗り比べてみてあまりの違いだったのでご相談いただきました。お客様のホイールは剛性が強すぎたようです。ロングライドで帰るとくたくたに疲れておられました。剛性が強すぎると疲れ易いホイールになりますので剛性を下げるといいですよということでスポーク交換のご依頼をいただきました。詳細は5月30日、5月31日のブログ「ICANホイールのスポーク替え」で記事にしています。

ICANホイール 前輪
ICANホイール 後輪

この度、組み換え後の新しいホイールに乗られたご感想をいただきました。ご了解をいただきましたのでブログ記事にさせていただきました。今使っておられるホイールをよくするための参考になると思います。以下原文です。

休みが取れましたので、そこそこ長い距離(80kmほどですが)を作り替えていただいたホイールで走ってきました。その感想を申し上げたいと思います。

 乗り始めてすぐに気が付いたことは、乗り心地が凄く良くなっていることと、以前に比べてスムーズに転がることです。

いつもと同じ道、いつもと同じ幾分荒れたアスファルトで、タイヤとの間に薄いカーペットを一枚挟んだ感じと言いましょうか、タイヤの空気圧はいつもと同じはずなのに地面からの突き上げが半分以下になった感じです。

 そして一番驚いたことは、「剛性がありすぎるホイールは初心者には使いこなせない」という意味が自分なりに良く理解できたことです。

比喩的表現で判りづらいでしょうが、以前のホイールは鬼軍曹、現在のホイールは親身で優しい先生と言った感じです。

剛性が下がったおかげなのか、スポークを両側クロスで組んだおかげか、はたまたテンションがきっちり揃ったおかげなのか私には判別できませんが、どこで力をかければ一番進むのかをホイールが教えてくれる感じがします。

バネを効かせて前に飛び出す感覚と言うのでしょうか、そこを狙って踏んでそれ以外は無駄な力をかけないので、気が付けばいつもよりスピードが出ているのにほとんど疲れないのです。

以前のホイールはどこを踏んでも同じで、それ故に常に力をかけている感じで、きっと踏まなくていい所でも踏んでいたからすぐに疲れていたのではないかと思いました。

きっとテンション、スポーク、組み方すべてのバランスが取れているからだと思いますが、走り終えた後の疲労度も全然違います。大変気に入りました。

 今更ながら思うことは、知らないということは恐ろしいことだと言うことです。

ブログを拝見していなかったら、きっと私は「これが普通だ」と信じて転がらない疲れるホイールで必死に漕いでいたのでしょうね。

良い機会を得られたこと、良い職人さんに出会えたことを感謝します。

ちなみに、費用対効果は私の物差しでは抜群に良いと思いました。

ありがたいご感想をいただきました。良いホイールになってよかったと思います。過分な評価を頂き感謝しています。

ホイールはカメラのレンズとよく似ています。解像度が素晴らしいレンズを使っていて、もうこれで十分と思っていても違うレンズで撮影するとまた違った好きな画像に出会うことがあります。比べるとよくわかります。好きなレンズに出会うには比べるしかありません。ホイールも全く同じで比べたらわかります。お金を出せばいいものに出会える確率は高くなりますが誰もが出来ることではありません。レンズ沼、ホイール沼にはまり込むとなかなか抜け出せないのも事実です。しっかりと足元を見据えながら沼を渡っていきたいものです。

波型亀甲柄カーボンリムでホイール作製

3度目のカーボンホイールをご注文いただきました。

波型亀甲柄のオーダーリム使用

今回は波型リムで亀甲柄を指定されました。リムブレーキ用で前輪ブレーキ面は強化タイプです。オプションで特殊加工されたブレーキ面はブレーキがよく効きます。

前輪 ブレーキ面は強化加工をしています 方向性があります

リムブレーキ用のカーボンホイールはブレーキが心配という人が多いようです。これは慣れの問題ですがオプションで強化しますと心配は少なくなります。ディスクブレーキにしなくても充分使えるという人が多いです。慣れたフレームを変える必要がないのでファンが増えています。

亀甲柄で特注しています 後輪用のブレーキ面は通常のブレーキ面です

リムは柄が亀甲柄で写真のように波型です。波型にすると空力が良くなると言われています。最近のトレンドのようでいろんなメーカーから発売されています。実際手組ホイールファンにも問い合わせが増えています。

ハブ、スポークはお任せいただきましたのでノバテックハブとwingスポークで組んでいます。

ノバテックハブは台湾の量産ハブです。高級ブランドハブではありませんがフリーなどの部品が容易に入手できます。摺動性も必要十分の性能です。

スポークはピラーのwing21スポークです。サピムのCXRAYやDTのエアロライトよりは剛性が高いスポークです。空力はウィングスポークの方が少し勝っていると言われています。この差が理解できる人はなかなかいないと思いますが良いといわれると気持ちとしてはいいものです。

スポークの剛性がCXRAYよりも高いのでCXRAYを使われたホイールではヌルイと感じる方には良い選択と思います。高級スポークだからよく走るというのではなく、乗る人の力や体重にあわせて選択するのが本筋と考えています。

前輪 620g
後輪832g

スポーツテンションを出来るだけ均一になるように、出来るだけ振れを少なくして仕上げています。お客様の評価が楽しみです。

優勝したとメールをいただきました

調整して頂いたロバールのホイールをつけて地元のローカルのヒルクライム大会「上州藤岡ライドandヒル」という大会で40代1位になれました

調整して頂いた凄く回るホイールのおかげです

6月9日に開催されました

チャレンジサイクリングフェスタ2024 第13回上州藤岡ライド&ヒル

40歳代部門で優勝され、お客様より上記(原文)のご連絡いただきました。試合後すぐにいただきました。

ホイールが助けてくれたとご一報いただきましたが、やはり日頃のトレーニングが実を結びました。好成績に終わられて本当に良かったです。お手伝いと言うほどではありませんがとてもうれしいお話です。

ホイールは乗り手との相性があります。いくら高価なブランドホイールでも乗り手の力とあっていなければヌルク感じたり、反応はいいのだがすぐに疲れてしまうということがあります。

スポークを取り換え剛性を強化したRovalホイール

これらはスポークの選択でよくなることが多いです。ぬるい場合はスポークを太くする。剛性が強過ぎる場合はスポークを細くする。このように乗り手が持っておられる力に応じた剛性がいいと思います。詳細は1月15日の記事「Rovalホイールの剛性アップ」で分かります。

追記:お客様より新しく連絡いただきました。ホイールの感想です。

この大会に向けて練習した成果と回るホイールのウェートもかなり大きなアドバンテージになったのは間違いありません

二カ所下りがあるので一気にスピードを上げられましたし、登りでもスピードが下がりずらくペダルのパワーがホイールにちゃんと乗っかり進む感じがしました

スポークを変えたことで力が逃げないで進ませてくれるのがよく分かりました

Rovalホイールも乗り手の力に合っていなければホイールの性能が発揮できません。Rovalはヌルイと言われているのをよく聞きます。理由はスポークがCXRAY、エアロライトと細いスポークだけで仕上げているからです。高級スポークは万能ではありません。しかし朗報です。高価なホイールを買ってがっかりしている人にはスポーク交換という手があります。

後輪カーボンホイールの点検、再調整のご依頼

5月20日の記事で前輪のスポーク替えを行いましたホイールですが、既に15000kmほど走っておられるようです。今回は後輪をスポーク調整とハブメンテナンスの依頼がありました。

ホイールは46mm高のリムブレーキホイールです。ブレーキ面はオプションで強化加工を行っていますのでブレーキはとても良く効きます。ディスクに変更する必要はないと伺っています。

今回のハブはミケハブです。ハブの分解は5mm六角レンチを2本用意します。シールドベアリングを使ったハブは慣れた人なら容易に分解できますが、ビギナーさんには少々面倒でハードルは高いと思います。

5mmレンチ2本で分解します

プロに任せるのではなくご自分でされるのであれば別のハブを用意して分解してみるのも良いのではないかと思います。事前に練習してハブの構造が分かれば簡単にできます。しかし一番簡単な方法は専門の人に任せることです。時間と技術をお金で引き換える方法は納得できる方法です。

ハブをきれいにすることで整備が始まります
油汚れは油で落とす

ハブの調整はしっかりと汚れを取ることから始まります。油汚れは油で落とすといいますが先ず汚れを拭きとり新しいグリスをつけてまた拭き取ります。何度も繰り返せばきれいになります。汚れを取り除きますと8割は終わったようなものです。最終的には新しいグリスを塗って元通りに組み立てれば終わります。

ホイールはもともとしっかりと馴染みだしを行っていますのであまり修正するところはありません。数か所修正して終わります。ハブのメンテも1万から1.5万kmでグリスアップしておけば長く使えます。自転車は買った日からメンテは始まります。自分でやる、人に任せるは自由ですが定期的にメンテをすれば長く使えます。