24gの増加で剛性を高める

7月16日に記事にしました改造レーシング3ホイールですがオーナー様よりご連絡いただきました。ホイールの乗り心地は柔らかくていいのですが踏み込んだ反応が柔らかいということをお知らせいただきました。言わばぬるいホイールということで改善できないかとお問い合わせいただきました。

解決策としてスポークを太くすることで剛性が上がることをお知らせし、当初のスポークwing21からDTのコンペティションに変更することを提案しました。

果たして了解を得ましたので21本のスポークをすべて取り換え、5gスポークから6gスポークに変更です。

因みにスポークは海外の自転車フォーラムでは4gスポーク、5gスポークと呼ばれています。日本ではこのような言い方はあまり聞かないのですがどうでしょう?

さて、大雑把な言い方ですがホイールの剛性は使用するリムとスポークとその数量で決まります。今回はスポークを太くしました。しかし使用のカーボンリムメーカーでは剛性が高すぎるスポークを使用するとリムが割れる恐れがありますので太さを制限しています。つまり1.8mmのスポークまでなら使用可ですが2mmスポークは使わないように注意されています。このことを守りながら剛性を上げることにしました。

wing21で作製 853g
コンペティションに変更後 877g

ホイールがぬるい、硬いの違いはいろいろ乗り比べないとわかりません。お客様はハイパワーの持ち主でしかも長い経験がおありなので違いがわかりました。最初にお納めしたときの上写真(853g)と今回の下写真(877g)を比べますと24gの差があります。他の部品は同じものです。

ホイールの剛性はスポークの総面積に比例します。今回の24gの増加はスポーク4本増えたのとほぼ同じです。スポーク交換でどれだけ変わったのかお客様のご感想が楽しみです。

HUNTのホイールをお預かりしましたが…

何度もご注文いただいていますお客様よりご紹介いただきました方よりHUNTのホイールの点検依頼を受けました。

6,7年前のことですがHUNTというブランドは手組ホイールファンがホイール販売を始めたころ知りました。比較的新しい英国のブランドです。

当時、手組ホイールファンではXR31T・RTの20・24Hホイールを作って販売していました。英国でも同じリムメーカーのリムを使った同じホイールを販売しているのでこのメーカーを知りました。英国の自転車雑誌でも大きく取り上げられたホイールとして販売されていたことを思い出します。

前輪 左ブレーキ側12本 右6本
前輪 左クロス組右ラジアル組  2:1組のホイールです
とても軽量です
左右クロス組 20H

このHUNTのホイールが送られてきました。最新のカーボンスポークが使われたホイールでした。

残念ながらカーボンスポークのデータは全く持っていません。このためスポークテンションが揃っているかどうかはテンションメーターで分かりますが何kgfで張っているかはわかりません。

さらにニップルは3.4mmのレンチで回せるのですがとても硬く固めてありましたのでニップルは全く回りません。。無理に回せば折れるのではないかという心配もあります。結局手組ホイールファンでは扱えませんとホイールはお返しすることにしました。

カーボンスポークについてはデータがありません。サピムやDTSwissのようなデータがあればいいのですが惜しいと思います。軽くて強度があるのですが広く流通していないのも難しい点です。幸いにもいつも購入しているカーボンリムメーカーがカーボンスポークを販売してくれます。しかし価格はとても高価です。手に入らないから値打ちがあるのかもしれませんが今のところこれまでのスチールスポークで十分事足りています。シマノ、カンパが扱っていませんのでもう少し様子を見ようと思っています。