ビードクリームを使ってみました

チューブレスタイヤを使うようになってビード上げには石ケン水を使っています。タイヤが新品の場合比較的容易に上がりますので特別不自由していませんでした。タイヤインストールにはビードクリームがいいですよと以前からお客様より教えていただいていましたが使っていませんでした。

しかし最近ですがビードクリームを使ってみたのですがこれはいいと思いました。メーカーの宣伝をしたくない方針でブログを始めましたのですが今回は別です。

ビードクリームはタイヤをはめるのに最適です。私は力がないので最終的にはプラのタイヤレバーを使っていますがとても楽にタイヤインストールできます。写真は50g入りで1000円ほどです。

作業はタイヤ左右のビード部分にスポンジにつけたクリームを軽くこすりつけるだけです。少量で事足ります。スタート位置が分からなくなりますのでタイヤのマークから始めたらわかりやすいです。大丈夫かな?と思うくらいです。いつも通りタイヤをリムにはめるのですが簡単にはまります。クリームが滑りやすくしているのでしょう。力がいることはいるのですが楽に滑っていきます。なるほどと納得できます。

チューブレスタイヤを使うようになってパンク修理がとても面倒でした。この作業が嫌なのでチューブレス運用をやめる人もおられます。いやな作業の軽減化につながるビードクリームはお勧めです。もっと早く使えば良かったと思うはずです。

マビックカーボンリム、ハーモニーハブでトラックホイール作製

ブログを通じてご連絡いただきました。リムとハブの持ち込みでのホイール依頼です。

詳しく伺いますとマビックのカーボンリムとハーモニーハブというトラック用のハブを使ってほしいとご依頼いただきました。スポークはCX-RAY、ニップルはSqorxProとご指定いただきました。スポークとニップルはこちらでご用意いたします。持ち込みの場合この方法が一番出来上がりが安心です。スポーク長まで計算されて持ち込みいただいてもいいのですがERDの出し方でスポーク長が違うときがありますのでスポークは当方で用意するほうが問題なくいきます。

マビックカーボンリム 約400g
ハーモニーハブ ウクライナ製

マビックリムは国内価格では1本10万円近くします。ハブのハーモニーハブはウクライナ製のハブです。カーボンシエルで作られています。ともに初めてのリム、ハブですが組み方は一般的ですので問題ありません。穴ありリムなので組み立ては穴なしリムより早くできます。初めての高価なリムなので少し緊張しました。

前輪 ラジアル組
後輪2クロス イタリアンのご指定です

前輪はラジアル組、後輪は左右2クロス組です。後輪ハブが両切りハブなのでJIS組が多いのですがギアは片方しか使わないのでイタリアンで組むということになりました。

ワッシャーを使って組み立てます

リムにはワッシャーが付属しますのでワッシャーを使って組み立てます。カーボンリムではワッシャーを使うことは少ないのですがマビックがワッシャーを指定していますので使って組み立てました。

ホイール取り付け金具込みの重量です
前輪スポークテンショングラフ
ホイール取り付け金具込みの重量です
後輪スポークテンショングラフ

リムの指定テンションは説明書にかかれていませんでしたのでスポークテンションは約110kgfで仕上げました。均一に張れば自然とセンターは出ます。

フレームに取り付けた写真を撮らせていただきました。リムのマビックシールが黄色で差し色となっています。 シンプルな自転車は本当に美しいです。

カーボンチューブラーホイールのインプレお送りいただきました

アルミのチューブラーホイールをご注文いただきましてからカーボンチューブラーホイールもご注文いただきましたお客様よりカーボンホイールのインプレをお送りいただきました。ホイールはリムブレーキ用です。いつもロングライドで楽しまれています。

35mm高カーボンチューブラーホイール

おひとりの方が長い期間乗っていただいていますのでアルミとカーボンの違いもよくわかります。お値段的には倍の違いはあるのですがどちらのホイールにも良さがあり、場面場面で使い分けておられるようです。

以下お送りいただきましたインプレです。とても参考になります。

カーボンチューブラーホイールの感想を送らせていただきます
比較のホイールは以前製作していただいたアルミのチューブラーホイールになります
カーボンチューブラーホイールで1200キロ程走行しました
まずは平坦の巡行速度ですが2キロ程上がっています。まあ20キロが22キロになったくらいですが緩斜面では違いはよくわかりません
10%
を超える斜面ではかなりよく登るようになりなした凄く楽に感じます
長時間走行する自分にとって一番重要な振動吸収性能ですがとても良いです比較の多スポークのアルミチューブラーホイールよりも振動はありません 

こちらのホイールの方がロングライドに向いているのでは思うくらいです
ブレーキ(リム)性能ですが雨の日も走行しました 

アルミリムと違いはありません 

よくききます 
平坦主体のコースで10時間位走ると30分から1時間位早くなるようです
以上本当に感じたままを送らせていただきます
またなにかありましたら宜しくお願い致します

今回もいいお話をいただけてありがたいです。インプレを読ませていただきますとチューブラーホイールはやはり素晴らしいホイールといえます。ホイール沼に入り込むのは仕方ないところです。

今回のリムブレーキ面は強化加工をしています。1本約4000円オプションで追加料金をいただきましたがブレーキの効きは格段に上がっているようです。カーボンのリムブレーキではブレーキに不安があるとよく伺う話ですがオプションを追加されることでディスクに替えなくても良いようです。一つのアイデアとして良いと思います。強化リムの効果を知ってからはカーボンホイールをご注文の際必ずご案内するようにしています。

お客様からはここがいい、この点をよくしたらどうですかとアドバイスをよくいただきます。出来るだけ情報を共有しましてリーズナブルに自転車ライフを楽しんでいただけるようにしたいと考えています。

カーボンホイールをピスト用に組み替えました

お客様よりご連絡がありホイールの組み換えのご注文をいただきました。これで4セット目になります。

お預かりホイールは46mm高のカーボンホイールです。組み替えに使うハブも同梱いただきました。

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ホイールを分解して新しいトラック用のDTハブを使って組み替えます。

組み方もご指定されています。

仕様は次の通りです。

リム 46mm高カーボンリム 前輪20H後輪24H

ハブ DT 370track 20・24H

スポーク ピラーwing21 シルバー

ニップル DT  SquorxPro ブラス シルバー

前輪は2クロスでイタリアン、後輪も2クロスでJIS組みです。

ホイールをばらして再度組み立てる作業を行います。

ハブを取り出すとニップルはリムの中に残っています。穴なしリムの為バルブ穴が1個あるだけなのでひたすら振り続けてニップルを取り出します。沢山ニップルがあると意外と楽に出てくるのですが個数が少なくなると時間が掛かります。ガラガラと振り続けてすべて出し切るまで耐えるだけです。運が良ければ数分で終わりますが出てこないときは5分くらい振り続けても出ないときがあります。気分転換でコーヒータイムにして休憩するとポロっと出てくることが間々あります。面白いものです。

ニップルすべて取り出したリムを使って新しく組み立てします。

SONY DSC
SONY DSC

ハブはDTの370トラック用のハブで作ります。DTのハブには前輪用に20Hハブがあります。トラック用で20Hがあるのは知りませんでした。通常の20/24Hホイールリムが使えるのが今回のポイントになります。お客様の情報力に感心しています。

後輪ハブは両切りの通常のハブです。JIS組みで組み上げます。

wing21 20本 102.5g
CX-RAY 20本 97g

スポークではwing21、CX-RAYのどちらかと迷われました。前輪の総グラム数ではスポーク1本分の違いです。ほんの少しですがwing21のほうが重いのでわずかに剛性も上がります。この差がお好みの乗り味にどう影響するかも今回のスポーク選択の結果に興味あります。

私は鈍感なので分からない分野ですが分かる人はわかるのでスポーク選択は非常に奥が深いです。

今回組み上げの段階で一つ不思議なことが起こりました。

前輪ですが左右のテンション差はスポーク長が同じなので通常に組み上げますとスポークテンションが左右ほぼ揃ったら理論上センターはしっかり出ます。

組み上げて馴染みだしも終わって左右のテンション差も同じに仕上げたのでセンターが出ているか調べました。すると約0.5mmもずれているのです。理由が分からないのでしばらく戸惑いました。

落ち着いて考えてみますとわかりました。ストレスリリーブ(なじみだし)が足りなかったのです。もう一度しっかりと馴染みだしを行いました。

テンションを測りますと左右テンション差が出ていました。もう一度スポークテンションを揃えます。果たしてテンションを測りなおしますと左右一致しています。

ストレスリリーブが足りないとセンターは出ないということがよくわかります。一つ賢くなりました。細かいことですがホイール作りはこのような積み重ねだと思います。

ホイールは完成しました。左右のスポーク長が同じなので100~110kgfで仕上げています。

通常のギアが沢山ある後輪なら左右のテンション差が大きいので緩いほうの左スポークテンションを高めるために右スポークテンションを130kgf前後の高い数値で仕上げます。今回のホイールでは左右が同じなので100~110kgfで十分です。カーボンリムの為、剛性が高く歪は少ないので130kgfまで上げる必要はありません。

テンション値が低過ぎる場合リムが体重で歪み駆動ロスが発生します。しかし高過ぎるとリムを傷めるもとになります。スポークテンション値を決めるのも意外と難しいものです。私の場合リムメーカーの指定値範囲で仕上げるようにしています。直感的な勘でのホイール作りは難しいということでお勧めしません。

カーボンリムの場合150kgfと高い数値で仕上げても耐えるだけのリム強度はありますが割れやすいという欠点もありますので注意が必要です。高過ぎず緩すぎずの頃合いで仕上げることがポイントのようです。

前輪、後輪ともに2クロス組
後輪 931g 
後輪 左右2クロス JIS組
前輪 860g
左右2クロス イタリアン

出来上がりましたホイールは手組感ある美しいホイールです。

OnyxHub,Hed Belgium rimでグラベルホイールの作製

ブログを通じてご連絡いただきました。

HEDのアルミリム、アメリカのONYXハブを使ってホイールの作製依頼です。スポークはサピムのCX-RAYを使います。お客様よりハブとリムはお持ち込みです。スポークはこちらでご用意いたします。

スポークも持ち込みしたい方もおられます。スポーク長の計算をご自分でされて、組むだけを手組ホイールファンでという方も今までおられました。この場合スポークが短い方もおられ、これでは組めないとお断りした方もおられます。持ち込みの場合はリムとハブだけのほうがお互いロスが少ないと思います。

さて、今回お送りいただきましたリムは初めてのリムでした。ハブは取り扱いの経験があります。HEDのホームページからわかりますがグラベル用のワイドリムでリム外径30mm内径25mmと幅広です。700cと650cがありますがお送りいただきましたリムは700cの方です。

ワイドリムなのに軽量です
幅30mmのワイドリム
ジョイント部分です 溶接接続できれいな仕上がりです

ワイドリムなのに重量は意外と軽く460g前後です。リムのジョイント部分は溶接です。とても仕上げがきれいで縦ブレが取りやすいリムで、つまり真円に近づけるのが容易です。値段だけはあると感じました。

アルミリムなのでカーボンリムのように割れに対する心配はいりません。グラベルに適していると思います。剛性や破損に関してアルミリム、カーボンリムどちらも良いところ弱いところがあるのでどちらを優先するかです。どんなものでもプラスマイナスはあります。

前輪ハブ
特許の特殊構造 後輪ハブ

ハブはONYXのVesperハブです。ホームページからの情報ですがとても高価なハブです。フリーを回しますと驚きます。全く音がしません。特殊な構造をしているのが分かります。分解も容易でグリスアップはやりやすいようです。

ハブとリムだけで立派な自転車が買える部品を心配することなくお送りいただいたことはありがたいなと思います。

ご用意するスポークはCX-RAY、ニップルはブラスを使って組み上げました。

製作において縦ブレ取りではリムがほぼ真円になるまでにスポークを調整します。出来るだけ均一に張ることが肝心です。スポークは強弱強弱という形でバランスが取れるときれいに振れ取りができます。つまりスポーク張力が均一にならなくても振れ取りはできます。しかし振れを取り終わるだけでは出来上がりはまだ8合目で、もうひと頑張り必要です。テンションを揃えることで長く使われても駆動ロスが出にくいホイールとなります。

各スポークに伝わる力はどのスポークにも同じだけ力が伝わります。スポークに強弱があれば伝わる力は減じます。すべてのスポークが揃っていれば当然ロスは少なくなります。これがホイールの良さを決める大きなポイントと考えています。

また、日をあけてスポークテンションを調整することも大切です。一番楽な方法は一度乗ってみてスポークの張りを再調整するのが一番いい方法ですが遠方の方にはこれが出来ません。このため時間をあけて何度も馴染みだしを行っています。

カッコイイホイールです
前輪762g
スポークテンションばらつき度5%以内に調整
後輪1012g
スポークテンションばらつき度5%以内に調整

出来上がりました。非常に存在感があります。色の組み合わせが印象的です。とてもカッコイイので使ってみたいホイールです。グラベルホイール、期待できます。